コロナショック以降、テクノロジー株は圧倒的な成長をみせてきましたが、中でも大きく株価を伸ばしたのが、Facebook、Amazon、Netflix、Googleといった企業です。
この頭文字をとったFANGを筆頭に、次世代テクノロジーをベースに高い将来性をもつ企業に投資をしていくのが、大和アセットのFNAG+インデックス・オープンです。
今日は、FANG+インデックス・オープンの評価や評判を独自の目線で分析していきます。
「FANG+インデックス・オープンって投資対象としてどうなの?」
「FANG+インデックス・オープンって持ってて大丈夫なの?」
「FANG+インデックス・オープンより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
FANG+インデックス・オープンの基本情報
投資対象は?
FANG+インデックス・オープンの投資対象は、NYSE FANG+指数を構成する全銘柄に投資をしていきます。
NYSE FNAG+指数というのは、次世代テクノロジーをベースに、グローバルな現代社会において人々の生活に大きな影響力を持ち、高い知名度を有する米国上場企業を対象に構成された株価指数です。
国別の組み入れ比率は米国株が100%となっています。
※引用:マンスリーレポート
FANG+インデックス・オープンの組入銘柄数は11銘柄で上位10銘柄は以下のようになっています。
超大手企業のみで構成されており、あなたもほとんどの企業の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?
銘柄数を絞り込んでいるので、基準価額の値動きは相当大きくなることがこの時点でわかります。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
続いて、FANG+インデックス・オープンの純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。純資産総額は大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を運用する際に効率よくできたり、保管費用や監査費用が相対的に低くなりますので、コストが低く抑えられます。
また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。
FANG+インデックス・オープンは約150億円にまで大きくなっており、非常に人気の高いファンドです。規模のデメリットもありません。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
FANG+インデックス・オープンの実質コストは0.82%と、インデックスファンドの割にかなり割高となっています。大して負荷の高い作業が必要でないにもかかわらず、この手数料はかなり割高に感じますね。
購入時手数料 | 2.2%(税込)※上限 |
信託報酬 | 0.7975%(税込) |
信託財産留保額 | - |
実質コスト | 0.82%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
FANG+インデックス・オープンの評価分析
基準価額をどう見る?
FANG+インデックス・オープンの基準価額は、2021年に上昇し、2022年に下落したと思ったら、2023年にかなり大きく上昇しています。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
続いて、FANG+インデックス・オープンの利回りを見てみましょう。
直近1年間の利回りは58.89%です。3年、5年平均利回りは20%を超えており、かなり優秀に見えますね。
ただし、この利回りだけを見て、投資判断をするのは、禁物です。しっかりと他のファンドをパフォーマンスを比較してから投資をするようにしてください。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | +58.89% |
3年 | +24.16% |
5年 | +26.91% |
10年 | - |
※2023年10月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
FANG+インデックス・オープンは、優れたファンドが多い国際株式の北米株カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をしたいと思うので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングを調べました。
FANG+インデックス・オープンは、どの期間においても上位20%に入っており、かなり優秀です。
11銘柄しかないので、あたりはずれが大きいファンドではありますが、これくらい中長期で優れた成果を残し続けているファンドに投資をしたいものです。
上位●% | |
1年 | 2% |
3年 | 20% |
5年 | 2% |
10年 | - |
※2023年10月時点
年別の運用利回りは?
FANG+インデックス・オープンの年別のパフォーマンスを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の値動きの大きさが分かります。
1年で30%下落することもあれば、プラスの時は50%を超えるということで、基準価額の変動は相当大きいです。
今の時点ではパフォーマンスも非常に良い好調ですが、パフォーマンスが奮わないときにどこまで耐えられるかが勝負と言えます。
年間利回り | |
2023年 | +72.71%(1-9月) |
2022年 | ▲31.45% |
2021年 | +31.31% |
2020年 | +85.67% |
2019年 | +39.57% |
※2023年10月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とはインデックスファンドとの利回り比較
FANG+インデックス・オープンに投資を検討するのであれば、同じように米国株式に投資をしているインデックスファンドと運用実績を比較しておいて損はありません。
今回は、FANG+インデックス・オープンと同じく北米株で構成されているeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とパフォーマンスを比較してみました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、基準価額の値動きは違うものの、ほぼ互角のパフォーマンスとなっています。これだけみると、基準価額の変動の小さいeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のほうが良さそうですね。
ただ、より長期のパフォーマンスで比較をしてみると、FANG+インデックス・オープンのほうがかなり高い成果を残しており、基準価額の大きな変動に耐えられる人であれば、FANG+インデックス・オープンに投資をする価値がありますね。
FANG+インデックス | Slim 米国株式 | |
1年 | +58.89% | +23.68% |
3年 | +24.16% | +23.72% |
5年 | +26.91% | +15.80% |
10年 | - | - |
※2023年10月時点
類似ファンドとの利回り比較
インデックスファンドに投資をするにしても、アクティブファンドとパフォーマンスを比較してからでも遅くはありません。
今回は、北米ファンドで何度も優秀ファンド賞を受賞をしたことがあるアライアンス・バーンスタインの米国成長株投信Bコースと比較をしてみました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、2023年にFANG+インデックス・オープンが大きく差を拡げました。
基準価額の変動が大きいというデメリットはあるものの、現時点で言えば、FANG+インデックス・オープンのほうが高いリターンが期待できます。
FANG+インデックス | 米国成長株投信B | |
1年 | +58.89% | +25.71% |
3年 | +24.16% | +18.31% |
5年 | +26.91% | +16.72% |
10年 | - | +18.21% |
※2023年10月時点
最大下落率はどれくらい?
投資をするにあたって、気になるのが「このファンドはどの程度下落する可能性があるのか」でしょう。標準偏差である程度は理解できるものの、やはり実際に下落したかは気になります。
そこで、FANG+インデックス・オープンの最大下落率を調べてみました。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲18.46% |
3カ月 | ▲24.01% |
6カ月 | ▲24.61% |
12カ月 | ▲31.45% |
※2023年10月時点
FANG+インデックス・オープンは2022年1月~2022年12月までの1年間で▲31.45%の下落を記録しています。
ファンドの運用においては、大きく下落することもありますが、長期保有をすることでしっかりプラスのリターンが出ていますので、くれぐれもパニック売りはしないようにしてください。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が多いということなので、評判が良いということです。
FANG+インデックス・オープンはパフォーマンスの割に、資金が流出超過となっている月が目立ちます。
これは、ある程度利益が出たので、利益確定をしている投資家が多いのと、値動きの大きさにメンタルがついていけずに相場が下落しているときに解約している人がいるからですね。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
FANG+インデックス・オープンはNISAのみ対応していますので、うまくこの制度を活用していきましょう。
NISA | iDeCo |
〇 | × |
※2023年10月時点
FANG+インデックス・オープンの評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
FANG+インデックス・オープンはまさに2020年ごろからの潮流にドはまりしたファンドだったということもあり、異常に高いパフォーマンスとなっています。
正直、景気に敏感な11銘柄に絞り込まれているので、値動きは上下に相当大きいことが予想されてはいましたが、2022年のパフォーマンスを見ると、思った以上に下落幅を抑えられている印象です。
その一方で、2023年の驚異的な伸びもまた目を見張るものがあります。
何よりeMAXIS Slim 米国株式やアライアンス・バーンスタインの米国成長株投信と比較をしてもはるかに高い利回りで運用ができている点も評価に値します。
レバレッジをかけたファンドに投資をするよりもはるかに健全に高いリターンが狙えますので、ポートフォリオの一部に組み入れてみるのも面白いと思います。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点