レバレッジ型ファンドの新規設定が止まりません。

三井DSアセットから新たに米国の株式、債券、
リート、コモディティに分散投資をしながら、
レバレッジをかけられるファンドが登場しました。

その名も、米国分散投資戦略ファンド(1倍/3倍/5倍コース)
『愛称:USブレイン1/USブレイン3/USブレイン5』です。

『USブレイン1/USブレイン3/USブレイン5』米国分散投資戦略ファンドの基本情報

投資対象は?

USブレイン1/USブレイン3/USブレイン5の投資対象は、
米国の株式、債券、リートおよびコモディティの先物です。

実質的な運用はケイマン籍の外投を通じて行います。
投資対象は以下のようになっており、米国の代表的な
指数を中心に投資をしていきます。

AIを活用した機械学習を活用した独自のアセットアロ
ケーション戦略により、徹底したリスク分散を図ること
で、良好なポートフォリオの構築を目指します。

具体的な組入比率のデータがありませんでしたので、
非常に気になるところです。


※引用:交付目論見書

USブレインはリスク水準に応じて、3つのコースが用意
されており、レバレッジ1倍コースがUSブレイン1、
レバレッジ3倍コースがUSブレイン3、レバレッジ5倍
コースがUSブレイン5があります。

私が調べた限り、バランス型ファンドでレバレッジ5倍
というのは最大のレバレッジがかかっています。

どれくらいのボラティリティになるのか気になるところ
ですが、レバレッジ5倍は投資というより、ただのギャン
ブルとしか思えません。

運用会社は?

実質的な運用はTCWが行います。

TCWは1971年に設立されたTCWグループ傘下のグローバル
資産運用会社で、高度のコンピューターサイエンス、電気
工学および計算神経科学への強みをバックグラウンドとして、
AIなど機械学習に関する専門知識を有します。

USブレインの運用にもAIを活用したTCW独自の機械学習
モデルが活用されています。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

USブレイン1/USブレイン3/USブレイン5の実質コストは
運用が始まっていないので、まだ正確にはわかりませんが、
割安な手数料体系になっていないことだけは間違いありません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1倍コース:1.3225%

3倍コース:1.6025%

5倍コース:1.8825%

信託財産留保額 0
実質コスト まだ不明

※引用:最新交付目論見書

レバレッジ型ファンドの最大のデメリットとは?

USブレイン1/USブレイン3/USブレイン5への投資を
検討するのであれば、レバレッジ型ファンドのデメ
リットもしっかりと理解しておかなければいけません。

レバレッジ型ファンドの最大のデメリットはレバレッジが
大きいほど運用の仕組み上、下落圧力がかかるということです。

もう少し具体的に説明をしていきます。

例えばUSブレイン5が目標とするレバレッジ5倍は、
前日に対する1日の値動きについてのものです。

言い換えると、比較する日から2日間以上期間が空くと、
必ずしも5倍の値動きにはならなくなります。

バランスファンドだと複雑なので、レバレッジ5倍の
日経平均に連動する株式ファンドだったとして説明
していきます。

当初時点での価格を100円として、1日後、日経平均株価が
5%下落して95円になると、レバレッジファンドはその5倍
である25%下落します。

そして、2日目。日経平均株価が100円に戻ったとすると、
+5.26%上昇したことになります。

レバレッジファンドは26.30%上昇することになります。

対象 当初 1日目 2日目
日経平均株価 100円 95.0円(▲5%) 100円(+5.26%)
レバレッジF 100円 75.0円(▲25.0%) 94.725円(+26.30%)

さて、ここからが問題なのですが、実際に数値を
確認してみると、日経平均株価は100円に戻って
いますが、レバレッジファンドはどうでしょうか。

94.725円になっています。

実際に計算してみるとよりイメージが沸きますが、
複利計算の構造上、レバレッジが効けば効くほど、
一度下落してしまうと元の水準に戻すのが難しく
なります。

つまり、下落したときは、より高い利回りで運用が
できないと元の水準まで戻せません。このことを
理解しないまま投資をしている人が多すぎます。

そして、たいていレバレッジ型ファンドの人気が
出てくるのは、株式相場が好調なときです。

そこでこぞってレバレッジ型ファンドに投資をする
わけですが、一般投資家がマーケットに入ってくる
ときにはすでに相場の方向が変わりかけていることも
多く、その後大きく下落することも多いです。

そして大きく下落したときはレバレッジがきいて
いますので、ダメージは5倍の損失となります。

さらにさきほどの例にも示したように、レバレッジが
かかっている分、余計に元の水準まで戻すことが難しく
なり、結局損失を出して退場するのがよくあるパターンです。

最近の目論見書はこのようなリスクについてしっかりと
説明していないので、とりあえず自己資金の5倍で投資が
できると気軽に投資をしている人が多いと思いますが、
非常に危険な考えだと思います。

信託期間が短く設定してあることからもわかるとおり、
長期で利益が出るファンドではないということです。

『USブレイン1/USブレイン3/USブレイン5』米国分散投資戦略ファンドの評価分析

USブレインはエース証券・東洋証券からの要望で
三井DSアセットが設定したものだと思いますが、
さすがにレバレッジ5倍はやりすぎなのではないか
と思っています。

投資というよりも一発ドカンと狙うギャンブルに
しか見えず、販売会社と運用会社のモラルが問われ
ていると思います。

正直、私には理解しがたいレバレッジ型ファンドの
ブームが来ていますが、NYダウが高値を更新し続ける
わけもなく、最高値を更新しているからこそ、近々
大きく下落する可能性もあります。

仮に1月で10%下落するような相場が来たら、USブレイン5
では資産が半分になってしまうことを意味しています。

くれぐれも儲けよう儲けようと考えすぎず、その投資が
適切なリスクの範囲で行えているのかしっかりと考えて
ください。