大和住銀のEV革命やBNYメロンのモビリティ・イノベーションファンド、
日興アセットのグローバルMaaSなど、モビリティファンドというと、
どこも全く同じように見えるのですが、組み入れ銘柄を見ていくと、
実は色々と違いがあることがわかります。

今日は、三井住友アセットマネジメントのグローバル自動運転関連株式ファンド
について、私が独自の目線で分析、評価していきます。

グローバル自動運転関連株式ファンドの基本情報

投資対象は?

まずグローバル自動運転関連株式ファンドの投資対象は、自動運転技術の
進化・普及により業績拡大が期待される世界の企業の株式です。

自動運転技術が進化することで、下記のようなレーダー、センサー、
データ制御分などの分野が成長していくと考えられています。


※引用:交付目論見書

現在の組入銘柄数は39銘柄となっており、国別の構成比は50%超が
アメリカとなっています。


※引用:マンスリーレポート

業種別の組入比率を見てみると、自動運転技術を支えるテクノロジー、
半導体、電気通信サービス等の比率が高くなっています。

※引用:マンスリーレポート

運用体制は?

実際の運用においては、ニューバーガー・バーマン・グループが
投資助言を行っています。

ニューバーガー・バーマンは1939年創立の運用会社で社員数1900名を
誇るかなり規模、歴史ともに深い会社となります。

純資産総額は?

続いて、グローバル自動運転関連株式ファンドの純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少して
いると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを
生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

グローバル自動運転関連株式ファンドは2017年の設定以来、着実に
純資産総額を増やしていましたが、2018年の後半からは純資産が
減少しています。

現在は約700億円程度となっているので、純資産の規模としては
全く問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

グローバル自動運転関連株式ファンドの実質コストは、1.8874%と
なっており、かなり高い水準です。

購入時手数料も合わせると1年目は5%も取られますので、通常であれば、
まずおすすめしないファンドです。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.8804%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.8874%

本当にグローバル自動運転関連株式で大丈夫?グローバル自動運転関連株式ファンドよりはるかに優れたアクティブファンド特集

グローバル自動運転関連株式ファンドの評価分析

基準価格をどう見る?

グローバル自動運転関連株式ファンドの基準価額は現在9,000円程度です。

新規設定してすぐは好調でしたが、2018年以降は完全に下降トレンドを
形成しています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

グローバル自動運転関連株式ファンドの直近1年間の利回りは▲23.44%と
なっており、同カテゴリー内でもほぼ最下位の順位です。

このパフォーマンスでは到底投資しようと思いません。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲23.44% 99%
3年
5年
10年

※引用:2019年2月時点

標準偏差は?

グローバル自動運転関連株式ファンドの基準価額の変動幅を調べる上で、
標準偏差が役に立ちます。

国内大型株ファンドで16~17程度、国内の中小型株ファンドで20を
超えてくるレベルですので、当ファンドもかなり変動が大きいという
ことになります。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 20.89 77%
3年
5年
10年

※引用:2019年2月時点

年別のパフォーマンスは?

グローバル自動運転関連株式ファンドの年別のパフォーマンスも
見てみましょう。

設定してすぐに30%近い下落をしてしまうと、投資家としては
かなり厳しい評価をせざるを得ませんね。

年間利回り
2018年 ▲28.85%
2017年
2016年
2015年
2014年

※引用:2019年2月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

テーマ型ファンドへの投資を検討するのであれば、少なくとも
低コストのインデックスファンドよりはパフォーマンスが優れて
いなければ、投資するに値しません。

グローバル自動運転関連株式ファンドは米国株の比率がかなり高い
ので、S&P500に連動するiFree S&P500 インデックスと比較をして
みました。

結果は、iFree S&P500インデックスの圧勝です。もう少し運用期間を
長くとってから比較したほうがよいのですが、正直ここまで差が開くと
巻き返すのはかなり困難です。

最近では超低コストのeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も登場して
いますので、あえてグローバル自動運転関連株式ファンドに投資を
する理由が見当たりません。

最大下落率は?

グローバル自動運転関連株式ファンドに投資をする前に、最大で
どの程度下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここでグローバル自動運転関連株式ファンドの最大下落率を
見てみましょう。

最大下落率は2018年1月~12月の▲28.85%となっています。設定して
すぐにこの下落は厳しいですね。

中長期で保有すればある程度は回復してくると思いますが、今回の
場合はファンドをスイッチングしたほうが賢明です。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲13.35%
3カ月 ▲21.30%
6カ月 ▲24.76%
12カ月 ▲28.85%

※引用:2019年2月時点

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が
多いということなので、評判がいいということです。

グローバル自動運転関連株式ファンドは2017年の新規設定以来、
毎月資金が流入していましたが、2018年末についに流出超過と
なりました。

今後の成長に期待している方が多いということなのだとは思いますが、
あえてリスクの高いファンドを選ぶよりも堅実にインデックスファンドを
選べば十分だと思います。


※モーニングスター

グローバル自動運転関連株式ファンドの今後の見通し

2018年の1月にラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市(CES)では、
アメリカのタクシー配車サービス大手のLyftがラスベガス市内でタクシーの
完全自動運転デモ走行が行い、かなり高い評価を受けています。

グーグルから分社したWaymoもアリゾナ州のフェニックスで公道テストを始めました。

スマートフォンが私たちの世界に欠かせないツールになったように、
自動運転や自動宅配といった世界もすぐそこまで来ていることが
何となくイメージできるのではないでしょうか?

一方で、内閣府が出した下記の資料を見ると、疑問点が出てきます。

他社のアナリストも同じようなことを言っているので、ある程度
共通認識になっていると思うのですが、自動運転が普及するのは、
早くても2020年代後半以降になるということです。

私も興味深いテーマではあると思いつつも、まだ10年程度はかかる
のではないかと思っています。

スマートフォンや携帯電話も一時期から急激に市場に浸透しましたが、
自動運転自動車もまさに同じようなパターンで浸透するでしょう。

しかし、今から投資をするのは、少し時期尚早だと思います。

少なくとも自動運転技術を開発している個別銘柄の株式に投資をする
というのであれば、それは構いません。

しかし、購入時に3%取られ、毎年2%近く手数料が取られるファンドの場合、
いつブームが来るかも定かではないものに期待をして投資をしておくというのは、
デメリットしかありません。

話を聞くと、将来性があるなと思ってしまう人が多いと思いますが、
いつ実現できそうなのか、そのあたりの具体性をしっかり確認しないと、
あなたは毎年手数料分だけコストを支払って終わることになりますよ。

直近、数年はインデックスファンドなど、購入時手数料がかからないファンドで
様子を見ながら、自動運転技術の普及が一般に浸透してきたと思ったタイミングで、
購入すれば十分だと思います。

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