大和住銀のEV関連株ファンドやBNYメロンのモビリティ・イノベー
ションファンド
と並んで、日興アセットが新規設定したグローバル・
モビリティ・サービス株式ファンド『愛称:グローバルMaaS』。

モビリティファンドというと、どこも全く同じように見えるのですが、
組み入れ銘柄を見ていくと、それぞれこだわりを持ってファンド設定を
していることがわかります。

今日は、グローバルMaaSについて、私が独自の目線で分析、評価して
いきます。

グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド『グローバルMaaS』の基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、モビリティ・サービス関連企業です。

MaaSというのはMobility as a Serviceの略で、移動手段として、自動車
などモノを提供する企業や、ライドシェアリングのようななサービスを
提供する企業などを含んでいます。

具体的にイメージができるようにファンドの中身を見ていきましょう。
国別で見ると、アメリカが60%超、次いで中国となっています。

業種別で見ると、自動車・自動車部品の比率が24%と一番高く、
次いで、メディア・娯楽の比率がたかくなっています。

メディア・娯楽が上位にランクインしているのは、中国のバイドゥや
アルファベットがこの業種に組み入れられているからのようです。


※引用:マンスリーレポート

グローバルMaaSは現在、39銘柄で構成されており、その上位銘柄を
見てみましょう。

1位のテスラは、自動車メーカーですが、すでに自動運転が可能になる
ハードウェアが搭載されており、今後「テスラネットワーク」と呼ばれる
自動運転ライドシェアサービスを運営する計画を持っています。

2位のバイドゥは自動運転技術のプラットフォームである「アポロ」を
運営しており、70以上の企業とともに共同研究しています。

3位のエヌビディアは世界初のAI車載コンピュータであるDrivePXを
200以上の自動車メーカーや部品メーカーに提供しています。


※引用:マンスリーレポート

今後伸びしろのある技術の開発に力を入れている企業への投資比率を
高めていますね。

運用体制は?

実際の運用においては、アーク・インベストメント・マネジメントが
投資助言を行っています。

アーク社は2014年に設立されたニューヨークの運用会社で、破壊的
イノベーションを発掘するには、従来の伝統的なリサーチ手法だけ
では不十分と考え、ユニークなプロセスで調査を行っています。

一般的な財務諸表の分析や経営者への面談だけではなく、SNSなど
で人脈を構築した大学教授、企業家などの外部の専門家と共同で研究
を行い、そのテーマについての論文を発表します。

さらにその論文を一般公開し、広く視聴者からのフィードバックをうけ、
投資テーマについての細部まで理解をするのです。

そのため、アーク社では、「金融」と「テクノロジー」の融合を目的に、
両業界の出身者からなるアナリストチームを擁しており、アナリストの
大半がシリコンバレー出身という非常に珍しいチーム編成になっています。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性
がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

基準価額が大きく下落していますが、現在は650億円程度の規模があり、
大きく純資産は減っていないので、多くの投資家がこれからに期待を
しているということですね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

グローバルMaaSの実質コストは2.03%です。実質コストが2%を
越えてくるファンドというのは、そうとうパフォーマンスが優れて
いない限り、投資してはいけません。

購入時手数料もしっかり3%かかりますので、うかつに投資をしない
ようにしてください。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.89%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 2.03%(概算値)

本当にグローバルMaaSで大丈夫?グローバルMaaSよりはるかに優れたパフォーマンスのアクティブファンド特集

グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド『グローバルMaaS』の評価分析

基準価格をどう見る?

グローバルMaaSの基準価額は現在8,700円です。2018年の10月以降に
20%超の下落をしてしまい、未だもとの水準まで戻せていません。

MaaSというのは、将来有望なテーマだとは思いますが、ここ数年で
大きく変化が起きるというよりは5~10年後に大きく変化するものか
と思っています。

ですので、今後も基準価額がそこまで大きく成長しないのではないかと
考えています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

グローバルMaaSの直近1年間の利回りは▲8.15%となっています。
同カテゴリー内でみても下位10%に入っており、運用はまったく
うまくいっていない状況です。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲8.15% 92%
3年
5年
10年

※2019年3月時点

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、グローバルMaaSの
基準価額のブレの大きさを知るには役立ちます。

標準偏差は24.97ということで、国内の小型株ファンドよりも値動きが
激しかったことがわかります。パフォーマンスも優れず、基準価額は
上下に大きく振れるとなると投資したいと思いません。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 24.97 97%
3年
5年
10年

※2019年3月時点

年別のパフォーマンスは?

グローバルMaaSの年別のパフォーマンスを見てみましょう。

2018年は▲10.48%でした。設定初年度でマイナスの利回りになって
しまうとどうしても印象が悪くなってしまいます。

年間利回り
2018年 ▲10.48%(4-12月)
2017年

※2019年3月時点

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

グローバルMaaSへの投資を検討するのであれば、低コストのインデックス
ファンドよりもパフォーマンスが優れていなければ、投資価値がありません。

グローバルMaaSは米国株の比率が約60%程度なので、米国株の比率が60%
程度であるeMAXIS Slim 先進国株式インデックスと比較を行いました。

結果は、グローバルMaaSの惨敗です。終始、eMAXIS Slim 先進国株式
インデックスのほうがパフォーマンスで上回っていますので、高いコストを
支払ってまでグローバルMaaSに投資するメリットがありません。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

グローバルMaaSに投資をする前に、最大でどの程度下落する可能性が
あるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではグローバルMaaSの最大下落率を見てみましょう。
最大下落率は3カ月で▲22.62%となっています。まだ運用期間が短い
ので、そこまで大きな下落はおきていません。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲13.98%
3カ月 ▲22.62%
6カ月 ▲19.12%
12カ月 ▲17.02%

※2019年3月時点

評判はどう?

それでは、グローバルMaaSの評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入を見る
ことで、評判がわかります。

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪くなって
いれば、資金が流出超過になります。

グローバルMaaSは設定来、毎月ギリギリ資金の流入超過となって
います。しかし、流入額は明らかに減っており、現在はほとんど
注目されなくなっていることがわかります。

このパフォーマンスでは仕方のないことですね。


※引用:モーニングスター

グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド『グローバルMaaS』の今後の見通し

ボルボ社が2019年以降発表のすべての車をEV車にすると発表し、
国内でもトヨタとマツダが資本業務提携を発表し、EVの共同開発を
めざすと言っています。

掃除機で有名になダイソンも2020年までに電気自動車市場に参入する
と表明しましたね。このように従来の車社会は今後、劇的に変化して
いくことが予想できます。

グーグルから分社したWaymoもアリゾナ州のフェニックスで公道テスト
を始めました。

スマートフォンが私たちの世界に欠かせないツールになったように、
自動運転や自動宅配といった世界もすぐそこまで来ていることが何となく
イメージできるのではないでしょうか?

ただ、懸念点としては、アーク社のアナリストも言っているように、
自動運転が普及するのは、2020年代後半以降になるということです。

私も興味深いテーマではあると思いつつも、まだ10年程度はかかるのでは
ないかと思っています。

そうすると、MaaS関連の企業が評価され始めるには、少し時間がかかると
考えており、あえて今から投資する必要はないと考えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

自動運転のテーマは非常に面白いテーマである一方で、技術革新の波が
一般家庭に広がるまでにはまだ時間がかかるものと思っています。

当ファンドの実質コストがほぼかからないのであれば、余剰資金の一部を
長期で寝かせておいてもいいですが、毎年2%ほど手数料を取られることを
かんがえると、まだタイミングではない。というのが私の考えです。

実際に三井住友のグローバル自動運転関連株式ファンド、大和住銀のEV革命
を見ても、パフォーマンスは悲惨な結果となっています。

今は自動運転関連ファンドに投資をするよりも、超低コストのインデックス
ファンドに投資をしたほうが賢明だと思います。

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