モーニングスターのファンド・オブ・ザ・イヤー2016最優秀賞、2017で
優秀賞を受賞した三井住友アセットのアジア好利回りリート・ファンド。

海外資産へ投資する場合は、海外の運用会社に再委託する場合が
多い中で、アナリストをシンガポールや香港のグループ法人にも
配置し、現地から直接情報を取得し、運用・調査を行っています。

はたして、どのような特徴があるファンドなのか、今日は、
アジア好利回りリート・ファンドについて徹底分析していきます。


アジア好利回りリート・ファンドの基本情報

投資対象は?

アジア好利回りリート・ファンドの投資対象は、アジアのリートです。

リートは少額から不動産に投資ができて、オフィスビルや商業施設
といった普通では投資できないような不動産にも間接的に投資が
できるということで、一部の投資家から人気を集めています。

中でも、アジアの不動産は、国内不動産よりも成長余力があると
考えられており、高い利回りを期待して資金が集まってきています。

アジア好利回りリート・ファンドの国別の構成比を見てみると、
以下のようになっています。

シンガポールが約50%、次いで、オーストラリア、香港となっています。

シンガポール、オーストラリア、香港で9割以上を占めますので、
アジアと言いつつも、この3カ国のリートに投資をするファンドだと
思っておいたほうがよいでしょう。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

純資産総額というのは、投資家から集めた資金の総額をさしますが、
必ず確認しておきたいポイントです。

純資産総額が少なければ、効率よく運用ができないため、コストが
嵩みますし、運用会社としても運用に力を入れないため、パフォー
マンスに影響が出てきます。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

アジア好利回りリート・ファンドの純資産総額は、約1500億円と
なっており、規模として十分な大きさです。

実質コストは?

投資信託には、販売時の手数料・信託報酬・信託財産保留金以外
にも費用がかかっているのをご存知でしょうか?

これを実質コストと言うのですが、実質コストにはファンドの銘柄
を入れ替える際にかかる売買手数料や有価証券取引税、監査費用や
印刷費用が含まれます。

目論見書の信託報酬よりも実質コストがかなり割高になっている
ファンドもあるので、必ずチェックしたいポイントです。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

アジア好利回りリート・ファンドの実質コストは1.99%で、
かなり割高になっています。

購入時手数料も3.85%と異常に高くなっていますので、
慎重に選定しなければなりません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.85%(税込)
信託報酬 1.833%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.99%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

アジア好利回りリート・ファンドの評価分析

基準価額の推移は?

アジア好利回りリート・ファンドの基準価額は、直近3年間でほぼ
変動していません。

一方、分配金を受け取らずに再投資して運用した場合の基準価額(青)
は3年間で40%近く上昇していますので、ファンドの収益のほとんどを
分配金にまわしていることがわかります。

このように基準価額が下がらずにちゃんとファンドの収益を分配
できるのであれば、毎月分配型のファンドも悪くありませんね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

それでは、アジア好利回りリート・ファンドの利回りはどうでしょうか?

直近1年間の利回りは+19.31%と非常に好調です。3年平均利回りは
10%を超えており、5年平均利回りも5%を超えています。

カテゴリーランキングでみても上位10%程度に入っているので、
パフォーマンスには文句はありませんね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 19.31% 44%
3年 11.71% 18%
5年 6.37% 10%
10年

※2020年1月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外REIT ランキング

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを把握するのに役立ちます。

アジア好利回りリート・ファンドの標準偏差を見てみると10前後と
なっており、J-REITが7~8なので、比較的近いリスクとなって
います。

日経225に連動するようなファンドだと14~15ありますので、
株式ファンドと比べるとかなりリスクを抑えた運用ができて
いると言えます。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 9.59 20%
3年 9.09 7%
5年 11.45 5%
10年

※2020年1月時点

年別のパフォーマンスは?

アジア好利回りリート・ファンドの年別の利回りを見てみると、
2015年、2018年はマイナスとなっていますが、マイナス幅が
抑えられているのは高評価です。

一方で、20%超のリターンを出している年も複数年あり、
優れた運用ができていると言えるでしょう。

年間利回り
2019年 19.31%
2018年 ▲5.17%
2017年 23.22%
2016年 3.33%
2015年 ▲5.46%
2014年 30.01%

※2020年1月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

投資を検討するにあたり、インデックスファンドとのパフォーマンス
は比較しておきたいところです。

アジア好利回りリート・ファンドと比較するのに最適なインデックスが
ありませんでしたので、国内リートのベンチマークとしてよく用いられる
東証リート指数を採用しているニッセイJリートインデックスファンド
パフォーマンスの比較をしてみましょう。

黄線がアジア好利回りリート・ファンドですが、アジア好利回りリート・
ファンドの圧勝であることがわかります。これだけ明確に差が出ると、
アジアREITも十分に投資対象に成り得ますね。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

投資を検討するうえで、最大どの程度下落する可能性があるのかは
事前にある程度把握しておきたいところです。

もちろん、標準偏差からある程度予測することはできますが、実際に
どれくらい下落したことがあるのか確認するのは参考になります。

アジア好利回りリート・ファンドの最大下落率は、2013年5月~2013年7月
の3ヶ月間で、▲15.15%となっています。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲9.09%
3カ月 ▲15.15
6カ月 ▲14.49%
12カ月 ▲11.53%

※2020年1月時点

分配金は?

アジア好利回りリート・ファンドは2016年初めには毎月200円でしたが、
毎年、減額されています。

現在の分配金は40円/月となっており、分配金の半分程度はファンドの
収益以外から支払われています。

分配利回りは6%程度なので、かなり健全な水準になっています。
分配余力も30カ月近くありますので、当分減配はされないと思います。

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
91期 60円 -円 963円
92期 40円 24円 939円
93期 40円 17円 922円
94期 40円 18円 904円
95期 40円 -円 1,121円
96期 40円 18円 1,103円

評判はどう?

アジア好利回りリート・ファンドの評判を確認する上で、毎月の資金の
流出入が役立ちます。

資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであると
わかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっている
ファンドと言えます。

それでは、アジア好利回りリート・ファンドの評価はどうでしょうか?

以下のグラフをご覧ください。配当金が毎月200円あったときは大きく
資金が流入しましたが、最近では減配を続けているため、資金の流出が
続いています。


※引用:モーニングスター

アジア好利回りリート・ファンドの今後の見通し

海外リートの期待利回りは5%から1桁後半と言われますが、アジア
好利回りリート・ファンドでも同程度のリターンは期待できる水準です。

直近のパフォーマンスはリートとしては十分な水準ではあるものの、
やはり毎月分配型となっている点は問題です。過剰な分配を続けることで、
せっかくの収益の機会を逃してしまっています。

何より、分配金余力が少ないことから、今後はさらなる分配金の
減額が行われることは間違いありませんし、タコ足配当をしているので、
パフォーマンスが悪化すれば、基準価額の下落は急速に進みます。

配当をもらえているからと安心していても、実際はあなたの投資した
元本が削られているだけという状態になりかねませんので、冷静に
なってファンドの見直しをしてほしいと思います。