投信ブロガーが選ぶファンド・オブ・ザ・イヤーで毎年上位にランクインしているニッセイ 外国株式インデックスファンド。
圧倒的な人気の高さからか、ニッセイ 外国株式インデックスファンドと同じくMSCIコクサイ・インデックスをベンチマークとするインデックスファンドが近年次々と登場しています。
似たようなファンドが多数登場したことで、結局どれがよいの?とよく聞かれるので、今日は比較しながら、ニッセイ 外国株式インデックスファンドについて、徹底分析していきたいと思います。
「ニッセイ 外国株式インデックスファンドって投資対象としてどうなの?」
「ニッセイ 外国株式インデックスファンドって持ってて大丈夫なの?」
「ニッセイ 外国株式インデックスファンドより良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
ニッセイ 外国株式インデックスファンドの基本情報
投資対象は?
投資対象は日本を除く主要先進国の株式で、MSCIコクサイ・インデックス(配当込)に連動する投資成果を目指します。具体的にどのような構成になっているかを見てみましょう。
まず国別の資産構成比を見てみると、アメリカが約75%となっており、大部分がアメリカの銘柄であることがわかります。1つ注意したいのは、日本は含まれていないという点です。
そのため、日本株は別にインデックスファンドを保有するかアクティブファンドを保有することになります。業種別でみると、情報技術や金融、ヘルスケアの比率が高くなっています。
※引用:マンスリーレポート
組入銘柄は現在1275銘柄となっており、上位の銘柄は以下のようになっています。米国の超一流企業ばかりですので、あなたもほとんどの企業の名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
続いて、ニッセイ 外国株式インデックスファンドの純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。
ニッセイ 外国株式インデックスファンドは、設定来着実に純資産総額を増やしており、約5600億円に到達しました。
とにかく右肩あがりに純資産が増えており、非常に人気が高いことがわかります。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。
そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
ニッセイ 外国株式インデックスファンドの実質コストは0.133%となっています。ほぼ最安コストなので、この信託報酬であれば、投資をすべきですね。
信託報酬だけ見るとほぼ最安値ですが、実質コストで比較すると、もっとコストが安いインデックスファンドがいくつも存在します。
購入時手数料 | 0 |
信託報酬 | 0.09889%(税込) |
信託財産留保額 | 0 |
実質コスト | 0.133%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
類似ファンドの信託報酬比較
参考までに、MSCIコクサイ・インデックスをベンチマークとして採用している類似ファンドの信託報酬を比較をしてみましょう。
eMAXIS Slim先進国株式インデックスとニッセイ外国株式インデックスファンドが最安値競争を繰り広げ、たわらノーロード先進国株式も加わりました。
なお、直近で信託報酬を下げている場合もありますので、詳しくはファンドのパフォーマンスを見て、コストを比較するのが最善です。
ファンド | 信託報酬 |
ニッセイ 外国株式インデックスファンド | 0.09889% |
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.09889% |
たわらノーロード先進国株式 | 0.09889% |
iFree外国株式インデックス | 0.209% |
※2023年10月時点
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
ニッセイ 外国株式インデックスファンドの評価分析
基準価額をどう見る?
続いて、ニッセイ 外国株式インデックスファンドの基準価額の推移を見てみましょう。
2022年は停滞していましたが、2023年に入り、また大きく上昇し始めています。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
ニッセイ 外国株式インデックスファンドの利回りを見てみましょう。
直近1年間の利回りは+21.50%となっています。3年平均、5年平均利回りは15%を超えており、安定運用できています。インデックスファンドでこれだけの利回りを得られれば文句はないですね。
ただ、いくら優れたパフォーマンスに見えたとしても、必ず他のファンドと比較をしてから投資判断しましょう。
ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。
平均利回り | |
1年 | +21.50% |
3年 | +21.46% |
5年 | +15.02% |
10年 | - |
※2023年10月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内大型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
ニッセイ 外国株式インデックスファンドは、日本を除く国際株式カテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資すべきですので、同カテゴリー内でのパフォーマンスのランキングを調べました。
ニッセイ 外国株式インデックスファンドは、どの期間においても上位25%以内にランクインしており、かなり優秀なパフォーマンスとなっています。
インデックスファンドが上位10%に入っているというのは相当すごいことです。
上位●% | |
1年 | 19% |
3年 | 24% |
5年 | 6% |
10年 | - |
※2023年10月時点
年別の運用利回りは?
ニッセイ 外国株式インデックスファンドの年別の運用フォーマンスも見てみましょう。
2015年、2018年、2022年はマイナスとなっていますが、それ以外の年でしっかりとプラスのリターンを残せています。
インデックスファンドに投資をするのであれば、やはり先進国株式や米国株式がおすすめですね。
年間利回り | |
2023年 | +23.6%(1-9月) |
2022年 | ▲5.48% |
2021年 | +38.23% |
2020年 | +9.03% |
2019年 | +28.85% |
2018年 | ▲11.09% |
2017年 | +18.61% |
2016年 | +2.68% |
2015年 | ▲1.60% |
2014年 | +22.59% |
※2023年10月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは類似ファンドとの利回り比較
インデックスファンドに投資をするのであれば、同じベンチマークを採用している類似ファンドとのパフォーマンス比較は不可欠です。
特に最終的には実質コストが安いインデックスファンドを選択するべきですが、目論見書などからはその情報がわかりません。ですので、パフォーマンスの差が実質コストの差になります。
そこで、ニッセイ外国株式インデックスファンドと同じベンチマークを採用しているファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
実質コストを加味した場合、eMAXIS Slim先進国株式インデックスがわずかではあるものの一番優れていると言うことがわかります。
ただ、正直なところ、この程度のパフォーマンスの差であれば、そこまで気にする必要はない水準ですので、自分がメインで使っている口座で取り扱いのあるファンドを選択すれば十分です。
アクティブファンドとの利回り比較
ニッセイ 外国株式インデックスファンドへの投資を検討するのであれば、同じように先進国株式に投資ができるアクティブファンドと比較をしておいても損はありません。
今回は、先進国株式に投資をするアクティブファンドで非常に優れた成果を残している大和住銀 DC海外株式アクティブファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間においては、ほぼ全期間において、ニッセイ 外国株式インデックスファンドが大きく勝っています。
5年平均利回りで見ても、ニッセイ外国株式インデックスファンドが勝っているので、あえてアクティブファンドに投資をしなくても十分ということがわかります。
平均利回り | ニッセイ 外国株式 | DC海外株式 |
1年 | +21.50% | +20.33% |
3年 | +21.46% | +13.90% |
5年 | +15.02% | +14.59% |
10年 | - | +115.98% |
※2023年10月時点
他の指数に連動するインデックスファンドとの利回り比較
ニッセイ 外国株式インデックスファンドへの投資を検討する上で、他の指数に連動するファンドと比べてパフォーマンスはどうなのかと気になる人もいると思います。
そこで、日経225に連動するeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)、新興国の代表的な指数に連動するeMAXIS Sim 新興国株式インデックス、全世界の代表的な指数に連動するeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)、最後に米国の代表的な指数であるS&P500に連動するeMAXIS Slim米国株式(S&P500)を比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
米国株が中心となっているニッセイ 外国株式インデックスとeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)、eMAXIS Slim 米国株式はかなり似た動きとなっています。
とはいえ、今は米国株がとにかく強いので、米国株の組み入れ比率の高さによってパフォーマンスが変わってきていますね。
個人的な意見としては、米国株式一択でも良いと思いますが、あとは自分が長期で平常心で運用するには、どのファンドを保有していれば、安心して投資ができるかと言う軸でファンドを選択すると良いと思います。
最大下落率は?
投資を始めようとしている、もしくは始めたばかりの人が気になるのが、最大どの程度、資産が下落する可能性があるのかという点かと思います。
どの程度下落するのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
標準偏差からある程度の変動範囲を予測することもできますが、過去に実際にどの程度下落したのかを確認するのがおすすめです。
それでは、ニッセイ 外国株式インデックスファンドの最大下落率を見てみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲15.04% |
3カ月 | ▲21.65% |
6カ月 | ▲15.94% |
12カ月 | ▲19.01% |
※2023年10月時点
ニッセイ 外国株式インデックスファンドは2020年1月~3月までの間に最大▲21.65%下落しています。
まだ運用期間が短いというのもありますが、最大30%ほどは1年間で下落する可能性もあると思っておいたほうがよいかと思います。MSCIコクサイは長期保有をすればプラスのリターンが出ていますが、何も考えず保有し続けるのは厳禁です。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
ニッセイ 外国株式インデックスファンドの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。
資金が流入しているということは、それだけニッセイ 外国株式インデックスファンドを購入している人が多いということなので、評判が良くなっているということです。
ニッセイ 外国株式インデックスファンドは2014年以来、毎月資金が流入しており、直近の流入額が大きくなっています。ですので、評判がどんどん良くなっているということがわかります。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
ニッセイ 外国株式インデックスファンドのNISAとiDeCoの対応状況を確認しておきましょう。
iDeCoでは、SBI証券でも投資ができるようになりました。先進国株式は多くの投資家がポートフォリオに組入れたいと考えていますので、ますます資金流入が増えそうです。
NISA | iDeCo |
〇 | 〇 |
※2023年10月時点
ニッセイ 外国株式インデックスファンドの評価まとめと今後の見通し
ニッセイ 外国株式インデックスファンドは主要先進国の株式に分散投資できるという意味では、非常に優れたファンドであると思います。
パフォーマンスを見ても、インデックスファンドで、一桁中盤のリターンを安定的に得られるのであれば、十分でしょう。
人によっては、ニッセイ 外国株式インデックスファンドなのかeMAXIS Slim 先進国株式なのかどちらが良いか悩んでいるかもしれません。場合によってはトランキングエラーが大きい小さいなど細かく調べる人もいるかもしれません。
ただ、正直この2つのファンドのわずかな差について議論するのはあまり得策ではありません。結局、手数料がほぼ同じでベンチマークが同じであれば、パフォーマンスはほぼ変わらないからです。
そうすると、何でパフォーマンスが変わるかと言えば、出口の戦略です。しっかりと出口の戦略を立てながら投資をしている人が最終的に一番大きなリターンを得ることができるのです。
出口戦略を考えながら、投資をしていない人は、今の時点で、この2つのファンドについて細かく調べたとしても、出口戦略の与える影響があまりに大きいので、調べる時間が無駄になるでしょう。
ぜひ本当に時間を割くべきところに時間を使ってください。少なくともニッセイ 外国株式インデックスファンドは投資対象として十分優れたファンドであることは間違いありません。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点