株式、リート、MLPを組み入れた毎月分配型のファンドと
いうことで、一部の投資家から注目を集めているニッセイ
アメリカ高配当株ファンド『USドリーム(毎月)』。

今日は、USドリームを徹底分析していきます。


ニッセイ アメリカ高配当株ファンド『USドリーム(毎月)』 の基本情報

投資対象は?

USドリーム(毎月) の投資対象は、LM・アメリカ高配当株
ファンドを通じて、米国の株式、MLP(マスター・リミテッド
・パートナーシップ)リートに投資をしていきます。

MLPというのは、米国で行われる共同投資事業形態の1つで、
天然資源の採掘、精製、輸送等に関連する事業を行っています。

対円での為替ヘッジは行いません。証券種別の構成比率を
見ると、株式が約80%、MLPとリートが約11%ずつとなっ
ています。

配当収入の入り口を分散することで、より安定した運用を
目指しているのだと思いますが、MLPへの投資がうまく
いっている例を最近ほとんどみていません。


※引用:マンスリーレポート

続いて、業種別の組入比率を見てみると、情報技術が約25%、
次いで、金融が9.9%となっています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

続いて、USドリーム(毎月) の純資産総額はどうなって
いるか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄
を入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく
減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期
せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

USドリーム(毎月) は現在、586億円程度の規模で、2019年
に入ってから大きく純資産を伸ばしています。

この規模あれば、全く問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

USドリーム(毎月) の実質コストは1.914%とかなり高く
なっています。これは、ファンドオブファンズ方式となっ
ているため、二重に信託報酬がかかってきていることが
原因です。

とにかく実質コストが高いので、慎重に選ばなければなり
ません。

考えなしの長期保有が自分の首を絞める理由とは?

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.914%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.914%(概算値)

※引用: 最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ニッセイ アメリカ高配当株ファンド『USドリーム(毎月)』 の評価分析

基準価額をどう見る?

USドリーム(毎月) の基準価額は、3年間で45%近く
下落しています。もともとタコ足配当をしていて、基準
価額の下落に歯止めがかからない状況となっていました
が、コロナショックでさらに危機的な状況になっています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

USドリーム(毎月)の直近1年間の利回りは▲19.36%と
なっています。これでも同カテゴリー内では平均より
少し下程度であることが驚きですね。

3年平均、5年平均利回りをみても、▲4%となっており、
悲惨な状況が続いています。

このパフォーマンスだけを見ると、リートやMLPを組み
入れるメリットがあるとは思えません。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲19.36% 56%
3年 ▲4.30% 59%
5年 ▲4.65% 71%
10年

※2020年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを把握するときに
役立ちます。

USドリーム(毎月)の標準偏差を見てみると、平常時は
15~16程度ですが、1.5倍近く跳ね上がっています。

暴落相場で、標準偏差が大きく跳ね上がってしまうファンド
というのは、下落相場にうまく対処ができず、基準価額が
大きく下落しているファンドだと言えます。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じ
でしょうか?

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 24.44 60%
3年 17.91 65%
5年 17.64 66%
10年

※2020年4月時点

年別運用パフォーマンス

USドリーム(毎月)の年別の運用パフォーマンスを見て
みましょう。

マイナスのリターンが比較的大きいため、プラスのリターンを
相殺してしまっていることがわかります。

年間利回り
2020年 ▲27.28%(1-3月)
2019年 +26.32%
2018年 ▲7.03%
2017年 +1.65%
2016年 +5.08%
2015年 ▲13.94%
2014年 +23.16%

※2020年4月時点

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

USドリーム(毎月)に投資をするのであれば、その前に、より
低コストで運用ができるインデックスファンドとパフォーマ
ンスを比較しておいて損はありません。

8割近くが米国株なので、今回は米国を代表する指数である
S&P500に連動するiFree S&P500インデックスとパフォーマン
スを比較しました.

結果は、USドリーム(黄線)の惨敗です。3年間どの期間に
おいてもパフォーマンスで負けてしまっています。

これでは、高コストのUSドリーム(毎月)にあえて投資を
するメリットはないですね。

最大下落率は?

投資を検討するうえで、標準偏差などから、価格変動の
範囲をある程度は予想できますが、やはり実際に下落した
度合いをみたほうがイメージがわきます。

USドリーム(毎月) は2020年1月~2020年3月の間に最大
▲27.28%下落しています。コロナショックの影響はやはり
大きかったようですね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかも
しれません。

しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの
可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲19.39%
3カ月 ▲27.28%
6カ月 ▲22.21%
12カ月 ▲24.50%

※2019年4月時点

分配金の推移は?

続いて、分配金の推移を見ていきましょう。USドリーム(毎月)は、
2015年から毎月100円の分配を続けていました。

しかし、2019年に入り、毎月70円に減配しています。だだし、
それでも分配金のうちの約半分はファンドの収益以外から支払
われており、典型的なタコ足配当状態です。

分配金余力はまだ比較的余裕がありますが、基準価額が大きく
下落したことで、分配金利回りが20%近くにまで上昇しています。。

明らかにファンドの収益力を超えていますので、今後、タコ足
配当と基準価額の下落には歯止めがかからないでしょう。

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
73期 70円 29円 1,299円
74期 70円 34円 1,266円
75期 70円 28円 1,239円
76期 70円 30円 1,209円
77期 70円 30円 1,180円
78期 70円 -円 1,293円

評判はどう?

USドリーム(毎月) の評判はネットでの書き込みなどで
調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つ
のが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけUSドリーム
(毎月) を解約している人が多いということなので、評判が悪
くなっているということです。

USドリーム(毎月) は配当利回りが以前として高いため、
多くの投資家から注目をされているようです。

ただ前述のとおり、かなり無理な配当をしていますので、
人気も長い間は持たないでしょう。

 


※引用:モーニングスター

ニッセイ アメリカ高配当株ファンド『USドリーム(毎月)』 の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしたでしょうか?

REITやMLPを組み合わせることで、リスクを分散させて
分配金を安定させようという戦略でしたが、結局たいした
成果を残せていません。

また毎月の分配金もタコ足配当が続いており、今後も
タコ足配当と基準価額の急落は止められないでしょう。

運用面でも、低コストのインデックスファンドにも
パフォーマンスで負けているようではあえて投資を
するメリットがありません。

USドリーム(毎月)に投資をする理由というのは
現状ないと言えますね。