配当金で老後の生活を楽しみたいという人におすすめなのがフィデリティのフィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型)です。
今日は、フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) について徹底分析していきます。
「フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) って投資対象としてどうなの?」
「フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) って持ってて大丈夫なの?」
「フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) より良いファンドってある?」
といったことでお悩みの方は、この記事を最後まで読めば、悩みは解消すると思います。
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型)の基本情報
投資対象は?
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) の投資対象は、日本国内の株式です。予想配当利回りが市場平均以上の銘柄の中から、投資価値の高い銘柄を厳選していきます。
また。単に配当利回り高い企業を組み入れるのではなく、配当成長性(増配する余地があるか)を重視して銘柄を選定しています。
※交付目論見書より
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) の現在の組入銘柄数は68銘柄で構成されており、組入上位10銘柄は以下のようになっています。配当利回りが3%台の銘柄が多いですね。
※引用:マンスリーレポート
純資産総額は?
つづいて、フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) の純資産総額を見てみましょう。純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、監査費用や印刷費用、その他諸経費が相対的に比率が高くなるので、実質コストが高くなりがちです。また会社としてもファンドの運用に人員を割けなくなるため、パフォーマンスが悪化する原因にもなります。
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) の純資産総額は、現在約430億円です。一時は2000億円近い規模のファンドでしたが、現在は5分の1程度まで縮小しています。ただ、それでも規模としては十分な大きさです。
※引用:マンスリーレポート
実質コストは?
投資信託を運用する際には、購入時手数料や信託報酬以外にも、実際にはコストがかかっています。具体的には、株式売買手数料や有価証券取引税、印刷費用などが該当します。
これを実質コストと言いますが、実質コストが信託報酬よりもかなり高くなっていることもありますので、必ず事前に確認しておいたほうがよいポイントです。
信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) の実質コストは1.230%となっており、アクティブファンドの中では割安と言えます。
ただ、購入時手数料と信託財産留保額がかかるので、買い時と売り時あわせて、3.6%近いコストを支払う覚悟が必要です。かなり大きなムダなので、投資する際は慎重に検討してください。
購入時手数料 | 3.3%(税込)※上限 |
信託報酬 | 1.188%(税込) |
信託財産留保額 | 0.3%(税込) |
実質コスト | 1.230%(概算値) |
※引用:最新運用報告書
「ファンドの運用で成果を出すために一番大事なことは何ですか?」と聞かれてあなたは何と答えますか?
もし『ファンド選び』だと思ったとしたら、あなたはドツボに
はまっていますので、こちらの記事を読んでみてください。
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型)の評価分析
基準価額をどう見る?
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) の基準価額を見てみましょう。
2021年、2022年は微増でしたが、2023年に入り、日経平均が30,000円を突破した恩恵を受けて、大きく上昇しています。
※引用:ウエルスアドバイザー
利回りはどれくらい?
それでは、フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) の運用実績を見ていきます。
直近1年間の利回りは24.98%となっています。直近の利回りは高く見えますが、5年、10年平均利回りはあまり高くないですね。
ただし、この時点で良し悪しを判断するのは時期尚早です。他の類似ファンドとパフォーマンスを比較してから投資判断するようにしましょう。
平均利回り | |
1年 | +24.98% |
3年 | +19.76% |
5年 | +6.94% |
10年 | +6.90% |
※2023年11月時点
10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も参考にしてみてください。
10年間圧倒的に高いリターンを出している国内中小型株式ファンドランキング
同カテゴリー内での利回りランキングは?
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) は、国内大型バリューカテゴリーに属しています。
投資をするのであれば、同カテゴリーでも優秀なパフォーマンスのファンドに投資をすべきなので、同カテゴリー内でもパフォーマンスのランキングは事前に調べておいて損はありません。
利回りが良く見えても、実は同カテゴリー内では、ランキングが低かったということがよくあります。
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) は、全期間下位35%以内となっており、このパフォーマンスではあえて選ぶ理由がありません。
上位●% | |
1年 | 76% |
3年 | 79% |
5年 | 90% |
10年 | 88% |
※2023年11月時点
年別のパフォーマンスは?
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) の年別の利回りを見てみましょう。
年別の運用利回りを見ることで、平均利回りを見るだけではわからない基準価額の変動の大きさを知ることができます。
2018年は大きく下落していますが、それ以外の年は大きなマイナスもなく、2桁プラスの年も多いので、安心して投資ができますね。
年間利回り | |
2023年 | +27.39%(1-9月) |
2022年 | +6.68% |
2021年 | +14.82% |
2020年 | ▲8.81% |
2019年 | +11.53% |
2018年 | ▲18.25% |
2017年 | +15.55% |
2016年 | ▲2.62% |
2015年 | +13.11% |
2014年 | +11.08% |
※2023年11月時点
投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を考えずに投資をしてしまいがちです。
しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、重要なテーマです。ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみてください。
>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とはインデックスファンドとのパフォーマンス比較
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) に投資をするかを考える上で、超低コストで投資ができるインデックスファンドとパフォーマンスの比較は必須です。
パフォーマンスが大きく劣るようであれば、わざわざ高いコストを支払ってまで投資をする価値がないからです。
そこで、今回は、フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) と日経225に連動するニッセイ 日経225インデックスファンドとパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
直近3年間では、2022年以降フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) のパフォーマンスが大きく上回っています。
ただ、5年、10年の期間で比較すると、フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) のパフォーマンスが下回っており、これでは高いコストを支払ってまで、アクティブファンドに投資をするメリットを感じません。
年平均利回り | フィデリティ・日本配当成長株 | ニッセイ 日経225 |
1年 | +24.98% | +13.90% |
3年 | +19.76% | +12.16% |
5年 | +6.94% | +8.92% |
10年 | +6.90% | +9.73% |
※2023年11月時点
アクティブファンドとのパフォーマンス比較
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) に投資をするかを検討するのであれば、アクティブファンドともパフォーマンスを比較しておきましょう。
投資信託は6000本以上ありますので、もっと優れたファンドが見つかるかもしれません。
今回は、国内の大型株カテゴリーで中長期で高いパフォーマンスを残している厳選投資とパフォーマンスを比較しました。
※引用:ウエルスアドバイザー
こちらも直近3年間では、2022年以降フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) のパフォーマンスが大きく上回っています。
しかし、厳選投資の長期パフォーマンスと比較すると、2倍近くの差がありますので、長期で投資をするのであれば、厳選投資のほうがおすすめです。
年平均利回り | フィデリティ・日本配当成長株 | 厳選投資 |
1年 | +24.98% | +19.22% |
3年 | +19.76% | +7.18% |
5年 | +6.94% | +8.41% |
10年 | +6.90% | +12.69% |
※2023年11月時点
最大下落率は?
投資信託は最低でも5~10年は投資をする気でなければ、投資をする意味がありませんが、その最大の障壁となりえるのが、資産の減少です。
特に20%や30%の下落相場を始めて経験すると、資産の減少額に耐えきれなくなり、本来手放すべきタイミングではないときに慌てて売却してしまいがちです。
そのため、事前にどの程度下落する可能性があるのかを知っておくことで、急落相場に遭遇しても、精神的に余裕を持って投資を続けられます。
それでは、フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) の最大下落率を調べてみましょう。
期間 | 下落率 |
1カ月 | ▲15.75% |
3カ月 | ▲25.77% |
6カ月 | ▲31.89% |
12カ月 | ▲34.72% |
※2023年11月時点
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) の最大下落率は2007年11月~2008年10月で▲34.72%となっています。高配当株は下落に強い銘柄が多く、普通の株式ファンドであれば、40~50%下落するところ、30%台で抑えられているのは評価できます。
最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。
評判はどう?
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) の評判を確認する上で、毎月の資金の流出入が役立ちます。
資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドであるとわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなっているファンドと言えます。
それでは、フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) の評判を見てみましょう。
2022年初めまでは毎月資金が流出していましたが、パフォーマンスの向上と分配金の支払い額の増加に伴い、2022年から評判が良くなっています。
※引用:ウエルスアドバイザー
NISAとiDeCoの対応状況は?
投資をしようとする際、NISAやiDeCoの制度を使って投資を検討している人も多いと思うので、NISAやiDeCoの対応状況を見ていきます。
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) はNISAのみ取り扱いがありますので、投資をする場合は積極的にこの制度を活用していきましょう。
NISA | iDeCo |
〇 | × |
※2023年11月時点
フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型)の評価まとめと今後の見通し
いかがでしょうか?
好配当株を調べるのは今の時代簡単にできるようになりました。しかし、好配当株がこのまま長く配当を出し続けるのか、増配する可能性があるのか、もしくは減配、無配になる可能性があるのかを1銘柄1銘柄分析するのはかなり骨が折れます。
そういう意味では、こういったファンドに投資をするのも1つです。
ただし、フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) のように、そもそもインデックスファンドに大きくパフォーマンスで劣後しているようなアクティブファンドに投資をしても意味がありません。
もし投資をするのであれば、フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型) が組み入れている銘柄を参考にして、自分で好配当株を買うのがおすすめです。
そうすることで、時間と手間をかけずに、将来性の高い好配当株に投資をすることができますよ。
最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、当然ながら、弱点もあります。
今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。その理由をこちらで話をしています。
>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点