近年、インデックスファンドが注目を集めるようになりました。インデックスファンドの魅力と言えば、やはり低コストであることでしょう。投資家の私たちからすると、ありがたいことですが、インデックスファンドの低コスト争いは年々激化しており、ETFとさほど変わらない水準まで下落してきています。

そんな中でも、1つのファンドで全世界に分散投資ができるファンドに注目が集まっており、今日は、三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)について徹底的に分析したいと思います。

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の基本情報

投資対象は?

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の投資対象は、日本を除く先進国と新興国の株式で、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円ベース)に連動する投資成果を目指します。

このベンチマークはMSCI Inc.が開発した指数で、日本を除いた先進国(22か国)と新興国(24か国)から構成されています。先進国と新興国の比率は8対2程度となっています。そして先進国株式では米国株の比率が5割以上を占めています。次いでイギリス、フランスが続きます。

新興国株式ではケイマン諸島の比率が高いですが、これは実質中国株だと思っておいて問題はありません。


※引用:マンスリーレポート(2018年11月時点)

インデックスファンドにおいては、ベンチマークの推移を確認しておかなければいけません。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円換算)の過去の利回りを見てみましょう。

ご覧の通り、2018年だけ見るとパフォーマンスはいまいちですが、3年以上の平均利回りでは5%以上となっており、今後も安定的に高い利回りが期待できそうであることがわかります。

平均利回り
1年 0.8%
3年 6.5%
5年 9.1%
10年 13.6%
15年 8.2%
20年 5.4%
30年 9.0%

※引用:わたしのインデックス

純資産総額は?

続いて、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

インデックスファンドの運用において、純資産総額というのも見るべきポイントです。ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることができず、インデックスから乖離してしまうリスクがあります。

また純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性があります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)は下図のように2018年の新規設定以来、純資産総額を伸ばしており、現在の純資産総額は約30億円となっています。ファンドの規模としてはまだ小さいですが、今後資産が積みあがっていくことが予想されるので、特に気にしなくても大丈夫です。


※引用:マンスリーレポート(2018年11月時点)

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス連動型のファンドは運用会社各社が作っていますが、運用リターンはベンチマークに連動するため、どこも差がつきません。そうすると、実質コストの部分で良し悪しを決めることになるわけです。

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)はまだ運用報告書が出ていないため正確な数値はわかりませんが、eMAXIS全世界株式インデックスの実質コストから導くと、0.23~0.27%くらいになると想定されます。どちらにしても、カテゴリー内ではほぼトップの低コストを実現しています。

購入時手数料 0
信託報酬 0.15336%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.23~0.27%(予想)

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基準価額の推移は?

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の基準価額は、設定したタイミングが良かったこともあり、1月の下落は影響しませんでしたが、10月以降は大きく下落しています。


※引用:モーニングスターWEBサイト(2018年12月時点)

利回りはどれくらい?

つづいて、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の運用実績を見てみましょう。まだ設定してから1年経っていませんので、中長期的な利回りがわかりません。そこで、同じベンチマークを採用している三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスの利回りを見てみましょう。1年間の利回りはいまいちですが、3年、5年平均利回りは5%を超えており、安定的なリターンを実現しています。

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※引用:モーニングスターWEBサイト(2018年12月時点)

類似ファンドとのパフォーマンス比較

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)に投資する上で、同じベンチマークを採用している類似ファンドとのパフォーマンスは比較しておきましょう。eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)(黄線)は若干パフォーマンスで負けていることがわかります。これは、純資産総額の規模の違いによるところが大きいので、あと1~2年すればほぼ同水準になると思われます。

最大下落率は?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になるのが、最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点かと思います。

まだ設定来の期間が短く、データがありませんが、同じベンチマークで運用されている三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックス)を見てみると、2015年7月~2016年6月の間に最大19.73%下落しています。20%程度の下落は起こり得ると思っておいたほうがよいですね。

それでも、しっかり長期で保有すれば、プラスのリターンが出ていますので、マイナスになったからと言って、焦ってすぐ売ってしまわないようにしてくださいね。

評判はどう?

続いて、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の評判を見ていきたいと思います。評判をみる指標としては、ファンドへの資金流出入額が参考になります。資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを購入しているということなので、評判が良いということになります。

2018年3月の新規設定以来、毎月資金流入しており、全世界のこれ一本で投資ができるということで、今後間違いなく人気がでる商品だと思います。


※引用:モーニングスターWEBサイト(2018年12月時点)

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)について個人的評価

ブロガーが選ぶファンド・オブ・ザ・イヤーで見事1位を獲得した楽天・バンガード・全世界株式が注目を浴びたので、それに負けじと作ったのがeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)です。このファンドはiDeCoでも採用されており、超低コストであること、全世界に分散投資ができるので、今後さらに多くの投資家から注目を浴びると思います。

楽天・バンガード・全世界株式などと比較すると、組入銘柄数には大きな差があります()が、中長期的なパフォーマンスで見れば、遜色ないレベルです。あとは、日本株が含まれていませんので、そこをどう捉えるかということですね。海外株式はeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)を保有しておき、日本株はアクティブファンドにするというのも面白いのではないでしょうか。