J-REITのアクティブファンドといえば、たいがい東証REIT
指数に連動するインデックスファンドにパフォーマンスで
負けてしまっていますが、その中で健闘しているファンドが
三井住友トラストのJ-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)です。

毎月分配型になってしまっているのが残念でなりませんが、
他の毎月分配型のファンドよりはよほど健全に運用がなされ
ています。

今日は、J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)について
徹底分析していきたいと思います。


J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)の基本情報

投資対象は?

J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)の投資対象は、
日本国内で上昇している不動産投資信託証券(J-REIT)です。

投資家から集めた資金をもとに、オフィスビルや商業施設へ
投資を行い、そこから得られる賃貸収入や不動産の売買益を
原資として、投資家に配当を分配していきます。

組入銘柄数は54銘柄となっており、東証REIT指数に組入ら
れている銘柄の約9割をカバーしていますが、構成比率は
かなり異なっています。

一見簡単そうな銘柄選びですが、9割同じ銘柄を選定しな
がら、東証REIT指数に連動するインデックスファンドより
高いパフォーマンスを出し続けるのは並大抵のことでは
ありません。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)の純資産
総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄
を入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく
減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期
せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)は、現在2800億円
程度で、2015年をピークに大きく減少していたのですが、
2019年以降、また純資産を大きく伸ばしています。

かなり巨大なファンドですので、規模のデメリットはあり
ませんね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型) の実質コストは
1.1%となっており、前期とほぼ変わりません。コストは
割安ですね。

ただ、購入時手数料もかかるため、銘柄の選定は慎重に
行ってください。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.1%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.1%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型) の評価分析

基準価額の推移は?

続いて、基準価額の推移を見てみましょう。2017年から
2020年までは着実に成長していましたが、2020年3月の
コロナショックで一時は50%近く基準価額が下落しました。

REITの恐ろしいところは、平常時の基準価額の変動は
株式ファンド等と比べても、半分くらいに収まっている
のですが、相場が暴落するときには、株並みかそれ以上
の暴落をするということです。

間接的に不動産に投資をしているからリスクが低いだろう
と思っている方もいるようですが、まったくの勘違いなの
で、注意してください。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)の利回りを見て
みましょう。

直近1年間の利回りは▲11.29%です。注目すべきは、マイ
ナスリターンではあるものの、J-REITカテゴリー内では、
上位5%に入っており、かなり健闘していることがわかり
ます。

3年、5年、10年平均利回りはプラスを維持できており、
パフォーマンスも上位20%に常にランクインできている
ので、十分ですね。

後述しますが、多くの国内アクティブREITファンドは
インデックスファンドに負けてしまっているのが現状
ですが、J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)に
ついては、優秀な成績を残しています。

毎月分配型になってしまっているのが、唯一ひっかかる
点ですが、それがなければ、かなりおすすめできるファ
ンドだと思います。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲11.29% 5%
3年 +1.24% 11%
5年 +1.12% 17%
10年 +10.08% 16%

※2020年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出しているJリート ランキング

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを把握するときに
役立ちます。

J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)の標準偏差を
見てみると、通常は7~8程度で推移しているJ-REITが
24近くまで跳ね上がっています。

ここから言えることは、標準偏差が大きく跳ね上がる
ようなファンドというのは、暴落相場で急落しますので
で、かなりリスクが高いファンドであるということが
わかります。

なかなか3倍近くにまで標準偏差が跳ね上がったファンドは
J-REIT以外ないと思います。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じ
でしょうか?

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 23.73 9%
3年 14.94 9%
5年 12.98 19%
10年 17.01 24%

※2020年4月時点

年別運用パフォーマンスは?

J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)の年別の運用
パフォーマンスも見てみましょう。

マイナスリターンで終わってしまっている年もありますが、
プラスの年のほうが大きく、トータルで見るとしっかり
プラスを残しています。

J-REITの中では、かなり健闘しているファンドであると
言えますね。

年間利回り
2020年 ▲23.05%(1-3月)
2019年 +26.70%
2018年 +10.47%
2017年 ▲6.43%
2016年 +12.15%
2015年 ▲8.12%
2014年 +33.80%

※2020年4月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、インデックス
ファンドとのパフォーマンスを比較することは必須です。

J-REITの代表的なインデックスファンドであるニッセイ
Jリートインデックスファンド
と比較してみると、わずか
ですが、J-REIT・リサーチ・オープンのほうが上回って
いることがわかります。

通常であれば、東証REIT指数に連動するインデックス
ファンドをおすすめしますが、J-REIT・リサーチ・オー
プンであれば、投資をしても良い気がしています。


※引用:モーニングスター

分配金の推移は?

J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型) は、2014年以前から
毎月65円の分配金を出しています。

基準価額に対する分配金の割合を示す分配利回りは12%程度と
なっており、コロナショックの影響で、ファンドの収益力を
上回る分配利回りに上昇してしまいました。

注意してほしいのは、株式の分配金とは違い、投資元本から
分配金が平然と支払われるのが、投資信託です。

そのため、分配利回りが高くなると、投資元本から支払われる
可能性が高くなります。J-REITファンドであれば、1桁後半が
適性な水準だと思いますので、注意が必要です。

ただ、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
170期 65円 9,988円
171期 65円 10,153円
172期 65円 10,303円
173期 65円 10,834円
174期 65円 44円 10,792円
175期 65円 51 10,742円

評判はどう?

J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)の評判はネットでの
書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけJ-REIT・リサーチ・
オープン(毎月決算型)を解約している人が多いということなので、
評判が悪くなっているということです。

2019年には資金流入が続いていましたが、出たり入ったりを
繰り返しているような状況です。やはり、毎月分配型の
悪いイメージが影響しているようですね。

 


※引用:モーニングスター

J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型) の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

J-REITに投資をするのであれば、まず注意しておいて
ほしいのが、想像以上に値動きが大きくなるという
ことです。

厄介なことに平常時はとても標準偏差も小さく値動きも
大きくありませんので、ついついRIET=株式よりも
安全というイメージを持ってしまいます。

しかし、今回のコロナショックのような相場が来ると、
J-REITの標準偏差は跳ね上がり、株式に匹敵するレベル
かそれ以上の下落を引き起こします。

今回も一時は50%近く値を下げました。

正直、コロナショックの影響がどこまで経済にダメージを
与えるのかは想像もつきませんが、今までと同じように
右肩上がりに基準価額が上昇していく相場は終わったもの
と思います。

そして、ニッセイ Jリートインデックスを上回る成果を
出しておきながら、毎月分配型になってしまっている点は
とても残念です。

それがなければ、もっと私もおすすめしていたと思います。

とは言ったものの、毎月分配型が好きな投資家も根強く
いますので、そこらのとんでもない毎月分配型ファンドに
投資をするよりは、J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)に
投資をしたほうがよぼど健全な運用ができるでしょう。