2019年はレバレッジ型ファンド元年だったと言っても
過言ではないほどレバレッジファンドに人気の火が
つきました。

そして、大和投信から登場したのがiFreeレバレッジ S&P500。
S&P500(米ドルベース)の値動きの2倍程度になるように
レバレッジをかけた運用をしていくファンドです。

2019年はS&P500も好調だったので、資産を大きく増やす
ことができた人もいると思いますが、単純にS&P500の値動きの
2倍動くと思っていると思わぬドツボにはまります。

ですので、今日は、iFreeレバレッジ S&P500を徹底分析していきます。
購入を検討している方はぜひ参考にしてください。


iFreeレバレッジ S&P500の基本情報

S&P500とは?

S&P500は、S&P Dow Jones Indicesが算出しているアメリカの
代表的な株式指数で、ニューヨーク証券取引所、NASDAQに
上場している銘柄から代表的な大型株500銘柄の株価をもとに
算出される指標です。

私が、S&P500のインデックスファンドを強くおすすめするのは、
下図のようにS&P500の過去の値動きが見事に右肩上がりになって
いるからです。

インデックスファンドは低コストだから何を選んでも良いと言う
わけではありません。

しっかり成長している指数を選ばなければ、あなたの資産も
増えることはありませんので、注意してください。

投資対象は?

iFreeレバレッジ S&P500の投資対象は、株式指数先物及び
・米国の債券、国内債券です。

組入比率は以下のようになっており、S&P500の指数先物を
購入することで、純資産総額の約2倍になるように調整が
されています。

またそれ以外に、30%程度分の米国債を購入している
ことがわかります。

実体としては、あなたが投資した資金のうち30%分で米国債
が購入され、残りの70%分でS&P500の指数先物が購入されて
いると考えてください。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、iFreeレバレッジ S&P500の純資産総額はどうなって
いるか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

インデックスファンドの運用において、純資産総額というのも
見るべきポイントです。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができず、インデックスから乖離してしまう
リスクがあります。

また純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性があります。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

iFreeレバレッジ S&P500はまだ5億円程度しか集まっていないので、
実質コストが割高になる可能性があるので注意が必要です。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

iFreeレバレッジ S&P500 の実質コストは、約1%程度で、
インデックスファンドの割にはかなり割高となっています。

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 0.99%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.037%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

基準価額の推移は?

iFreeレバレッジ S&P500の基準価額は、設定したタイミングが
悪く、設定と同時に30%近くの大暴落を引き起こしました。

しかし、2019年に入り、S&P500は非常に好調だったことも
あり、レバレッジ効果で一気に上昇していきました。

終わってみれば、2018年末の下落は気にならないくらいに
大きく上昇しています。


※引用:モーニングスター

利回りはどう?

つづいて、iFreeレバレッジ S&P500の運用実績を見てみましょう。

直近1年間の利回りは27.22%と驚異的なパフォーマンスとなって
います。右肩上がりのトレンドになっているとレバレッジ型ファンド
は本領を発揮するのですが、2019年はピンポイントで戦略がフィット
したと言えます。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 27.22% 8%
3年
5年
10年

※2019年12月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

標準偏差は?

標準偏差は年間の基準価額の変動幅を予測する上で役立ちます。

iFreeレバレッジ S&P500の標準偏差は32ということで、
まさに通常の株式ファンドの2倍程度の値動きをしています。

上昇しているときは気持ちよく見ていられますが、下落を
始めると、正直心穏やかではありません。2020年以降が
まさにこのファンドの勝負の年になりそうです。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのは
ご存じでしょうか?

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておい
てくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 32.06 12%
3年
5年
10年

※2019年12月時点

年別のパフォーマンスは?

つづいて、iFreeレバレッジ S&P500の年別のパフォーマンスを
見てみましょう。

2019年1月~9月の短期間で35%という驚異的な実績をたたき
出しています。

年間利回り
2019年 35.15%(1-9月)

※2019年12月時点

留意点

レバレッジ型のファンドでは必ず起きる事象ですが、iFreeレバ
レッジ S&P500はあくまで1日の値動きが2倍になるということ
であり、2日以上の期間で見ると、必ずしも2倍の値動きにはなりません。

実際に下図をみたほうが理解が早いでしょう。ご覧のとおり、
S&P500に連動するiFree S&P500インデックスと、iFreeレバ
レッジ S&P500のパフォーマンスは2倍になっていませんね。


※引用:モーニングスター

とりあえず、イメージで理解をしてもらっておけばよいのですが、
具体的に数字でもこの差を説明することができます。

当初 1日目 2日目
iFree S&P500 100円 95.0円(▲5%) 100円(+5.26%)
iFree レバレッジ S&P500 100円 90.0円(▲10%) 99.468円(+10.52%)

S&P500に連動するiFree S&P500が1日目に100円→95円に
下落したとすると、マイナス5%です。

次の日に100円に戻ったとすると、95円→100円なので、
+5.26%ということになります。

一方で、レバレッジ型ファンドの場合、S&P500の1日の
値動きの約2倍変動しますので、1日目は▲10%。

2日目は+10.52%上昇します。

これで、iFreeレバレッジS&P500のほうも100円に戻る
ような気がしてしまいますが、実際に計算すると、元の
水準にまで戻せません。

これは複利の影響によるところなのですが、レバレッジ
型ファンドの場合、下方圧力がかかってきますので、
長期間の保有にはあまり向かないと言えます。

くれぐれも今までと同じ資金で2倍の利益が得られると
勘違いしないようにしてください。

さきほどの図でもだいたい1.5倍程度にしかなっていませんが、
これが何度か大きな下落を経験すると、レバレッジがきいて
いないファンドとパフォーマンスはどんどん近づいてきます。

最大下落率は?

投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が
気になるのが、最大どの程度、資産が下落する可能性がある
のかという点かと思います。

まだ設定来の期間が短いですが、すでに30%近い下落を経験
しています。

2倍のレバレッジを効かせていますので、少なくとも通常の
株式ファンドの2倍は下落する可能性が十分にあり得ます。

経験がある人間から言わせると、レバレッジを効かせた
状態での下落は相当精神的に厳しいです。なので、あまり
大きな金額で投資をしないようにしてください。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲17.99%
3カ月 ▲28.10%
6カ月 ▲9.45%
12カ月 ▲2.50%

※2019年12月時点

評判はどう?

続いて、iFreeレバレッジ S&P500の評判を見てみます。。

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額
でしょう。

資金が流入しているということは多くの投資家がファンドを
購入しているということなので、評判がいいということになります。

iFreeレバレッジ S&P500は初月に大きく流入しましたが、
すぐに2018年10月の暴落にあってしまったので、それ以降
資金流入がほとんどありませんでした。

2019年に入っても、10000円の水準に戻すまでに相当の時間を
要しており、思った以上に資金流入しませんでした。

ですので評判もいまいちです。


※引用:モーニングスター

iFreeレバレッジ S&P500 の評価分析

通常のインデックスファンドよりも値動きが大きく、
投機的な投資が好きな投資家にとっては、興味を惹かれる
内容かもしれません。

しかし、前述したとおり、単純にS&P500の値動きの2倍の
推移をするわけではありません。

レバレッジ型のファンドというのは、下方圧力といって、
基準価額が下落する方向に力が働きます。

もし、投資をするのであれば、eMAXIS Slim S&P500や
iFree S&P500インデックスへの投資金額を2倍に増やした
ほうが資産を増やすことに成功すると思いますよ。