オーストラリア国債は金利も高く、格付も高いことから、
投資マニア界隈ではとても人気があります。

ただ、オーストラリア国債とオーストラリア公社債ファンドは
似て非なるものだということに気づいていない人がとても多い
のが実情です。

オーストラリア国債だと思い投資をして痛い目を見ている人が
たくさん周りにいますので、警鐘を鳴らす意味も込めて、今日は、
オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』を徹底分析
していきます。

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の基本情報

投資対象は?

投資対象は、投資適格格付の豪ドル建ての国債・州政府債・
国際機関債・社債・モーゲージ証券・資産担保証券などの
公社債に投資します。

投資対象としている債券は、S&P社やMoody’s社の格付でBBB以上の
評価を受けている債券です。

投資適格債券であれば、債券の元本・利息の支払いが滞る心配は
ほぼありません。

債券種別の構成比でみると、下図のようになっており、社債の
比率が高くなっています。

また格付別の構成比でみると、ほぼA以上の格付の債券に投資が
されています。

※引用:マンスリーレポート(11月時点)

組入銘柄の上位は、オーストラリア国債と州政府債の比率が
高くなっています。

格付が高いだけでなく、クーポン=利息が高いのはとても魅力です。

※引用:マンスリーレポート(11月時点)

純資産額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』は、現在1400億円
ほどとなっています。規模としては問題ありませんね。

※引用:マンスリーレポート(11月時点)

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の実質コストは
1.514%と高くなっています。

ファンド・オブ・ファンズ方式になっているというのもありますが、
それにしても実質コストが高いです。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.512%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.514%(概算値)

※引用:第100期 運用報告書(2018年10月22日)

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の評価分析

基準価額をどう見る?

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の基準価額は
現在約5000円となっています。

3年前から約30%ほど基準価額が下落しています。

分配金再投資基準価額(青線)を見ると、7000円~7500円の間を
行き来しており、運用がうまくいっているとは言い難いですね。

また基準価額は下落を続けていますので、タコ足配当になっている
のが明白です。

※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の直近1年間の
利回りは▲0.97%となっており、3年平均利回りは0.28%、5年平均
利回りは0.95%となっています。

このパフォーマンスでは投資をしたいと全く思えませんね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲0.97% 63%
3年 0.28% 55%
5年 0.95% 57%
10年

※2018年12月時点

標準偏差は?

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の標準偏差を
見てみると、カテゴリー内でのランクは上位40%程度にいます。

直近1年間で想定される利回りは▲15.75%~13.81%となっています。
どちらにしてもパフォーマンスがいまいちなので、投資をするに値しません。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 7.39 43%
3年 8.34 38%
5年 8.30 37%
10年

※2018年12月時点

年別のパフォーマンスは?

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の年別の
利回りを見てみると、直近5年では負け越している年のほうが
多くなっています。

せっかく10%程度のプラスのリターンを出してもそれを相殺して
しまうかのようにマイナスのリターンを翌年に出してしまっている
のが残念です。

年間利回り
2018年 ▲5.78%(9月末時点)
2017年 7.29%
2016年 ▲2.30%
2015年 ▲8.62%
2014年 13.40%

※2018年12月時点

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類似ファンドとのパフォーマンス比較

毎月分配型のファンドに投資をしている人であれば、タコ足配当に
なっておらず、安心して投資できるファンドを選んだほうがよいと
思います。

今回は、私が唯一に近いくらいでおすすめできると思っている
アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコースと
パフォーマンスを比較してみました。

結果はオーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』(黄線)の
惨敗です。

これでは、オージーボンドに投資をするメリットは一切ありません。

※引用:モーニングスター

最大下落率はどれくらい?

投資するにあたって、最大どの程度下落する可能性があるのか
知っておくことは非常に重要です。

結局、多くの人が、大きな下落を経験すると、もうこれ以上は
損をしたくないと思い、基準価額が大きく下がったタイミングで
売却してしまうのです。

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の最大下落率は、
2015年7月~2016年6月で▲13.74%となっています。

下落幅が▲10%程度で済むのはとても魅力的ですね。

5年超の長期保有をすればプラスのリターンが出ていますが、
ただし、何も考えず保有し続けるのは厳禁です。

考えなしの長期保有が自分の首を絞める理由とは?

期間 下落率
1カ月 ▲7.96%
3カ月 ▲12.68%
6カ月 ▲9.11%
12カ月 ▲13.74%

分配金の推移は?

つづいて分配金の推移を見てみましょう。

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』は毎月分配を
しており、現在は50円の分配となっています。

2016年の初めまでは毎月105円の分配がありましたが、同じ年に
70円になり、さらに50円にまで減額されています。

基準価額に対する分配金の割合を示す分配金利回りは、現在12%
となっており、ファンドの収益力から考えると、かなり高く
なっています。

また分配金のうち約半分はファンドの収益以外から分配されて
いますので、あなたの投資元本が削られている可能性が高いので
注意してください。

分配金 当期収益以外 繰越対象額
95期 50円 25円 2,241円
96期 50円 20円 2,421円
97期 50円 17円 2,404円
98期 50円 20円 2,383円
99期 50円 21円 2,362円
100期 50円 25円 2,341円

 

評判はどう?

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の評判は
ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を
知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流出しているということは、それだけこのファンドを
解約している人が多いということなので、評判が悪いということです。

オージーボンドは2014年に大きな資金流入がありましたが、
現在は流出超過と流入超過の月が交互にきています。

ですので、以前ほどの人気はなくなっています。

もう一段、分配金が下落するとまた大きく資金が流出しそうですね。

※引用:モーニングスター

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の今後の見通し

オーストラリア国債は利子も高く、格付もAAAということで、
満期まで保有前提で考えれば、とても魅了的な投資対象になります。

公社債の基準価額は金利が上下することで、基準価額も上下する
のですが、ファンドの場合、定期的にファンドの評価額を公表
しないといけない関係で、本来売らなくてもよいところで、
公社債を売却してしまっています。

そのため、ファンド全体の最終利回り(満期まで保有しつづけた
場合の利回り)は2.81%あるにもかかわらず、このような無残な
結果となってしまっています。

この傾向はこのまま変わらないでしょう。

私個人としては、金利の動きを予測することは、非常に難しく、
債券ファンドの場合は、常にその金利の影響で価格が上下する
ため、あまり好きではありません。

オージーボンドに投資するくらいであれば、オーストラリア国債
を直接買ったほうが何倍も良いですよ。