世界の高配当利回り公益株に投資するファンドの先駆的存在として、
圧倒的な人気を集めたピクテ・グローバル・インカム株式ファンド
です。

2007年に純資産総額が2兆円を超えて以来、下落の一途をたどって
いましたが、2019年に入り、また人気が出始めています。

直近では、基準価額の下落も止まっており、毎月50円の分配金を
安定的に出していることから、安心している投資家もいるかも
しれませんが、本当に安心していて大丈夫なのでしょうか?

今日はピクテ・グローバル・インカム株式ファンドについて
しっかり分析していきたいと思います。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配)の基本情報

投資対象は?

投資対象は世界の高配当利回りの公益株(電力、ガス、水道、電話、
通信、運輸、廃棄物処理、石油供給などの企業)に投資を行い、
特定の銘柄や国に集中せずに分散投資を行います。

公益企業というのは、日常生活に不可欠なサービスであり、
そのため景気の良し悪しに左右されにくく、収益基盤が相対的に
安定するのが特徴の一つです。

現在、組み入れ銘柄は60銘柄で、組み入れ銘柄の予想平均配当
利回りは4.0%となっています。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少している
と、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む
可能性がありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配)は、2008年に
2兆円という巨額の資金が集まっていましたが、徐々に純資産総額を
減らし、現在は7000億円規模となっています。

規模としては、全く問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配)の実質コストは
1.779%となっており、購入時手数料も高く、積極的におすすめできる
商品ではありません。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.78%(税込)
信託報酬 1.788%(最大)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.779%(税込)

※引用:運用報告書

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドよりはるかに優れた海外株式ファンド特集

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配)の評価分析

基準価額をどう見る?

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの直近の基準価額の動向
を見てみましょう。

2016年の基準価額4200円程度でしたが、現在では3100円ほどまで
下落しています。下落の要因は過剰な分配によることは明らかですね。

2018年~2019年にかけては運用がうまく行っており、分配金再投資の
基準価額(青線)を見ると、右肩上がりに上昇していることがわかり
ます。

ただ、それでも基準価額(橙)は下落していますので、パフォーマンスが
悪化したら、基準価額が急落することを意味しています。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの利回を見てみましょう。

直近1年間の利回りは+10.60%となっています。3年、5年、10年
平均利回りでは、安定的なプラスのリターンを出しています。

ただ、カテゴリー内の順位を見ると、他の同類ファンドと比べて、
かなりパフォーマンスで劣っています。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 10.60% 8%
3年 6.89% 80%
5年 3.01% 69%
10年 5.94% 90%

※2019年7月5日時点

標準偏差は?

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの標準偏差を見てみると、
同カテゴリー内では非常に優れていることがわかります。

安定したリターンを追求しているため、利回りは高くありませんが、
基準価額のブレは小さく抑えられていますね。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのは
ご存じでしょうか?

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 11.05 3%
3年 9.96 4%
5年 10.83 3%
10年 13.22 9%

※2019年7月5日時点

年別のパフォーマンスは?

続いて、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドの直近5年間の
年別のパフォーマンスを見てみましょう。

標準偏差が小さいことから、安定的にプラスのリターンを出して
いるかと思いきや、マイナスの年も多いことがわかります。

リターンを追求するのであれば、いまいちであることがわかります。

年間利回り
2019年 12.97%(1-6月)
2018年 ▲4.55%
2017年 8.53%
2016年 ▲0.34%
2015年 ▲10.07%
2014年 22.50%

※2019年7月5日時点

最大下落率は?

投資を検討するのであれば、基準価額がどの程度下落する可能性が
あるのは知っておきたいところです。

標準偏差からある程度は予測できますが、最大下落率を直接確認した
ほうがイメージがわきますね。

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドは2008年1月~2008年12月の
間に最大▲46.52%も下落しています。

株式ファンドですので、最大下落率はどうしても大きくなりがちです。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲20.27%
3カ月 ▲34.60%
6カ月 ▲39.34%
12カ月 ▲46.52%

※2019年7月5日時点

分配金の推移と分配金余力は?

分配金の推移を見てみると、2014年ごろから毎月50円の分配を
維持しています。

直近はそこそこ運用がうまく行っていたため、分配金余力が大きく
減少することはありませんでしたが、分配金余力は約22カ月なので、
そろそろ注意が必要な水準にまで来ています。

基準価額に対する分配金の割合を示す分配金利回りは約18%となっており、
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配)にとっては、
かなり過剰な分配を行っていることになります。

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
162期 50円 1,119円
163期 50円 1,124円
164期 50円 1,127円
165期 50円 1,131円
166期 50円 1,134円
167期 50円 1,140円

評判はどう?

では、かなり苦しい運用が続いているピクテ・グローバル・インカム
株式ファンドですが、評判はどうなのでしょうか?

こちらに月次の資金流出入額を載せました。資金流出入額というのは、
このファンドの人気度、評判をはかる指標であり、流出=人気がない、
評判が悪い。流入=人気がある。評判がいい。ということになります。

2018年以降は、パフォーマンスが悪くないので、資金が流入超過と
なっています。ただ、私からすると、ここまで資金が流入する根拠が
わかりません。

目先のパフォーマンスの良さだけで、投資信託を買うと最終的に
良い買い物にならないことが多いので、注意してください。


※引用:モーニングスター

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配)の今後の見通し

米国では利下げの観測が強まる中で、一時的に株価が上昇して
います。しかし、未だ市場の不透明感は高く、今後もリスク回避の
動きから市場の値動きが大きくなることが予想されます。

また、今まで、毎月50円の分配金を出していますが、分配利回りが
18%と高すぎて、運用がうまく行かなくなると同時に大きく基準価額が
下落することが予想されます。

分配余力も約22か月とそろそろ危険水域に到達しますので、今後の流れ
としては、適正な分配金の水準である10~12円/月に近づいていくもの
と思われます。

ただ、運用会社としては、分配金を引き下げると資金の流出が起きます
ので、できるだけ下げたくないというのが本音です。

そのため、分配金の引き下げは後手後手に回ることが多く、その結果、
分配金のうち、運用リターンで賄いきれなかった分、基準価額の下落が
続くでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

安定的に分配金が支払われていると、どうしてもファンドについて詳しく
調べたりしなくなってしまいます。

しかし、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンもそろそろ50円の配当は
限界で、減配が行われると思いますので、それを期に、真に優れた投資信託
にスイッチングすることも検討の余地があると思います。

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