アクティブファンド分析

【独自評価】DIAM 新興市場日本株ファンドの評判や口コミは?今後の見通しはどう?

2021年頃まで、日本国内の株式ファンドの中で、他を圧倒するパフォーマンスをたたき出していたDIAM 新興市場日本株ファンド。

残念ながら、人気が出過ぎて新規の申込はできなくなっていますが、今後、募集を再開する可能性も大いにありますので、そのときに備えて、今日はDIAM 新興市場日本株ファンドを徹底分析したいと思います。

DIAM 新興市場日本株ファンドの独自評価と分析

投資対象は?

DIAM 新興市場日本株ファンドの主要投資対象は、東証グロース市場です。現在の組入銘柄数は105銘柄となっており、情報通信系の企業が上位を占めています。

1位のAnyMind Groupは2016年にシンガポールでの創業以来、商品開発からEC、物流、マーケティングまでワンストップのITソリューションを提供しています。2位のGENDAはアーケードゲームのレンタルやオンラインクレーンゲームなどを手掛けています。3位のライフネット生命は「若い世代の保険料を半分にして、子育て世代が安心して赤ちゃんを産み育てられる世の中にしたい」という思いをもって、2008年に開業したオンラインの生命保険会社です。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

純資産総額というのは、投資家から集めた資金の総額を指しますが、必ず確認しておきたいポイントです。

純資産総額が少なければ、効率よく運用ができないため、コストが嵩みますし、運用会社としても運用に力を入れないため、パフォーマンスに影響が出てきます。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

現在の純資産総額は106億円程度なので、決して大きいわけではありませんが、投資対象がグロース市場で、純資産総額が増えすぎるとファンドマネジャーが投資したいと思う銘柄だけに投資できなくなりパフォーマンスが悪くなる可能性があるので、ちょうど良い規模と言えます。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、販売時の手数料・信託報酬・信託財産保留金以外にも費用がかかっているのをご存知でしょうか?

これを実質コストと言いますが、実質コストにはファンドの銘柄を入れ替える際にかかる売買手数料や有価証券取引税、監査費用や印刷費用が含まれます。

目論見書の信託報酬よりも実質コストがかなり割高になっているファンドもあるので、必ずチェックしたいポイントです。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

DIAM 新興市場日本株ファンドの実質コストは、1.750%で割高となっています。普通であれば、まず投資をしてはいけない水準ですが、パフォーマンスが良いのであれば、検討する余地があります。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.672%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.750%(概算値)

※引用:最新運用報告書

「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?

もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。

>>無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

基準価額をどう見る?

DIAM 新興市場日本株ファンドの基準価額は、2021年末に大暴落を起こし、2022年以降はほぼ横ばいとなっています。これだけ日経平均が上昇していますが、ほとんど恩恵を受けられていません。


※引用:ウエルスアドバイザー

利回りはどれくらい?

つづいて、DIAM 新興市場日本株ファンドの運用実績を見てみましょう。

平均利回り
1年 ▲10.57%
3年 ▲7.18%
5年 +12.43%
10年 +14.85%

※2024年9月時点

直近1年間の利回りは▲10.57%となっています。3年もマイナスですが、5年、10年平均利回りは十分なプラスとなっています。3年平均利回りがマイナスになっている株式ファンドは珍しいので、注意が必要です。

ただ、この段階で優劣を判断するのは時期尚早です。他のファンドとパフォーマンスを比較してから判断するようにしましょう。

同カテゴリー内での利回りランキングは?

DIAM 新興市場日本株ファンドは、国内小型株のグロースカテゴリーに属しています。

投資をするのであれば、同じカテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。

DIAM 新興市場日本株ファンドは、直近3年間のランキングはさえませんが、5年平均、10年平均利回りでは、上位15%にランクインしており、優秀です。

上位●%
1年 87%
3年 79%
5年 14%
10年 5%

※2024年9月時点

年別のパフォーマンスは?

つづいて、DIAM 新興市場日本株ファンドの年別のパフォーマンスを見ていきます。

年別の利回りを調べることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。

2021年ごろまでは、とてつもないリターンを生み出していましたが、2021年以降はパフォーマンスが奮っていません。

年間利回り
2024年 ▲1.18%(1-6月)
2023年 +4.55%
2022年 ▲14.56%
2021年 +2.99%
2020年 +80.63%
2019年 +19.42%
2018年 ▲10.85%
2017年 +50.63%
2016年 +16.79%
2015年 +31.96%
2014年 +18.19%

※2024年9月時点

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

DIAM 新興市場日本株ファンドに投資するにあたって、より低コストで運用できるインデックスファンドとのパフォーマンスを比較しておいて損はありません。

今回は、日経225をベンチマークとするニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較してみました。

※引用:ウエルスアドバイザー

直近3年間では、ほぼ全期間において、ニッセイ 日経225インデックスファンドのほうがパフォーマンスで優れていました。

中小型株式のアクティブファンドは、インデックスを上回ったり下回ったりしながら、トータルでインデックスファンドより利回りが高くなることがほとんどなので、一時的にパフォーマンスで負けるのは、あまり気にする必要はないです。

では、短期間だけでなく、より長期のパフォーマンスでも、比較をしてみます。

DIAM新興 ニッセイ日経 225
1年 ▲10.57% +20.41%
3年 ▲7.18% +13.16%
5年 +12.43% +15.19%
10年 +14.85% +11.42%

※2024年9月時点

10年のパフォーマンスでは、DIAM 新興市場日本株ファンドのほうが優れています。ただ、長期で大きなリターンを狙いたい人にとっては、悪くないファンドですが、普通の人は保有しつづけられないので、インデックスファンドに投資をすることをおすすめします。

アクティブファンドとのパフォーマンス比較

せっかくアクティブファンドに投資をするのであれば、同じカテゴリーの中でも優秀なファンドに投資をしたいと思うもの。

今回は、DIAM 新興市場日本株ファンドと同じく小型株カテゴリーで非常に優秀な運用を行っている東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンと比較をしました。


※引用:ウエルスアドバイザー

直近3年間においては、ほぼ全期間において、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンが勝っています。

より長期のパフォーマンスを比較すると、DIAM 新興市場日本株ファンドのほうが優れています。長期目線で大きなリターンを狙いたい人にとっては悪くないですね。

DIAM新興 東京海上ジャパン
1年 ▲10.57% +7.89%
3年 ▲7.18% +1.81%
5年 +12.43% +9.33%
10年 +14.85% +15.12%

※2024年9月時点

最大下落率は?

投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。

特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。

そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。

それでは、DIAM 新興市場日本株ファンドの最大下落率を見ていきます。

期間 下落率
1カ月 ▲18.70%
3カ月 ▲28.24%
6カ月 ▲32.64%
12カ月 ▲30.40%

※2024年9月時点

2008年5月~2008年10月で最大▲32.64%下落していますが、注目すべきはその下落率の小ささです。

株式ファンドであれば、リーマンショック時は50%は下落してもおかしくない中で、この程度に下落幅を抑えているのは、優れた運用ができている証拠です。

リターンが大きいファンドは下落幅が大きくなりがちですが、下落幅を抑えられているDIAM 新興市場日本株ファンドの運用は素晴らしいですね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

分配金は?

続いてDIAM 新興市場日本株ファンドの分配金を見てみましょう。2010年から分配金を出しており、ここずっと2000円と高い分配金を出しています。

ここまで高いリターンが出ているので、分配金を出してもよいかもしれませんが、本来このファンドは分配金を出すことを目的としたファンドではないので、分配金はすべて再投資に回して収益を追求してほしいところです。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2024年 2000円
2023年 2000円
2022年 2000円
2021年 2000円
2020年 2000円
2019年 2000円
2018年 2000円
2017年 2000円
2016年 2000円

※2024年9月時点

評判はどう?

DIAM 新興市場日本株ファンドの評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。

資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。

DIAM 新興市場日本株ファンドは現在、新規募集を停止しているため、解約による流出しかない状況です。そのため、このグラフを見ても評判が悪いと判断はできないので、ご注意ください。


※引用:ウエルスアドバイザー

DIAM 新興市場日本株ファンドの個人的評価まとめと今後の見通し

これまで、日本の中小型株ファンドは、日経平均やTOPIXに連動するインデックスファンドよりも優れた運用実績を残していることが多く、多くの投資家から注目されてきました。

しかし、2022年以降は、日本株でも大型銘柄の株価上昇が目出ち、日経平均やTOPIXは上昇するものの、中小型株はあまり恩恵を受けられていません。

そのせいもあって、日本の中小型株ファンドは軒並み、インデックスファンドにパフォーマンスで負けてしまうようになりました。

ただ、注意してほしいのは、アクティブファンドは、長期目線の運用で、インデックスファンドにパフォーマンスで上回ることを目的としているため、一時的にインデックスファンドに劣ることはよくあります。

そのため、ちょっと調子が悪いからという理由で解約してしまうと、そのあと大きく上昇する部分の利益を取りこぼしかねないので、注意してください。

ただ、普通の人はインデックスファンドに投資をしておいたほうが安心して長期保有ができると思います。

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点

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ネコみたいに気楽に生きたい投資マニア いのねこ

【理論より実践】で役立つ投資情報を配信中。投資歴20年超。元大手証券マン。投資経験は100案件超。 【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング/プライマリープライベートバンカー/MBA/証券外務員一種/宅地建物取引士/AFP/相続診断士/競売不動産取扱主任者/

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