一時期は純資産が3000億円を越えていたゴールドマン・サックス
米国REITファンド『愛称:コロンブスの卵』。

米国のリートは世界のリート市場の6割超を占めており、REITへの
投資を検討したことがある人であれば、一度は投資対象として検討
したことがあるでしょう。

コロンブスの卵は毎月分配型と年1回型、為替ヘッジありとなしの
4コースがありますが、一番人気の高いBコース(毎月分配型/為替
ヘッジなし)を徹底分析していきます。

ゴールドマン・サックス米国REITファンド Bコース『コロンブスの卵』の基本情報

投資対象は?

コロンブスの卵の投資対象は、米国に上場されているREITです。

REITが所有する物件からの賃貸収入をもとに毎月分配を目指します。
米国に上場しているREITは約150銘柄程度ありますが、その中から
30~60銘柄を選別していきます。

1つのリートにつき300の物件を所有していると仮定すると、約9000~
18000の不動産物件に投資するのとほぼ同じ効果を得ることができるのが
REITの魅力です。


※引用:交付目論見書

セクター別の投資先を見てみると、様々なセクターにバランスよく
分散投資されていることがわかります。


※引用:マンスリーレポート

純資産総額は?

投資を検討するうえで、純資産総額は必ず確認するようにしてください。

純資産総額が大きいほうが、ファンドマネージャーが資金を運用する際に
効率よく運用できますし、ファンドの運用で必ず発生する保管費用や
監査費用が相対的に低くなりますので、コストが相対的に低く抑えられます。

また投資信託の規模が小さくなると運用会社自体がその投資信託に
力を注がなくなりパフォーマンスが悪くなることもありますので
注意が必要です。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

コロンブスの卵は2016年には3000億円を越える巨大なファンドでしたが、
2016年以降はパフォーマンスが優れなかったことあり、純資産は
約3分の1にまで減少してしまっています。

減少したとはいえ、いまだ1000億円以上の規模がありますので、
規模のデメリットはないと言えます。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

投資信託には、購入時の手数料や信託報酬の他にも費用がかかって
いることをご存知ですか?

これを実質コストと言いますが、実質コストには、株式売買手数料や
有価証券取引税、監査費用などが含まれています。

特に純資産総額が小さいときには、信託報酬より実質コストがかなり
割高になっている場合もあるので、注意が必要です。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

コロンブスの卵の実質コストは1.58%と割高です。それに加えて高い
購入時手数料もかかりますので、購入した初年度は4%程度のマイナス
スタートになります。

最近は、多くのファンドで購入時手数料がゼロになっていますので、
今どき購入時手数料を取るファンドは相当パフォーマンスがよく
なければ、投資家も購入したいと思いません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 2.7%(税込)※上限
信託報酬 1.544%(税込)
信託財産留保額 なし
実質コスト 1.58%(概算値)

※引用:運用報告書(決算日2019年4月23日)

実質コストを加味しても、圧倒的に高いリターンを出している海外REITファンド特集

ゴールドマン・サックス米国REITファンド Bコース『コロンブスの卵』の評価分析

基準価額の推移は?

コロンブスの卵の基準価額は3年間で30%ほど下落しています。

分配金を受け取らずに運用した場合の分配金再投資基準価額(青線)
を見ると、3年間で10%は上昇していますので、過剰な分配が行われ
ていることがわかります。

基準価額が2000円台になっていることからもそれはわかりますね。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

コロンブスの卵の直近1年間の利回りは+6.19%と同カテゴリー内
でも平均以下の水準となっています。

一方、中長期のパフォーマンスを見てみると、5%以上の利回りを
確保できてはいますが、カテゴリー内の順位では半分以下ですので
他にもっと優れたファンドがあるということがわかります。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 +6.19% 59%
3年 +3.93% 70%
5年 +5.97% 56%
10年 +11.78% 90%

※2019年7月時点

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、コロンブスの卵
の基準価額のブレの大きさを知るには役立ちます。

J-REITの場合、標準偏差は7~8ですので、J-REITの
2倍くらい基準価額の変動幅が大きいことがわかります。
だいたい、日経225に連動するインデックスファンドで
15~16程度ですので、株式ファンドよりは変動幅はわずかに
小さいようですね。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 14.95 56%
3年 14.83 68%
5年 15.75 61%
10年 17.42 20%

※2019年7月時点

年別のパフォーマンスは?

コロンブスの卵の年別のパフォーマンスを見てみましょう。

直近5年間で見ると、マイナスリターンで終わってしまって
いる年も多く、2014年以外はパッとした成果を残せていない
ことがわかります。

このようなパフォーマンスで高い分配金を出し続けたため、
基準価額は大きく下落し、タコ足配当が続いてしまっていた
というわけです。

年間利回り
2019年 +11.62%(1-6月)
2018年 ▲5.15%
2017年 ▲1.68%
2016年 +4.25%
2015年 ▲3.88%
2014年 +43.61%

※2019年7月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

コロンブスの卵への投資を検討する上で、類似ファンドとの
パフォーマンス比較をしてみましょう。

今回は、米国REITの代表的な指数であるS&P米国REITインデックスを
ベンチマークとするeMAXIS 米国リートインデックスと比較をしてみました。

結果は、わずかながらeMAXIS 米国リートインデックスのほうが
上回っています。

購入時手数料も考えると、コロンブスの卵に投資をするメリットを
感じませんね。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

コロンブスの卵に投資をする前に、最大でどの程度下落する可能性が
あるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではコロンブスの卵の最大下落率を見てみましょう。

最大下落率は2008年4月~2009年3月の1年間で63.33%でした。
REITと聞くと、株式ファンドほど下落しないようなイメージを
持ってしまいがちですが、下落するときは大きく下落しますので
注意してください。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲34.76%
3カ月 ▲56.78%
6カ月 ▲64.19%
12カ月 ▲63.33%

※2019年3月時点

分配金の内訳と余力は?

毎月分配型のファンドに投資をするのであれば、分配金がちゃんと
ファンドの収益で賄われているのか確認しておいて損はありません。

コロンブスの卵は2016年には毎月75円の分配金がありましたが、
2017年には毎月40円となり、2018年以降はついに毎月20円にまで
下落しています。

分配金余力自体はまだ100カ月近くありますので、当分減配される
心配はないと思いますが、20円の分配金のうち半分以上が当期の
収益以外から支払われているのでタコ足配当になっていることが
わかります。

ファンドの収益力に対して、過剰な分配が行われていますので、
くれぐれも注意してください。

このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
178期 20円 16円 1,981
179期 20円 16円 1,965
180期 20円 15 1,950
181期 20円 8 1,941
182期 20円 17円 1,924
183期 20円 8 1,915円

評判はどう?

それでは、コロンブスの卵の評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見る
ことで、評判がわかります。

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなって
いれば、資金が流出超過になります。

ゴールドマン・サックス米国REITファンド Bコースは2017年以降、
毎月資金の流出が続いています。これは減配されたことにより多くの
投資家が離脱したのが原因です。

現状、ファンドの収益力に対して適切な分配が行われているとは
言えない状況なので、資金が流出するのは仕方ないでしょう。


※引用:モーニングスター

ゴールドマン・サックス米国REITファンド Bコース『コロンブスの卵』の今後の見通し

いかがでしょうか?

米国経済は、経済サイクルの後期ではあるものの、依然として緩やかに
成長を続けており、需要は安定する一方で、建設費の上昇などにより
新規建設着工数は限定され、供給は抑えられています。

現状の緩やかなインフレ環境のもとでは、予想を上回るペースでの
金融引き締目や急激な金利上昇は想定しにくいことから、リート市場の
成長が期待できます。

米国REITを自分のポートフォリオの一部として組入れることは悪くない
と思いますし、インデックスファンドにパフォーマンスで負けていない点は
評価に値しますが、毎月分配型である点と、過剰な分配を続けている点を
考慮すると、残念ながら投資対象としてはおすすめできません。

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