オーストラリア国債は金利も高く、格付も高いことから、
投資マニア界隈ではとても人気があります。

ただ、オーストラリア国債とオーストラリア公社債ファンドは
似て非なるものだということに気づいていない人がとても多いのが実情です。

オーストラリア国債だと思い投資をして痛い目を見ている人がたくさん
周りにいますので、警鐘を鳴らす意味も込めて、今日は、
オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』を徹底分析していきます。

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の基本情報

投資対象は?

投資対象は、投資適格格付の豪ドル建ての国債・州政府債・国際機関債・
社債・モーゲージ証券・資産担保証券などの公社債に投資します。

投資対象としている債券は、S&P社やMoody’s社の格付でBBB以上の評価を
受けている債券です。

投資適格債券であれば、債券の元本・利息の支払いが滞る心配はほぼありません。

債券種別の構成比でみると、下図のようになっており、社債の比率が
高くなっています。

また格付別の構成比でみると、ほぼA以上の格付の債券に投資がされています。

組入銘柄の上位は、オーストラリア国債と州政府債の比率が高くなっています。
格付が高いだけでなく、クーポン=利息が高いのはとても魅力です。

純資産額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』は、現在1400億円ほど
となっています。規模としては問題ありませんね。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の実質コストは1.514%と
高くなっています。

ファンド・オブ・ファンズ方式になっているというのもありますが、
それにしても実質コストが高いです。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.512%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.514%(概算値)

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の評価分析

基準価額をどう見る?

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の基準価額は
現在、5369円となっています。

3年前から約30%ほど基準価額が下落しています。

これはファンドの収益力に対して、過剰な分配を行っていることが原因です。
分配金再投資基準価額(青線)を見ても、7500円~8000円の間を
行き来しており、運用がうまくいっているとは言い難いですね。

利回りはどれくらい?

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の直近1年間の利回りは
▲3.91%となっています。3年平均利回りも▲2.47%、5年平均利回りは
かろうじてプラスといった状態で、この運用実績では投資するに値しませんね。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

最大下落率はどれくらい?

投資するにあたって、最大どの程度下落する可能性があるのか
知っておくことは非常に重要です。

結局、多くの人が、大きな下落を経験すると、もうこれ以上は損を
したくないと思い、基準価額が大きく下がったタイミングで
売却してしまうのです。

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の最大下落率は、
2015年7月~2016年6月で▲13.74%となっています。

下落幅が▲10%程度で済むのはとても魅力的ですね。

分配金の推移は?

つづいて分配金の推移を見てみましょう。

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』は毎月分配をしており、
現在は50円の分配となっています。

2016年の初めまでは毎月105円の分配がありましたが、
同じ年に70円になり、さらに50円にまで減額されています。

基準価額に対する分配金の割合を示す分配金利回りは、現在11%と
なっており、ファンドの収益力から考えると、かなり高くなっています。

評判はどう?

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の評判はネットでの
書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、
月次の資金流出入額でしょう。

資金が流出しているということは、それだけこのファンドを解約している人が
多いということなので、評判が悪いということです。

オージーボンドは2014年に大きな資金流入がありましたが、
現在は流出超過と流入超過の月が交互にきています。
ですので、以前ほどの人気はなくなっています。

もう一段、分配金が下落するとまた大きく資金が流出しそうですね。

オーストラリア公社債ファンド『オージーボンド』の今後の見通し

オーストラリア国債は利子も高く、格付もAAAということで、
満期まで保有前提で考えれば、とても魅了的な投資対象になります。

公社債の基準価額は金利が上下することで、基準価額も上下するのですが、
ファンドの場合、定期的にファンドの評価額を公表しないといけない関係で、
本来売らなくてもよいところで、公社債を売却してしまっています。

そのため、ファンド全体の最終利回り(満期まで保有しつづけた場合の利回り)は
2.84%あるにもかかわらず、このような無残な結果となってしまっています。

この傾向はこのまま変わらないでしょう。

私個人としては、金利の動きを予測することは、非常に難しく、
債券ファンドの場合は、常にその金利の影響で価格が上下するため、
あまり好きではありません。

オージーボンドに投資するくらいであれば、オーストラリア国債を
直接買ったほうが何倍も良いですよ。