近年、レバレッジ型バランス・ファンドの人気が
非常に高まっており、各運用会社から続々とレバ
レッジ商品が登場しています。

個人的にはバランス型ファンドをそもそもおすすめ
していないわけですが、そこにさらにレバレッジを
かけるということで、いったいどのような投資家が
どのような思いで投資をしているのかが非常に気に
なります。

バランス型ファンドの本当のデメリット。なぜ私はおすすめしないのか

米国の株式と債券を投資対象としたレバレッジ型の
バランスファンドは今までに存在しなかったため、
果たして投資家からの賛同を得られるのか非常に
興味深く見守っています。

今日は、そんな楽天・米国レバレッジバランス・
ファンド『USA360』を徹底分析していきます。

『USA360』楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの基本情報

投資対象は?

『USA360』楽天・米国レバレッジバランス・
ファンドの投資対象は米国の株式及び米国の
債券です。

基本配分比率は株式1に対して債権が3になる
ように運用をしていきます。


※引用:交付目論見書

ただし、今回はレバレッジをかけた運用を行います。

通常であれば、あなたが100の金額を投資したと
すると、25が株式、75が債券となりますが、3.6倍
のレバレッジをかけていますので、それぞれ3.6倍の
株式90、債券270に投資をしていることになります。

厳密に言えば、あなたの投資した金額100のうち90で
株式を購入し、残りの金額で債券先物を購入してレバ
レッジをかけているのですが、ここまで細かい話は
気にしなくても良いでしょう。

レバレッジ型ファンドの最大のデメリットとは?

私が考えるレバレッジ型ファンドの最大のデメリット
はレバレッジが大きいほど運用の仕組み上、下落圧力
がかかるということです。

もう少し具体的に説明をしていきます。

『USA360』楽天・米国レバレッジバランス・
ファンドが目標とするレバレッジ3.6倍は、前日
に対する1日の値動きについてのものです。

言い換えると、比較する日から2日間以上期間が
空くと、必ずしも3.6倍の値動きにはならなくなります。

バランス型ファンドだと複雑なので、レバレッジ
3.6倍の日経平均に連動する株式ファンドだった
として説明していきます。

当初時点での価格を100円として、1日後、
日経平均株価が5%下落して95円になると、
レバレッジファンドはその3.6倍である
18.0%下落します。

そして、2日目。日経平均株価が100円に戻ったと
すると、+5.26%上昇したことになります。すると、
レバレッジファンドは18.96%上昇することになります。

対象 当初 1日目 2日目
日経平均株価 100円 95.0円(▲5%) 100円(+5.26%)
3.6倍レバレッジF 100円 82.0円(▲18.0%) 97.54円(+18.96%)

さて、ここからが問題なのですが、実際に数値を
確認してみると、日経平均株価は100円に戻って
いますが、レバレッジファンドはどうでしょうか。

97.54円になっています。

実際に計算してみるとよりイメージが沸きますが、
複利計算の構造上、レバレッジが利けば効くほど、
一度下落してしまうと元の水準に戻すのが難しく
なります。

つまり、下落したときは、より高い利回りで運用
ができないと元の水準まで戻せません。このことを
理解しないまま投資をしている人が多すぎます。

そして、たいていレバレッジ型ファンドの人気が
出てくるのは、株式相場が好調なときです。

そこでこぞってレバレッジ型ファンドに投資を
するわけですが、一般投資家がマーケットに
入ってくるときにはすでに相場の方向が変わり
かけていることも多いです。

そして大きく下落したときはレバレッジがきいて
いますので、ダメージは3.6倍の損失となります。

さらにさきほどの例にも示したように、レバレッジが
利いている分、余計に元の水準まで戻すことが難しく
なり、結局損失を出して退場するのがよくあるパターン
でしょう。

最近の目論見書はこのようなリスクについてしっかりと
説明していないので、とりあえず自己資金の3.6倍で
投資ができると気軽に投資をしている人が多いと
思いますが、非常に危険な考えだと思います。

米国債を保有する一番のメリットをわかっていますか?

『USA360』楽天・米国レバレッジバランス・
ファンドは米国債を自己資金の2.7倍保有できる
こともアピールしています。

しかし、私からするとなぜ米国債をファンドで
保有するのかそのメリットを理解できません。

私はこのブログで何度も債券ファンドに投資を
するくらいであれば、直接債券に投資をするべき
だと述べてきました。

債券ファンドのデメリット。なぜ私は債券ファンドをおすすめしないのか。

今回もまさにそうなのですが、たしかに自己資金の
3.6倍だけ米国債を購入できると思うと魅力的に思う
人もいるでしょう。

ただし、根本的に債券を直接保有するのとファンドで
間接的に投資するのではまったく意味が異なります。

富裕層の方は米国債に直接投資をしている人も多く
いるのですが、一番の魅力は確定利回りで運用
できるという点です。

要は毎年2%程度の利息を得ながら、満期日には
投資したときの金額でお金が戻ってくるのです。

もちろん日本人からしてみれば、為替リスクは
ありますが、それでも銀行にただ預けておくより
はよほど確定利回りの債券に投資するのは魅力的
なので、安全資産の一部を米国債で運用するのは
非常に有効な投資戦略と言えます。

米国債投資(アメリカ国債投資)完全攻略ガイド

一方で、債券ファンドの場合はまったく状況が
異なります。

債券の価格は我々がコントロール不可能な金利等の
変動で価格が上下しますので、当然ファンドの
基準価額にも影響を与えます。

そして、債券ファンドは自分が売却するときの価格
というのがその時の基準価額になりますので、初めに
投資した金額よりも少ない可能性も十分にあります。

投資の目的から改めて考えればわかることですが、
私からするとレバレッジをかけて債券ファンドに
投資をする意味がわかりません。

見かけの人気に騙されず改めて自分がどのような
運用をしたいのか冷静に考えた上で投資をすべきか
検討していただきたいです。

『USA360』楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの評価分析

個人的には、楽天投信が今のレバレッジ型のバランス
ファンドの人気にあやかりたいと思い、追加で用意した
商品だと思っています。

レバレッジが利いた運用というのは魅力的に感じますが、
本来リスクを抑える目的でバランス型ファンドに投資を
しているにもかかわらず、レバレッジをかけてリスクを
高めるというのは、そもそも自分の投資スタンスを
見失っているように感じます。

もしリスクをもう少しとれるというのであれば、別に
レバレッジ型のバランスファンドでなくとも、株式
ファンドにアセットクラスを変更するだけでも良いわけ
です。

よくわからないものによくわからないまま投資する
というのが一番もったいないですので、くれぐれも
本当に必要なのか判断するようにしてください。