2016、2017年と苦戦が続いていたJ-REITが2018年には息を吹き返しており、
一度は去っていった投資家が戻りつつあります。

やはり少額から不動産に投資できて、かつ自分では絶対購入できないような
大型の不動産にも分散投資ができる点は、魅力的です。

一方で、J-REITならどれもそうは変わらないということで、何も考えずに
投資をしてしまっている人が目立ちます。

今日は、DIAM J-REITオープン(毎月決算コース)『愛称:オーナーズ・インカム』
について徹底分析していきます。

DIAM J-REITオープン『オーナーズ・インカム』の基本情報

投資対象は?

オーナーズ・インカムは東証REIT指数に採用されているJ-REITに投資をしていきます。
J-REITについてはもうご存知の方が多いと思いますが、日本の不動産投資信託証券のことで、
投資家から集めた資金を不動産等で運用し、そこから得られる賃貸収入や売買益を
投資家に分配していきます。

REITの魅力は何と言っても、少額から不動産に投資ができると言う点です。
私も不動産を保有していますが、数千万の買い物ですので、気軽にはできません。

その点、REITであれば、十万程度で投資できるものもありますので、
リスクを取りたくない人にとってはおすすめでしょう。

現在の組入銘柄数は48銘柄となっており、日本のREITは約60銘柄であることを考えると
約8割くらいの銘柄をカバーしていることになります。

純資産総額は?

続いて、オーナーズ・インカムの純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで売買できなかったり、
コストが嵩みますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

オーナーズ・インカムの純資産総額は、現在860億円程度となっています。
一時期は1500億円を超える巨大ファンドでしたが、毎月分配型ということで
風当たりも資金の流出が止まりません。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

オーナーズ・インカムの実質コストは1.12%となっており、カテゴリー内で見ると、
割安となっています。

ただ、後述しますが、インデックスファンドにパフォーマンスで負けているだけでなく、
購入時手数料もかかるということで、正直投資する理由は見当たりません。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.08%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.12%(概算値)

※169期 運用報告書(決算日2018年7月17日)より

DIAM J-REITオープン『オーナーズ・インカム』の評価分析

基準価額の推移は?

オーナーズ・インカムの基準価額は、2016年から大きく下落して、
2018年には横ばいとなっています。

分配金を再投資したときの基準価額(青線)は2018年に入ってから
上昇していることから、分配金が過剰に払い出されていることがわかります。

利回りはどれくらい?

オーナーズ・インカムの利回りを見てみましょう。
直近1年間の利回りは+12.06%となっています。

5年平均利回りが5%、10年平均利回りが8%超となっており、
REITであれば、これくらいのパフォーマンスで十分でしょう。

ただ、よく見ると、カテゴリーランキングが圧倒的に下位のほうにいますので、
もっとパフォーマンスの良いJ-REITがたくさんあることがわかります。


※2018年10月時点

四半期別のパフォーマンスは?

オーナーズ・インカムの四半期別の運用パフォーマンスも下に載せておきます。
プラスの年とマイナスの年が今後に来ています。

類似ファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、類似ファンドとのパフォーマンスを
比較してから投資をしても遅くはありません。

今回は、J-REITのインデックスファンドで代表的なニッセイ Jリート インデックス
ファンドとオーナーズ・インカムを比較してみました。

結果は、ニッセイ Jリート インデックスファンドの圧勝です。
これでは、あえてオーナーズ・インカムに投資をする理由がありませんね。

最大下落率は?

投資するのであれば、ファンドがどの程度下落する可能性があるのかは
知っておきたいところです。

もちろん標準偏差から変動幅を予測することはできますが、やはり過去に
どの程度下落したことがあるのかを調べるのがよいでしょう。

オーナーズ・インカムは2007年11月~2008年10月までの間に最大▲50.71%
下落しています。

注意しておいてほしいのは、J-REITでも大きく下落するときは下落する
ということです。決してパニック売りしないように気を付けてください。

分配金の推移は?

オーナーズ・インカムは毎月50円の分配金を出し続けています。
分配金余力は150カ月以上ありますので、当面減配されることはなさそうです。

ただ、基準価額に対する分配金の割合を示す分配金利回りが12%を超えており、
ファンドの収益力をはるかにうわまわっていますので、基準価額の下落には
歯止めがかからないでしょう。

評判はどう?

オーナーズ・インカムの評判はネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、
評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけオーナーズ・インカムを
解約している人が多いということなので、評判が悪くなっているということです。

オーナーズ・インカムは、2017年から毎月資金の流出がしており、
2018年はパフォーマスが回復しているにもかかわらず、資金の流出が続いています。

DIAM J-REITオープン『オーナーズ・インカム』の今後の見通し

短期的にJ-REIT市場は、米中の貿易摩擦問題や、世界的な株安の影響を受けて、
不安定な状況が続くことが予想されます。

しかし、中長期的には、日銀による金融緩和施策が長期化していくことが
予想されており、リートの相対的に高い配当利回りは投資家にとっても
魅力的であると思います。

ただし、ニッセイ Jリートインデックスファンドとの比較でもあったように、
高いコストを払っているにもかかわらず、インデックスファンドに
パフォーマンスで負けてしまっています。

かつ、購入時手数料を考慮すると、さらに大きく差が開きます。
ここからも、J-REITに投資をすることは否定しませんが、
あえてオーナーズ・インカムに投資をする理由は見つかりません。