近年、成長が著しいと言えばアジアですが、多くの投資家が注目して
いるのがベトナムです。

ベトナムは人口約1億人で、毎年約150万人が社会に進出しており、
安価で勤勉な労働力が国際競争力の源泉となっています。

そんなベトナムだけに直接投資ができるファンドは国内に10本もない
のですが、今日はその中でもキャピタルアセットのベトナム成長株
インカムファンドを徹底分析していきます。


ベトナム成長株インカムファンドの基本情報

投資対象は?

ベトナム成長株インカムファンドの投資対象は、ベトナムで上場して
いるもしくはベトナムで営業活動を行う企業です。

現在は50銘柄で構成されており、業種別の組入比率を見てみると、
銀行、不動産の順に高くなっています。

新興国では、金融、インフラ関連、不動産関連銘柄が有望ですので、
ある意味セオリーどおりの銘柄選定が行われています。


※引用:マンスリーレポート

組入銘柄の上位は以下のようになっており、やはり銀行や
不動産会社が上位にランクインしています。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するようにしてください。

純資産総額が多いほうが、ファンドマネージャーが資金を投資する際に
有利であったり、保管費用や監査費用が相対的に低くなりますので、
優れた投資信託と言えます。

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に力を
注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ベトナム成長株インカムファンドは2017年末から急激に純資産を
伸ばしており、2018年は少し停滞していましたが、2019年末に
かけて、純資産を大きく伸ばしています。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかっている
ことをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買手数料や
有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり
割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ベトナム成長株インカムファンドの実質コストは2.43%とかなり割高です。
海外株式ですので保管費用が高くついたり、売買委託手数料が高くなって
いるようです。

購入時手数料もしっかり3%かかりますので、そう簡単におすすめ
できない条件がそろっていますね。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.881%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 2.43%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ベトナム成長株インカムファンドの評価分析

基準価額の推移は?

ベトナム成長株インカムファンドの基準価額は2018年の初めごろ
までは順調に上昇していましたが、2018年後半以降は下落基調に
あり、2019年に入ってもパッとしないパフォーマンスとなっています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ベトナム成長株インカムファンドの直近1年間の利回りは
3.67%となっています。先進国株式が2019年は好調だった
だけに、1桁前半のリターンだとどうしても見劣りします。

新興国株式は大きなリターンが狙える印象がありますが、
実体は基準価額の変動が大きいので、運用がうまくいっている
ときは良いのですが、悪い時も含めてトータルで見ると、
正直大した成果を残せていないことがほとんどです。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 3.67% 57%
3年 7.17% 16%
5年 7.13% 4%
10年

※2020年1月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、ベトナム成長株インカム
ファンドの基準価額の変動幅の大きさを知るには役立ちます。

日経平均に連動するインデックスファンドは3~5年の平均で15~17%
なので、新興国株ファンドですが、基準価額の変動はそこまで大きく
ないことがわかります。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 15.53 36%
3年 18.14 60%
5年 18.05 43%
10年

※2020年1月時点

年別のパフォーマンスは?

ベトナム成長株インカムファンドの年別のパフォーマンスも見て
みましょう。

2018年はマイナスとなっていますが、それ以外の年では、
プラスのリターンとなっています。ただ、この程度のリターン
であれば、日本株や先進国株式でも十分実現可能であり、
パフォーマンスの比較をしておいたほうがいいですね。

年間利回り
2019年 3.67%
2018年 ▲15.37%
2017年 40.28%
2016年 12.41%
2015年 1.98%
2014年

※2020年1月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、最低限インデックス
ファンドよりもパフォーマンスが優れていなければ、投資をする
価値がありません。

また新興国株式ファンドは高い利回りが期待できそうなイメージが
ありますが果たしてどの程度優れているのが日本株と先進国株式の
インデックスファンドと比較をしてみました。

直近3年間で見ると、ベトナム株式のパフォーマンスが上位にきて
いる期間が長いのですが、直近では10%以上の差をつけられて
しまっています。

結局、変動幅が大きいだけで、手堅く増えるインデックスファンドに
パフォーマンスで勝てていないのが現状です。

これは、期間を5年にしても同じ結果です。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

ベトナム成長株インカムファンドに投資をする前に、最大でどの程度
下落する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではここでベトナム成長株インカムファンドの最大下落率は
1年間で最大▲23.57%となっています。

まだ運用期間が短いというのが原因ですが、標準偏差から考えると
もっと大きな下落がきてもおかしくありません。

30~40%程度の下落が今後来るかもしれないと思っておいたほうが
いいと思います。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲12.64%
3カ月 ▲16.10%
6カ月 ▲16.25%
12カ月 ▲23.57%

※2020年1月時点

分配金の内訳と余力は?

ベトナム成長株インカムファンドは年4回の分配金を出していますが、
分配金がちゃんとファンドの収益で賄われているのか確認しておかな
ければいけません。

分配金のうち半分以上が当期の収益以外から出ています。

昨年パフォーマンスが良かったので、その収益の一部から支払われて
いると思いますが、直近のパフォーマンスが悪いにもかかわらず当期
の収益以外から分配金が支払われている場合、タコ足配当になって
いますので注意してください。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
17期 200円 193円 2,881円
18期 100円 84円 3,298円
19期 100円 89円 2,702円
20期 100円 50円 2,848円

評判はどう?

それでは、ベトナム成長株インカムファンドの評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見ることで、
評判がわかります。

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなっていれば、
資金が流出超過になります。

ベトナム成長株インカムファンドはパフォーマンスが優れていない
にもかかわらず、資金が流入超過となっている月もあります。

この程度のパフォーマンスであれば、他のファンドに投資をしたほうが
高いリターンを期待できるだけに、理解に苦しみます。


※引用:モーニングスター

ベトナム成長株インカムファンドの今後の見通し

いかがでしょうか?

分配金が目当てのファンドの場合、一番気を付けたいのがタコ足配当
になっていないかと言う点ですが、現状はまだ2017年で増やした収益
で賄えているようです。

ただ、今後パフォーマンスが優れないにもかかわらず同じような配当を
継続する場合、完全にタコ足配当になりますで、注意しなければいけません。

また、ベトナム成長株インカムファンドは購入時手数料や実質コストも
割高なので、現状積極的に投資をする対象としてはおすすめできません。

ベトナム株式市場は、外国人持ち株比率の制限が緩和され、
海外からの資金流入が増えると考えられており、堅調な相場展開が
予想されます。

またベトナムは現在、MSCI指数においてはフロンティア市場に分類
されていますが、今後、外国人の持ち株比率が改善、英語財務諸表に
よるディスクロージャーの充実、浮動株比率の増加が見られれば、
新興国市場への格上げが期待されます。

そうすれば、さらなる株価上昇が期待できますので、マーケットの
動向は引き続きチェックしていきたいと思います。