2018年、2019年と堅調なパフォーマンスを見せて、いよ
いよJ-REITも復活してきたかと思った矢先にコロナショック
が起きました。

ここ5年近く保有していた投資家たちの利益をほぼ吹き飛ばす
結果となっており、多くの投資家が落胆したことでしょう。

今日は、数あるJ-REITの中でも、600億超の規模を誇る
りそなJリート・アクティブ・オープン『日本のツボ』に
ついて徹底分析していきます。

現在、保有している人も、検討している人も参考にしてください。


りそなJリート・アクティブ・オープン『日本のツボ』の基本情報

投資対象は?

日本のツボの投資対象は、主として新光J-REITアクティブ・
マザーファンドを通じて、国内のリートに投資をしていきます。

J-REITとは、投資家から資金を集めて、オフィスビル、商業
施設などを保有・売買することで得られる賃貸収入や売買収入
を配当金として、投資家に支払います。


※引用:交付目論見書

J-REITの魅力は、小口の資金で不動産投資と同様の効果を
得られる点と、不動産への直接投資と比べて換金性・流動性
が高いという点にあり、リスクとしては、不動産市況によって、
賃料や稼働率が低下する可能性がある点ですね。

現在は52銘柄で構成されており、予想配当利回りは6.3%と
なっています。

後述しますが、J-REITの代表的指数である東証REIT指数に
連動するインデックスファンドよりパフォーマンスが優れて
いればよいのですが、劣るようでは、わざわざ銘柄を絞り込
んでも意味がありません。


※引用:マンスリーレポート

純資産額は?

続いて、日本のツボの純資産総額はどうなっているか見て
みましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄
を入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく
減少していると、ファンドの組み替えうまくできず、予期
せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

日本のツボは、コロナショック前までは1000億円の規模が
ありましたが、パフォーマンスの悪化に伴い、大きく資金
流出し、現在は600億円ほどとなっています。

規模としては問題ありませんね。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

日本のツボの実質コストは1.1%とカテゴリーの中では
割安となっています。J-REITの場合、銘柄数が約60銘柄
しかありませんので、当然リサーチコストはそこまで
かからないはずです。

その割に、1%超える実質コストがかかるというのは、
残念です。

購入時手数料 2.2%(税込)
信託報酬 1.1%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.1%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

りそなJリート・アクティブ・オープン『日本のツボ』の評価分析

基準価額をどう見る?

日本のツボの基準価額は2018年以降、分配金を出しなが
らも、基準価額が上昇するという、まさに理想的なファンド
の運用ができていました。

分配金を受け取らずに運用を続けた場合の基準価額(青線)を
見ても、3年間で40%近くは上昇していました。

しかし2020年3月のコロナショックで一時期は50%近く下落
して、ついに10000円を大きく割り込む形となりました。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

日本のツボの直近1年間の利回りは▲16.00%とJ-リートの
中でも下位10%程度の酷いパフォーマンスとなっています。

3年平均、5年平均もマイナスのパフォーマンスで同カテ
ゴリー内でも下位20%程度となっています。

銘柄選定のために高いコストを支払っているにもかかわらず
インデックスファンドにもパフォーマンスで負けてしまって
は話になりません。

逆に言うと、他のJ-REITはもっと高いパフォーマンスを
出しているファンドが多数あるということです。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲16.00% 89%
3年 ▲1.60% 91%
5年 ▲1.42% 86%
10年

※2020年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出しているJリート ランキング

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、日本のツボの
基準価額の変動幅の大きさを知るには役立ちます。

日本のツボの標準偏差は平常時は7~8程度です。しかし、
コロナショックの影響で、25近くまで上昇しました。

ここから言えることは、このような暴落相場で標準偏差が
大きく跳ね上がるようなファンドというのは、基準価額
の下落も大きくなりますので、注意が必要なファンド
ということです。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのは
ご存じでしょうか?

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えて
おいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 25.89 80%
3年 16.05 82%
5年 13.55 74%
10年

※2020年4月時点

年別のパフォーマンスは?

日本のツボの年別のパフォーマンスも見てみましょう。

プラスの年も多いですが、その前後で利益を相殺する
ようなマイナスリターンを出しており、トータルで
見ても、たいしたプラスになっていません。

年間利回り
2020年 ▲26.39%(1-3月)
2019年 +23.67%
2018年 +8.80%
2017年 ▲6.87%
2016年 +8.15%
2015年 ▲8.16%
2014年 +32.79%

※2020年4月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするときは、インデックスファ
ンドと比較して、パフォーマンスが負けていないか、まず
チェックしてください。

りそなJリートアクティブオープン(日本のツボ)と東証
REIT指数に連動するニッセイJリートインデックスファンド
比べると、拮抗はしていますが、終始、日本のツボはパフォ
ーマンスで負けています。

これでは、高いコストを払って、アクティブファンドに投資
をしている意味が全くありません。

即刻解約して、ニッセイJリートインデックスファンドに
乗り換えたほうがよいですね。


※引用:モーニングスター

最大下落率はどれくらい?

投資するにあたって、最大どの程度下落する可能性があるのか
知っておくことは非常に重要です。

結局、多くの人が、大きな下落を経験すると、もうこれ以上は
損をしたくないと思い、基準価額が大きく下がったタイミングで
売却してしまうのです。

日本のツボの最大下落率は、2019年10月~2020年3月で▲27.16%と
なっています。やはりコロナショックの影響は大きかったという
ことですね。

REITというのは、平常時は基準価額の変動幅がとにかく小さいの
ですが、暴落相場では株式並みに大きく下落します。そういう
特徴があることを理解したうえで投資をしないといけないですね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲21.68%
3カ月 ▲26.39%
6カ月 ▲27.16%
12カ月 ▲23.09%

※2020年4月時点

分配金の推移は?

つづいて分配金の推移を見てみましょう。

日本のツボは毎月分配をしており、現在は90円の分配と
なっています。

2014年以前から、減額することなく、同じ分配金を出し
ているのは数少ない評価できるポイントです。

今までは比較的健全な分配金利回りになっていましたが
コロナショックで基準価額が大きく下落したことで、
分配金利回りが大きく上昇しました。

これにより、ファンドの収益力をはるかに上回る分配
利回りとなってしまっているので、ここからは、基準
価額も下落する一方になるでしょう。

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な
事情がない限りは毎月分配型のファンドに投資すべき
ではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
109期 90円 45 4,465円
110期 90円 4,756円
111期 90円 4,985円
112 90円 5,618
113期 90円 64円 5,554
114期 90円 81円 5,473

評判はどう?

日本のツボの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法
もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次
の資金流出入額でしょう。

資金が流出しているということは、それだけこのファンド
を解約している人が多いということなので、評判が悪いと
いうことです。

日本のツボは2017年2月から毎月資金が流出しており、評判
が下がっています。インデックスファンドに運用で勝てて
いないので、当然の結果です。


※引用:モーニングスター

りそなJリート・アクティブ・オープン『日本のツボ』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

毎月分配金を受け取っているだけだと、分配金を受け取れた
ことに満足してしまい、ファンド自体のパフォーマンスが
どうなのかという視点が抜けてしまいがちです。

そのため、分配金が減った瞬間に、はじめてこのファンドは
大丈夫なのか?と思い始める人がほとんどです。

一方で、しっかりとファンドの収益力(パフォーマンス)
を確認しておけば、分配金が自分の投資元本から支払われて
いるタコ足配当ファンドなのか、ちゃんと利益から支払われて
いるファンドなのかわかり、

実は全然利益がでていないファンドに投資をするリスクを
下げられます。

少なくとも現状のようなパフォーマンスでは、投資をする
価値が全く見出せませんので、現在保有している人は、
他のファンドに乗り換えるよう検討してください。