「高配当株投資」は最近の1つのトレンドになっていますが、20年近く前から高配当株に目をつけて、運用が行われてきたのが、SBI岡三アセットマネジメントの日本好配当リバランスオープンです。
はたして、日本好配当リバランスオープンとはどのようなファンドなのか、徹底分析していきます。
「日本好配当リバランスオープンって投資対象としてどうなの?」
「日本好配当リバランスオープンって持ってて大丈夫なの?」
「日本好配当リバランスオープンより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
日本好配当リバランスオープンの基本情報
投資対象は?
日本好配当リバランスオープンの投資対象は、日本の株式です。
日経500種平均株価採用銘柄を予想配当利回りの高い順にランキングし、上位の70銘柄程度を投資対象とします。なお、財務内容や流動性の観点で、相応しくないと判断された銘柄については、除外することがあります。この除外をしていないと、株価が急落している関係で、利回りが異常に高くなっているような銘柄が含まれてしまう可能性があるため、ありがたいですね。
ちなみに日経500種平均株価は、日本経済新聞社が算出する株価指数で、東証プライム市場上場企業の株式から、売買高、売買代金、時価総額の3指標に基づき、500銘柄を選んで算出する指数です。
投資にあたっては、各銘柄への資産配分はほぼ同じになるように運用し、原則1か月ごとに各銘柄の組入れ比率のリバランスを行います。
※引用:交付目論見書
日本好配当リバランスオープンの現在の組入銘柄数は70銘柄で構成されており、組入れ上位10銘柄は以下のようになっています。
※引用:交付目論見書
純資産総額は?
つづいて、日本好配当リバランスオープンの純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
日本好配当リバランスオープンの純資産総額は、現在約1062億円です。2022年以降、パフォーマンスが非常に好調なことから、とてつもないスピードで資金が流入しています。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
日本好配当リバランスオープンの実質コストは1.337%となっており、インデックスファンド等と比べると、比較的高い水準になっています。購入時手数料もしっかり3.3%かかるのはいまいちですね。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 0.913%(税込) |
信託財産留保額 | なし |
実質コスト | 1.337%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
日本好配当リバランスオープンの評価分析
基準価額をどう見る?
日本好配当リバランスオープンの基準価額を見てみましょう。
他の日本株ファンドと違い、2021年~2023年まで緩やかではありますが、毎年着実に基準価額が上昇しています。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、日本好配当リバランスオープンの運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは41.68%となっています。それ以外の期間でも平均利回りは10%を超えており、かなり優秀な利回りです。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +41.68% |
3年 | +27.80% |
5年 | +10.75% |
10年 | +12.17% |
※2023年10月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
日本好配当リバランスオープンは、国内中型バリューカテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
日本好配当リバランスオープンは、どの期間においても、上位20%にランクインしており、かなり優秀なファンドです。なかなかここまで上位を維持できるファンドは珍しいですね。
上位●% | |
1年 | 20% |
3年 | 14% |
5年 | 12% |
10年 | 12% |
※2023年10月時点
年別のパフォーマンスは?
日本好配当リバランスオープンの年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
2018年、2020年はマイナスとなっていますが、それ以外の年は、毎年2桁プラスということで非常に運用も好調です。これだけ高い利回りで運用ができるならと、投資を始める投資家が多いのも納得ですね。
年間利回り | |
2023年 | +29.35%(1-9月) |
2022年 | +20.02% |
2021年 | +26.05% |
2020年 | ▲10.80% |
2019年 | +11.25% |
2018年 | ▲15.03% |
2017年 | +18.18% |
2016年 | +14.11% |
2015年 | +15.83% |
2014年 | +11.83% |
※2023年10月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とはインデックスファンドとのパフォーマンス比較
日本好配当リバランスオープンに投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。
そこで、今回は、日本好配当リバランスオープンと日経225に連動するニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間においては、ほぼ全期間において、日本好配当リバランスオープンが大きく差を広げています。これだけ差をつけられるのであれば、高いコストを支払ってでも投資をする価値があると言えます。
5年、10年の期間でも、日本好配当リバランスオープンのパフォーマンスはリードしていますので、投資価値はあるでしょう。
年平均利回り | 日本好配当リバランスオープン | ニッセイ日経 225 |
1年 | +41.68% | +25.03% |
3年 | +27.80% | +13.02% |
5年 | +10.75% | +7.56% |
10年 | +12.17% | +9.99% |
※2023年10月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
日本好配当リバランスオープンに投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、国内小型株カテゴリーで中長期で高いパフォーマンスを残している東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、ほぼ全期間において、日本好配当リバランスオープンのほうが上回っています。
しかし、10年平均利回りだけは、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンのほうが優れていますので、日本好配当リバランスオープンに投資をするのも良いですが、中期目線で投資をするのであれば、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンでも良いですね。
年平均利回り | 日本好配当リバランスオープン | 東京海上・ジャパン・オーナーズ株式 |
1年 | +41.68% | +6.88% |
3年 | +27.80% | +1.77% |
5年 | +10.75% | +6.18% |
10年 | +12.17% | +15.63% |
※2023年10月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、日本好配当リバランスオープンの最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲24.28% |
3カ月 | ▲35.70% |
6カ月 | ▲44.78% |
12カ月 | ▲45.05% |
※2023年10月時点
日本好配当リバランスオープンの最大下落率は2007年12月~2008年11月で▲45.05%となっています。リーマンショック級の大相場では、やはりこれくらいの下落はするので、その覚悟は必要です。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
日本好配当リバランスオープンの評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、日本好配当リバランスオープンの評判を見てみましょう。
2022年以降、恐ろしい勢いで資産が流入しています。これだけパフォーマンスが良いので、評判がよくなっているのも納得ですね。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
日本好配当リバランスオープンはNISAのみ取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。
NISA | iDeCo |
〇 | × |
※2023年10月時点
日本好配当リバランスオープンの評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
アクティブファンドに投資をするのであれば、最低限、インテックスファンドよりもパフォーマンスが上回っている必要があります。
その点、日本好配当リバランスオープンはパフォーマンスでインデックスファンドに大きく差をつけているので、選択肢の1つになりえます。
また、「高配当株投資」をいざ、自分でやろうとすると、毎回銘柄を選定して、ポートフォリオを入れ替えてと手間がかかりますが、日本好配当リバランスオープンに投資をしておけば、そういった手間もかからなくなります。
パフォーマンスも良いですし、高配当株投資を手間をかけずやりたいという人は、日本好配当リバランスオープンに投資をしてみるのも悪くないと思います。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>私が痛感する投資信託の限界。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点