毎月分配型のファンドというと、リートや債券ファンドが多いですが、
分配金の原資を配当で賄うという運用スタイルの株式型ファンドも
いくつか存在します。

その中でも圧倒的に多くの資金が集まっているのが、アジア・オセアニア
好配当成長株(毎月分配型)です。

一時期は純資産総額が1兆円に迫る勢いでしたので、いかに注目を
集めていたかがわかります。

今日は、アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)について
徹底分析していきます。

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の投資対象は、日本を
除くアジア・オセアニア地域の株式です。

MSCIオール・カントリー・アジア・パシフィック指数採用国が
対象なのですが、どの国が対象かよくわからないと思いますので、
下に載せておきます。以下の13か国が現在の投資対象となっています。


※引用:交付目論見書

ただし、アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の実際の
組入状況は以下のようになっており、香港が約50%、台湾、韓国
が15%となっています。


※引用:マンスリーレポート(2018年11月時点)

業種別の比率で見てみると、銀行の比率が最も高く次いで、
テクノロジー、電気通信サービスが続いています。


※引用:マンスリーレポート(2018年11月時点)

純資産総額は?

純資産総額というのは、投資家から集めた資金の総額をさしますが、
必ず確認しておきたいポイントです。

純資産総額が少なければ、効率よく運用ができないため、コストが
嵩みますし、運用会社としても運用に力を入れないため、パフォー
マンスに影響が出てきます。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の純資産総額は、
約3000億円となっており、かなり人気の高いファンドです。

一時期は9000億円ほどありましたが、毎月分配型ファンドへの風当たり
が強くなっていることと、パフォーマンスも優れないことが要因と言えます。


※引用:マンスリーレポート(2018年11月時点)

実質コストは?

投資信託には、販売時の手数料・信託報酬・信託財産保留金以外にも
費用がかかっているのをご存知でしょうか?

これを実質コストと言いますが、実質コストにはファンドの銘柄を
入れ替える際にかかる売買手数料や有価証券取引税、監査費用や
印刷費用が含まれます。

目論見書の信託報酬よりも実質コストがかなり割高になっている
ファンドもあるので、必ずチェックしたいポイントです。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の実質コストは1.739%で、
同カテゴリー内でも割高になっています。

購入時手数料も3.24%と高めの設定がされており、この程度の
パフォーマンスでは、そうそう投資したいと思えませんね。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.728%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.739%(概算値)

※引用:運用報告書(決算日2018年10月10日)

実質コストを加味しても、圧倒的に高いリターンを出しているアクティブファンド特集

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の評価分析

基準価額の推移は?

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の基準価額は、ここ
3年間で40%ほど下落しています。

分配金再投資基準価額(青線)を見ると、2016年後半から2017年に
かけては頑張っていましたが、2018年はまったくパフォーマンスが
奮っていません。

それに合わせて、基準価額も大きく下落しています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

それでは、アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の利回りは
どうでしょうか?

直近1年間の利回りは▲9.59%と大きく下落しています。

3年、5年、10年の平均利回りはどれをとっても、同一カテゴリー内で、
半分以下のパフォーマンスとなっています。

これでは、なかなか投資家は手を出しづらいですね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲9.59% 46%
3年 2.55% 60%
5年 2.90% 59%
10年 9.76% 54%

※2018年12月時点

標準偏差は?

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の標準偏差を見てみると、
直近10年では上位6%に入っており、安定的に運用ができていますが、
短中期での標準偏差は真ん中程度の順位です。

投資するのであれば、短中期も優れた運用ができているファンドに
投資をしたいものです。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 15.43 26%
3年 14.84 43%
5年 15.46 41%
10年 17.72 6%

※2018年12月時点

年別のパフォーマンスは?

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の年別の利回りを見て
みると、2015年以外は毎年プラスになっています。

約20%のリターンが出せるのはアジアリートだからこそと言えますね。

年間利回り
2018年 ▲5.19(9月末)
2017年 19.66%
2016年 3.74%
2015年 ▲13.12%
2014年 19.63%

※2018年12月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

毎月分配型のファンドといえば、リートや債券型のものが多く、
株式型のファンドはあまりありません。

私自身は毎月分配型のファンドはおすすめしませんが、あえて挙げる
とすれば、AB・米国成長株投信Dコースを挙げます。

そして、今回、アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)と
比較をしてみました。

結果は、AB・米国成長株投信Dコースの圧勝です。

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)に投資をしている人は、
アジア・オセアニアに投資がしたくて、ファンドを選択しているわけ
ではないと思いますので、しっかりパフォーマンスも優れており、
分配金がもらえるファンドに最低でも投資をしましょう。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

投資を検討するうえで、最大どの程度下落する可能性があるのかは
事前にある程度把握しておきたいところです。

もちろん、標準偏差からある程度予測することはできますが、
実際にどれくらい下落したことがあるのか確認するのは参考になります。

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の最大下落率は、
200711月~2008年10月の1年間で、▲49.40%となっています。

毎月分配型でこれだけの下落をしてしまうと、分配金余力が一気に
減りますので、恐いですね。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲25.42%
3カ月 ▲38.96%
6カ月 ▲44.96%
12カ月 ▲49.40%

※2018年12月時点

分配金は?

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)は2016年初めには
毎月55円の分配がありましたが、現在は35円となっています。

分配金余力は40カ月以上ありますので、当面、減額される心配は
ないでしょう。

ただし、そもそも論として、ファンドの収益で分配金を支払えていない
タコ足配当ですので、あなたが受け取っている分配金はあなたが投資
した元金から支払われていることを忘れてはいけません。

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
144期 35円 28円 1659円
145期 35円 22円 1636円
146期 35円 23円 1613円
147期 35円 21円 1592円
148期 35円 29円 1562円
149期 35円 33円 1529円

評判はどう?

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の評判を確認する上で、
毎月の資金の流出入が役立ちます。

資金流入が多くなっていれば、人気が出てきているファンドである
とわかりますし、流出が続いているようであれば、評判が悪くなって
いるファンドと言えます。

それでは、アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の評価は
どうでしょうか?

以下のグラフをご覧ください。

2016年以降は、毎月資金が流出しており、評判が悪くなっていること
がわかります。

パフォーマンスも優れてないので、当然といえば、当然の結果ですね。


※引用:モーニングスター

アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)の今後の見通し

いかがでしたでしょうか?毎月分配型の株式ファンドが少ないとはいえ、
アジア・オセアニア好配当成長株(毎月分配型)程度のパフォーマンスの
ファンドであれば、いくらでもあります。

当面、分配金余力はまだありますので、すぐに減配にはならないと
思いますが、タコ足配当を続けている限り、どんどん分配金は減って
いきます。

もともと毎月分配型のファンドはおすすめしませんがおすすめしませんが、
それでも毎月分配型のファンドが良いということであれば、AB・米国成長
株投信Dコースにしてください。

このファンドであれば、パフォーマンスは十分優れているので、投資する
価値はあると思います。

目先の利益だけを追いかけるのではなく、中長期的にリターンが狙える
ファンドを選ぶという目線でファンドを選別していけば、もっと優れた
ファンドに投資できると思いますよ。

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