世界でも有数のイノベーション都市として近年注目が集まっている中国の深セン。
中国のシリコンバレーと言われるほど将来有望なスタートアップが終結しており、
多くの投資家が注目しています。

日興アセットマネジメントがこの流れをとらえて、深センにフォーカスしたファンドを
新しく設定しましたので、独自の目線で分析していきたいと思います。

深セン・イノベーション株式ファンドの基本情報

深センとは?

深センは1980年に中国政府に経済特区として指定されて以降、飛躍的な成長を遂げており、
米国のシリコンバレーに匹敵する新たなイノベーション都市として注目が集まっています。

深センの優れている点は、1人当たりのGDPが中国主要都市トップで、国際特許出願件数も
トップ、技術革新力などで評価する「グローバル・イノベーション・インデックス」の
トップと中国国内だけでなく、グローバルで見ても、有数のイノベーション都市となっています。

投資対象は?

投資対象は、深セン証券取引所に上場している人民元建ての中国本土株式(中国A株)を
主要投資対象とし、中長期的な値上がり益を目指します。

現在は77銘柄で構成されており、組入銘柄の比率を見ると、深セン市場中小企業板や
深セン市場創業板の比率が高く、今後成長余力の高い中小型の銘柄を中心に
組み入れていることがわかります。

そして業種別でみると、情報技術が40%、次いでヘルスケアが18%となっており、
シリコンバレー同様、最先端の技術を開発する企業に投資をしていますね。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

深セン・イノベーション株式ファンドは現在530億円ほど集まっていますので、
規模としては全く問題ありません。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

深セン・イノベーション株式ファンドの運用報告書はまだ出ていませんが、
実質コストを概算すると、1.77~1.87%となり、かなり高くなるでしょう。
コストが高いので、積極的にはおすすめできません。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.674%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.77~1.87%(概算値)

深セン・イノベーション株式ファンドの評価分析

基準価額をどう見る?

現在の基準価額は8941円となっています。1月末の市場の大暴落前の水準まで
まだ戻せていないことを考えると、運用はあまりうまく行っていないようです。
まだまだこれからといったところですね。

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が
多いということなので、評判が良いということです。

深セン・イノベーション株式ファンドは2017年に新規設定されて以来、
毎月多くの資金が流入しています。やはりそれだけ深センへの期待値が
高いということでしょう。

深セン・イノベーション株式ファンドの今後の見通し

現状でいえば、期待外れの運用結果と言えますが、この大部分は
米中の貿易摩擦による市場の不確実性が高まっていることが原因です。
短期的には、慎重姿勢ですが、中長期的には強気の見方ができるでしょう。

深センは「中国の未来」ともいわれており、決済はスマートフォンが当たり前、
公共交通機関は電気自動車に置き換わり、タクシー配車サービスアプリやスマホを
活用したレンタサイクルもすでに日常的なサービスとなっています。

続々と中国国内から有望なスタートアップが深セン証券取引所への上場を目指して
集まってきています。中国のイノベーション企業は世界でも存在感を高めており、
アリババやテンセントは世界の株式時価総額ランキングの上位にランクインしており、
直近10年で第二のアリババやテンセントが出てきてもおかしくない状況です。

そして、MSCIエマージング指数の組み入れ対象に中国A株が採用されたので、
今後、大きな資金流入が期待できるというのもプラス要因でしょう。

短期的には伸び悩んでいますが、中長期的には非常に期待がもてるファンドですので、
自分のポートフォリオに組み入れるに値するか引き続きウォッチしていこうと思います。