大和証券投資信託が設定するロボット・テクノロジー関連株
ファンド『ロボテック』。

この投資信託が投資対象とするロボティクス関連企業の株式は、
AIやヘルスケアと並んで投資家に人気のテーマのひとつであり、
依然として資金流入も好調です。

今日は、ロボテックについて徹底的に分析していきたいと思います。

ロボット・テクノロジー関連株ファンド『ロボテック』の基本情報

投資対象は?

ロボテックの投資対象は、日本を含む世界のロボット関連企業の
株式に投資をします。

ロボット関連企業とは、ロボット・テクノロジーの開発や製造など
により、ビジネスを展開する企業です。

もう少し具体的な例を出すと下図のようなビジネスを展開する企業
ですね。

少子高齢化による労働力不足、高成長を続ける新興国の労働力代替、
医療技術発展への寄与など、ロボット技術の成長への期待と需要は
年々高まっており、ロボット製品を提供する企業の株式は大変有望です。

このような銘柄を投資対象とすることは、時宜を捉えていると
言えるでしょう。

※引用:交付目論見書2018年10月版

ロボテックの組入銘柄数は約60銘柄で、上位銘柄を見てみると、
ほとんどがアメリカの企業となっており、わずかに日本とドイツ
の企業がランクインしています。


※引用:マンスリーレポート2018年10月

運用の特徴は?

ロボテックの実質的な運用者は、フランスの大手保険系運用会社
であるアクサ・インベストメント・マネージャーズです。

同社はグローバル株式運用に定評があります。

ところが残念なことに、ロボテックは昔ながらの非効率かつ高コスト
な設計のファンドです。

ロボテックはアクサ・インベストメント・マネージャーズが運用する
「アクサIM・グローバル・ロボット関連株式ファンド(為替ヘッジ無し)
(適格機関投資家専用)」にほぼ100%投資し、そこからマザーファンド
を通じて運用対象の株式を買い付けています。

※引用:交付目論見書2018年10月版

これならば、「アクサIM・グローバル・ロボット関連株式ファンド」
を公募ファンド化して投資家はそれを買い付けるようにすればコスト
の大幅な削減につながります。

しかし、このような二重構造にした理由は設定当初の最大の販売会社

である大和証券の思惑が働いているように思えます。

すなわち、投資家とアクサ・インベストメント・マネージャーズとの
間に大和証券系列の運用会社を挟むことで、投資家から報酬を中抜き
してグループ全体の利益を最大化しようとしているのです。

純資産総額は?

続いて、ロボテックの純資産総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額
だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替
えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ロボテックの純資産残高は2015年の設定以来、右肩上がりに上昇して
いましたが、2018年に入ってからはパフォーマンスが優れず、ついに
資金の流出が起きています。それでも、3300億円ほどはありますので、
十分おおきなファンドです。


※引用:マンスリーレポート2018年10月

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ロボット・テクノロジー関連株投資信託『ロボテック』の実質コストは
1.783%となっており、カテゴリーの中では、平均的な水準です。

ただ、上述の通り、理解しがたい二重構造になっていることにより、
投資家としてはコスト増になってしまっています。

投資信託の手数料は安ければ安いほどいいという勘違い

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.782%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.783%(概算値)

※引用:第6期 運用報告書(2018年9月13日)

ロボテックもいいけれど、、、10年以上圧倒的なパフォーマンスを出し続けているアクティブファンド特集

ロボット・テクノロジー関連株ファンド『ロボテック』の評価分析

基準価格をどう見る?

ロボット・テクノロジー関連株投資信託『ロボテック』の基準価額は
現在、11,800円程度です。

2018年は1月末に大きく下落し、少し取り戻してきたタイミングで、
10月にまた大きく下落してしまい、元の水準まで戻すのには少し時間
がかかりそうです。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ロボテックの直近1年間の利回りは▲9.31%となっています。

設定から時間が経っていないため、まだ長期の利回りはわかりませんが、
2018年はかなり厳しい結果で終わりそうです。

ここまで調子がよかっただけに一休みといったところでしょう。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲9.31% 78%
3年
5年
10年

※2018年11月時点

標準偏差は?

ロボテックの標準偏差を見てみると、同カテゴリーの中では下位1割
に入っています。

パフォーマンスも大した成果は残せていないのに加え、価格の変動
まで大きいとなると、ロボテックに投資をしたいとは思えませんね。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 17.26 93%
3年
5年
10年

※2018年11月時点

年別のパフォーマンスは?

ロボテックの四半期別のパフォーマンスを見てみましょう。
2016円、2017年は十分な結果を残しています。

2018年は10-12月期がかなり厳しい結果となるのが見えています
ので、マイナスで終わる可能性が高いです。

年間利回り
2018年 3.28%(9月末時点)
2017年 36.22%
2016年 7.36%
2015年
2014年

※2018年11月時点

類似ファンドとのパフォーマンス比較

つづいて、ロボット関連企業に同じく投資しているファンドと
パフォーマンスを比較してみましょう。

今回は、iTrust ロボとパフォーマンスを比較してみました。

結果はロボテックが10%ほど負け越しています。こうなってくると、
ロボテックに投資をする魅力が減りますね。

※引用:モーニングスター

分配金の推移は?

ロボテックの分配金の推移を見てみましょう。

パフォーマンスが良かった2017年~2018年にかけては、300円超の
分配金が年2回出ています。

しかし、2018年はかなりパフォーマンスも優れていないことから、
分配金には大きく影響してきそうですね。

また、このブログでは何度も言っていますが、分配金は受け取らずに
再投資したほうが投資効率は確実に高くなります。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2018年 300円
2017年 1,250円
2016年

※2018年11月時点

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知る
うえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入
している人が多いということなので、評判がいいということです。

ロボテックは、2018年頭までは順調に資金流入が続いていましたが、
パフォーマンスの悪化とともに、直近では資金が流出超過となって
います。

そのため評判がどんどん悪くなっていることがわかりますね。


※引用:モーニングスター

ロボット・テクノロジー関連株ファンド『ロボテック』の今後の見通し

すでに日本や米国の株価バリュエーションは相当に高い水準に
あると考えられることから、「ロボテック」に限らず株式型の
ファンドはこれまでのような伸びは期待できないと考えます。

また、米中貿易戦争などの政治リスクによる突発的な暴落も気がかりです。

しかし、ロボティクス技術は今後の世界的な課題を解決する手段の
ひとつとして、まだまだ需要があり、本ファンドが投資する企業の
業績も順調に伸びるものと予想します。

よって、仮に株式市場に「○○ショック」のような事態が生じて
大幅に下落したとしても、「ロボテック」が投資するような銘柄の
下値圧力は限定的であり、ダウンサイドリスクに強いファンドとして
機能すると考えます。

コストとファンドのストラクチャーについては疑義があるものの、
「ロボテック」のテーマについてはポジティブに捉えられます。

パフォーマンスも優れず、いったんは様子見というスタンスですが、
今後に期待したいファンドですね。

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