大和証券投資信託が設定する「ロボット・テクノロジー関連株ファンド -ロボテック-」。

本ファンドが投資対象とするロボティクス関連企業の株式は、
AIやヘルスケアと並んで投資家に人気のテーマのひとつであり、
依然として資金流入も好調です。

今日は、ロボテックについて徹底的に分析していきたいと思います。

ロボット・テクノロジー関連株投資信託「ロボテック」の基本情報

投資対象は?

投資対象は、日本を含む世界のロボット関連企業の株式に投資をします。

ロボット関連企業とは、ロボット・テクノロジーの開発や製造などにより、
ビジネスを展開する企業です。

もう少し具体的な例を出すと下図のようなビジネスを展開する企業ですね。

少子高齢化による労働力不足、高成長を続ける新興国の労働力代替、
医療技術発展への寄与など、ロボット技術の成長への期待と需要は
年々高まっており、ロボット製品を提供する企業の株式は大変有望です。

このような銘柄を投資対象とすることは、時宜を捉えていると言えるでしょう。

組入銘柄数は約80銘柄で、上位銘柄を見てみると、アメリカ、日本、
ドイツの企業が上位にランクインしています。

運用の特徴は?

本ファンドの実質的な運用者は、フランスの大手保険系運用会社である
アクサ・インベストメント・マネージャーズです。

同社はグローバル株式運用に定評があります。
ところが残念なことに、「ロボテック」は昔ながらの非効率かつ高コストな
設計のファンドです。

「ロボテック」はアクサ・インベストメント・マネージャーズが運用する
「アクサIM・グローバル・ロボット関連株式ファンド(為替ヘッジ無し)
(適格機関投資家専用)」にほぼ100%投資し、そこからマザーファンドを
通じて運用対象の株式を買い付けています。

これならば、「アクサIM・グローバル・ロボット関連株式ファンド」を
公募ファンド化して投資家はそれを買い付けるようにすればコストの大幅な
削減につながるのですが、このような二重構造にした理由は設定当初の
最大の販売会社である大和証券の思惑が働いているように思えます。

すなわち、投資家とアクサ・インベストメント・マネージャーズとの間に
大和証券系列の運用会社を挟むことで、投資家から報酬を中抜きして
グループ全体の利益を最大化しようとしているのです。

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額
だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を
入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

「ロボテック」の純資産残高は2015年の設定以来、右肩上がりに
純資産を増やしており、現在、4175億円と、良好な水準です。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ロボット・テクノロジー関連株投資信託「ロボテック」の実質コストは
1.782%となっており、カテゴリーの中では、平均的な水準です。

ただ、上述の通り、理解しがたい二重構造になっている
ことにより、投資家としてはコスト増になってしまっています。

購入時手数料 3.24%(税込)
信託報酬 1.782%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.782%(概算値)

ロボット・テクノロジー関連株投資信託「ロボテック」の評価分析

基準価格をどう見る?

ロボット・テクノロジー関連株投資信託「ロボテック」の基準価額は
現在、12,991円です。

数字だけ見れば決して悪い水準ではありませんが、トータルリターンや
シャープレシオなどの運用パフォーマンスを類似のファンド、例えば
日興アセットマネジメントの「グローバル・ロボティクス株式ファンド」や
ピクテの「iTrustロボ」などと比較すると、指標によっては
やや見劣りする感は否めません。

なお、このテーマのファンドでは、日本株の上昇が外国株式を
アウトパフォームしていたことと為替動向を主因に、総じて
グローバル株式よりも円投資型や日本株式限定タイプの方がパフォーマンスは良好です。

利回りはどれくらい?

直近1年間の利回りは17.81%と十分な利回りとなっています。

設定から時間が経っていないため、まだ長期の利回りはわかりませんが、
ファンド設定来40%ほどのリターンを出していますので、コストは
高いですが、悪くはないパフォーマンスとなっています。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額でしょう。

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が
多いということなので、評判がいいということです。

当ファンドは、2016年以降、毎月100億円規模で資金流入があり、
非常に人気があります。

やはりロボットに可能性を感じている投資家が多いということですね。

ロボット・テクノロジー関連株投資信託「ロボテック」の今後の見通し

すでに日本や米国の株価バリュエーションは相当に高い水準にある
と考えられることから、「ロボテック」に限らず株式型のファンドは
これまでのような伸びは期待できないと考えます。

また、米中貿易戦争などの政治リスクによる突発的な暴落も気がかりです。

しかし、ロボティクス技術は今後の世界的な課題を解決する手段のひとつとして、
まだまだ需要があり、本ファンドが投資する企業の業績も順調に伸びるものと予想します。

よって、仮に株式市場に「○○ショック」のような事態が生じて大幅に下落したとしても、
「ロボテック」が投資するような銘柄の下値圧力は限定的であり、
ダウンサイドリスクに強いファンドとして機能すると考えます。

まとめ

コストとファンドのストラクチャーについては疑義があるものの、
「ロボテック」のテーマについてはポジティブに捉えられます。

コストを許容できるとお考えであれば、「ロボテック」への投資は
検討してみる価値があると思います。