大和住銀のEV関連株ファンドやBNYメロンのモビリティ・イノベーションファンドと
並んで、日興アセットが新規設定したグローバル・モビリティ・サービス株式ファンド
『愛称:グローバルMaaS』。

モビリティファンドというと、どこも全く同じように見えるのですが、組み入れ銘柄を
見ていくと、それぞれこだわりを持ってファンド設定をしていることがわかります。

今日は、グローバルMaaSについて、私が独自の目線で分析、評価していきます。

グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド『グローバルMaaS』の基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、モビリティ・サービス関連企業です。

MaaSというのはMobility as a Serviceの略で、移動手段として、自動車などモノを
提供する企業や、ライドシェアリングのようななサービスを提供する企業などを含んでいます。

具体的にイメージができるようにファンドの中身を見ていきましょう。

国別で見ると、アメリカが50%超、次いで中国、日本となっています。

業種別で見ると、自動車・自動車部品の比率が33%と一番高く、
次いで、ソフトウェア・サービス、小売と続きます。

ソフトウェア・サービスは自動運転技術のシステム・サービスを提供しているような企業で、
小売はドローンを利用した宅配などをイメージしてもらうとわかりやすいでしょう。

グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド『グローバルMaaS』は
43銘柄で構成されており、その上位銘柄を見てみましょう。

1位のテスラは、自動車メーカーですが、すでに自動運転が可能になるハードウェアが
搭載されており、今後「テスラネットワーク」と呼ばれる自動運転ライドシェアサービスを
運営する計画を持っています。

2位のバイドゥは自動運転技術のプラットフォームである「アポロ」を運営しており、
70以上の企業とともに共同研究しています。

3位のアマゾンはプライム・エアと呼ばれる自動運転ドローン配達プラットフォームの
運用を計画しており、半径24キロ内のドローンによる配達を1ドルで行うことを検討しています。

今後伸びしろのある技術の開発に力を入れている企業への投資比率を高めていますね。

運用体制は?

実際の運用においては、アーク・インベストメント・マネジメントが投資助言を行っています。

アーク社は2014年に設立されたニューヨークの運用会社で、破壊的イノベーションを
発掘するには、従来の伝統的なリサーチ手法だけでは不十分と考え、ユニークなプロセスで
調査を行っています。

一般的な財務諸表の分析や経営者への面談だけではなく、SNSなどで人脈を構築した大学教授、
企業家などの外部の専門家と共同で研究を行い、そのテーマについての論文を発表します。

さらにその論文を一般公開し、広く視聴者からのフィードバックをうけ、投資テーマに
ついての細部まで理解をするのです。

そのため、アーク社では、「金融」と「テクノロジー」の融合を目的に、両業界の出身者
からなるアナリストチームを擁しており、アナリストの大半がシリコンバレー出身という
非常に珍しいチーム編成になっています。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、
予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

2018年の4月に設定されて以来、毎月100億円くらいのペースで純資産を伸ばしています。

色々な場所でセミナーも開催しているので、日興アセットが注力したいテーマなのでしょう。
純資産の規模としては全く問題ありませんね。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド『グローバルMaaS』は最新の運用報告書が
まだ出ていないため、正確な実質コストはわかりませんが、1.9%~2.0%程度と
かなり高くなると思われます。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.89%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.9~2.0%(概算値)

グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド『グローバルMaaS』の評価分析

基準価格をどう見る?

グローバルMaaSの基準価額は現在9,700円です。新規設定のタイミングがちょうど、
1月末の市場の大暴落のタイミングだったため、相場の下落の波にのまれて、10000円まで
まだ回復できていません。

MaaSというのは、将来有望なテーマだとは思いますが、ここ数年で大きく変化が起きるというよりは
5~10年後に大きく変化するものかと思っています。

ですので、基準価額もそこまで大きく成長しないのではないかと考えています。

グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド『グローバルMaaS』の今後の見通し

ボルボ社が2019年以降発表のすべての車をEV車にすると発表し、国内でもトヨタとマツダが
資本業務提携を発表し、EVの共同開発をめざすと言っています。

掃除機で有名になダイソンも2020年までに電気自動車市場に参入すると表明しましたね。

このように従来の車社会は今後、劇的に変化していくことが予想できます。

今年の1月にラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市(CES)では、アメリカの
タクシー配車サービス大手のLyftがラスベガス市内でタクシーの完全自動運転デモ走行を行い、
かなり高い評価を受けています。

グーグルから分社したWaymoもアリゾナ州のフェニックスで公道テストを始めました。

スマートフォンが私たちの世界に欠かせないツールになったように、自動運転や自動宅配といった
世界もすぐそこまで来ていることが何となくイメージできるのではないでしょうか?

ただ、懸念点としては、アーク社のアナリストも言っているように、自動運転が普及するのは、
2020年代後半以降になるということです。

私も興味深いテーマではあると思いつつも、まだ10年程度はかかるのではないかと思っています。

そうすると、MaaS関連の企業が評価され始めるには、少し時間がかかると考えており、あえて
今から投資する必要はないと考えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

自動運転のテーマは非常に面白いテーマである一方で、技術革新の波が一般家庭に広がるまでには
まだ時間がかかるものと思っています。

当ファンドの実質コストがほぼかからないのであれば、余剰資金の一部を長期で寝かせておいても
いいですが、毎年2%ほど手数料を取られることをかんがえると、まだタイミングではない。
というのが私の考えです。