大和住銀のEV関連株ファンドやBNYメロンのモビリティ・
イノベーションファンド
と並んで、日興アセットが新規設定
したグローバル・モビリティ・サービス株式ファンド『愛称:
グローバルMaaS』。

モビリティファンドというと、どこも全く同じように見える
のですが、組み入れ銘柄を見ていくと、それぞれこだわりを
持ってファンド設定をしていることがわかります。

今日は、グローバルMaaSについて、私が独自の目線で分析、
評価していきます。

グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド『グローバルMaaS』の基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、モビリティ・サービス関連企業です。

MaaSというのはMobility as a Serviceの略で、移動手段と
して、自動車などモノを提供する企業や、ライドシェア
リングのようななサービスを提供する企業などを含んで
います。

具体的にイメージができるようにファンドの中身を見て
いきましょう。国別で見ると、アメリカが60%超、次いで
中国となっています。

業種別で見ると、自動車・自動車部品の比率が22%と一番
高く、次いで、メディア・娯楽の比率がたかくなっています。

メディア・娯楽が上位にランクインしているのは、中国の
バイドゥやアルファベットがこの業種に組み入れられてい
るからのようです。


※引用:マンスリーレポート

グローバルMaaSは現在、42銘柄で構成されており、その
上位銘柄を見てみましょう。

1位のテスラは、自動車メーカーですが、すでに自動運転が
可能になるハードウェアが搭載されており、今後「テスラ
ネットワーク」と呼ばれる自動運転ライドシェアサービス
を運営する計画を持っています。

2位のアマゾンはあなたもご存知の会社ですね。

3位のエアロバイロメントは小型無人航空機の大手で、
米国軍に使われている小型ドローンでは最大のシェア
を誇っています。


※引用:マンスリーレポート

今後伸びしろのある技術の開発に力を入れている企業への
投資比率を高めていますね。

運用体制は?

実際の運用においては、アーク・インベストメント・マネ
ジメントが投資助言を行っています。

アーク社は2014年に設立されたニューヨークの運用会社で、
破壊的イノベーションを発掘するには、従来の伝統的なリサ
ーチ手法だけでは不十分と考え、ユニークなプロセスで調査
を行っています。

一般的な財務諸表の分析や経営者への面談だけではなく、
SNSなどで人脈を構築した大学教授、企業家などの外部の
専門家と共同で研究を行い、そのテーマについての論文を
発表します。

さらにその論文を一般公開し、広く視聴者からのフィード
バックをうけ、投資テーマについての細部まで理解をするのです。

そのため、アーク社では、「金融」と「テクノロジー」の
融合を目的に、両業界の出身者からなるアナリストチームを
擁しており、アナリストの大半がシリコンバレー出身という
非常に珍しいチーム編成になっています。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄
を入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく
減少していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期
せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

2019年はとてもパフォーマンスが優れていたにも関わらず、
純資産総額は減少の一方で、すでに400億円程度まで下落
しはじめました。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

グローバルMaaSの実質コストは1.99%です。実質コストが
2%近くあるファンドというのは、そうとうパフォーマンス
が優れていない限り、投資してはいけません。

購入時手数料もしっかり3%かかりますので、うかつに
投資をしないようにしてください。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.925%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.99%(概算値)

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド『グローバルMaaS』の評価分析

基準価格をどう見る?

グローバルMaaSの基準価額は現在8,300円程度です。

2019年は30%を超える好調っぷりでしたが、コロナ
ショックで2019年の利益をほとんど吹き飛ばしました。

ようやく10000円まで回復してきたところでしたので、
ここでの下落は痛いですね。

MaaSというのは、将来有望なテーマだとは思いますが、
ここ数年で大きく変化が起きるというよりは5~10年後に
大きく変化するものかと思っています。

ですので、今後も基準価額がそこまで大きく成長しない
のではないかと考えています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

グローバルMaaSの直近1年間の利回りは▲0.11%となって
います。とは言っても、同カテゴリー内では、上位1割に
ランクインしており、マイナスリターンではあるものの、
相対的に見ればかなり優れた結果を残しているということです。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解して
いますか?

もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいて
ください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲0.11% 5%
3年
5年
10年

※2020年4月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

標準偏差は?

標準偏差まで確認する人はあまりいませんが、グローバル
MaaSの基準価額の変動幅の大きさを知るには役立ちます。

標準偏差は27ということで、かなり高い数値にはなっていま
すが、1年前も25程度はありましたので、コロナショックだ
からといって、基準価額の変動に大きな影響があったという
わけではないようです。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 27.10 79%
3年
5年
10年

※2020年4月時点

年別のパフォーマンスは?

グローバルMaaSの年別のパフォーマンスを見てみましょう。

2019年は30%を超えるプラスとなっており、コロナショック
の影響と2018年のマイナス分を考慮してもトータルで十分
プラスとなっています。

年間利回り
2020年 ▲12.68%(1-3月)
2019年 +30.79%
2018年 ▲10.48%(4-12月)
2017年

※2020年4月時点

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

グローバルMaaSへの投資を検討するのであれば、低コスト
のインデックスファンドよりもパフォーマンスが優れてい
なければ、投資価値がありません。

また他のモビリティファンドともパフォーマスを比較して
おきたいところです。

グローバルMaaSは米国株の比率が約60%程度なので、今回
は米国株の比率が60%程度であるeMAXIS Slim 先進国株式
インデックス
と比較を行いました。

またグローバルMaaSと同じモビリティファンドである、
モビリティ関連世界株式ファンドや次世代モビリティ
オープンとも比較を行っています。

結果は、コロナショック前までは、eMAXIS Slim先進国
株式インデックスが圧倒していましたが、コロナショック
でグローバルMaaSが優位に立ちました。

モビリティ関連世界株式ファンドや次世代モビリティ
オープンは詳しく見るまでもなく、惨敗です。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

グローバルMaaSに投資をする前に、最大でどの程度下落
する可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく
下落した相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

それではグローバルMaaSの最大下落率を見てみましょう。
最大下落率は3カ月で▲22.62%となっています。まだ運用
期間が短いので、そこまで大きな下落はおきていません。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまう
かもしれません。しかし、以下のことをしっかり理解して
おけば、元本割れの可能性を限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲14.67%
3カ月 ▲22.62%
6カ月 ▲19.12%
12カ月 ▲17.87%

※2020年4月時点

評判はどう?

それでは、グローバルMaaSの評判はどうでしょうか?

ネット等で口コミを調べることもできますが、資金の流出入
を見ることで、評判がわかります。

評判がよければ、資金が流入超過になりますし、評判が悪く
なっていれば、資金が流出超過になります。

グローバルMaaSは2019年以降パフォーマンスが好調になる
につれて、資金流出が続いています。この現象はどうとらえ
るか悩ましいところですが、

直近までeMAIXS Slim 先進国株式インデックスがパフォー
マンスで勝っていたため、このような結果になっている
ものと思われます。

 


※引用:モーニングスター

グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド『グローバルMaaS』の今後の見通しと評価まとめ

いかがでしたでしょうか?

2019年以降のパフォーマンスを見ると、インデックス
ファンドと拮抗してはいるものの、決して悪くはあり
ません。

ただ、これだけ資金の流出が続いているのは、高コスト
の割にたいした成果が得られていないという結果なの
かもしれません。

自動運転のテーマは非常に面白いテーマである一方で、
技術革新の波が一般家庭に広がるまでにはまだ時間が
かかると思っています。

当ファンドの実質コストがほぼかからないのであれば、
余剰資金の一部を長期で寝かせておいてもいいですが、
毎年2%ほど手数料を取られることをかんがえると、
まだタイミングではない。というのが私の考えです。

実際に三井住友のグローバル自動運転関連株式ファンド
大和住銀のEV革命を見ても、パフォーマンスは悲惨な結果
となっています。

今は自動運転関連ファンドに投資をするよりも、超低
コストのインデックスファンドに投資をしたほうが
賢明だと思います。