しんきんアセットマネジメントが運用するしんきんJリートオープン(毎月分配型)。
運用会社であるしんきんアセットマネジメントは信用金庫の元締めである
信金中央金庫の子会社です。そのため、しんきんJリートオープン(毎月分配型)は
信用金庫でしか購入できません。

もともと毎月分配型のJリートファンドは問題のあるものが多いのですが、
本ファンドもなかなか酷い分類に入ります。

今日は、徹底的に分析していきたいと思います。

しんきんJリートオープン(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

投資対象はファンド名のまま、日本国内のリートです。
現在の組入銘柄は57銘柄となっており、上位は下図のようになっています。


※2018年9月時点

純資産総額は?

続いて、純資産総額はどうなっているか見てみましょう。純資産総額というのは、
あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

しんきんJリートオープン(毎月分配型)の純資産額は2,460億円となっています。
投資信託を積極的には販売していない信用金庫だけで、ここまでの水準になる
というのが驚きです。

同ファンドの年一回決算型の純資産総額は82億円程度に留まっていることから、
高分配・毎月分配を謳い文句に無知な高齢者にセールスしていることが予想できます。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

しんきんJリートオープン(毎月分配型)の実質コストは1.048%となっています。
後述しますが、インデックスファンドよりもパフォーマンスが悪い癖に
高いコストを取るのは最悪ですね。

購入時手数料 2.16%(税込)
信託報酬 1.026%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 1.048%(概算値)

※第159期 運用報告書(決算日2018年7月20日)より

しんきんJリートオープン(毎月分配型)の評価分析

基準価額をどう見る?

しんきんJリートオープン(毎月分配型)の基準価額は5,137円と
3年間で約20%ほど下落しています。これは過剰な分配を続けているからです。

分配金再投資の基準価額(青線)を見ると、7500円~8000円を推移しており、
直近3年間では、運用がうまくいっていないことがわかります。

利回りはどれくらい?

直近1年のトータルリターンは、+7.47%です。5年平均利回り、10年平均利回りも
7%超となっており、国内REITであれば、悪くないようにも見えます。

しかし、カテゴリー内のランキングをみてもわかるように、
パフォーマンスは常に半分以下となっています。

つまりもっとパフォーマンスのよい国内REITがたくさんあるということです。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

※2018年9月時点

アクティブファンドを選ぶときは、まずインデックスファンドにパフォーマンスで
勝っているかを確認することは必須です。

そこで、REITカテゴリーで低コストのニッセイJリートインデックスファンド
パフォーマンスを比較してみました。

3年間のリターンで比較すると、ニッセイJリートインデックスファンドに
負けていることがわかります。

これでは、高いコストを支払って、アクティブファンドに投資をする意味がありませんね。

四半期別運用パフォーマンス

毎年のパフォーマンスがどうだったのかも気になるところだと思いますので、
載せておきます。参考にしてください。

 

分配金の推移は?

本ファンドの月当たり分配金は、ここ3年半ほど75円で一貫しています。
問題は、その中身です。75円の分配金のうちファンドの収益で賄っている金額は10~20円。
残りの差額はすべてファンドから取り崩しているという有様です。

分配金余力はまだ90カ月超あるので、減額される可能性は低いですが、
基準価額に対する配当金の割合を示す分配利回りが約17%となっており、
明らかにファンドの収益力を上回っていますので、基準価額の下落は避けられないでしょう。

評判どう?

しんきんJリートオープン(毎月分配型)の評判はネットでの書き込みなどで調べる方法も
ありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流入しているということは、それだけしんきんJリートオープン(毎月分配型)を
購入している人が多いということなので、評判が良いということです。

本ファンドは、ほぼ毎月資金が流入していることから、人気が高いことは間違いありませんが、
これは間違いなく無知な信用金庫の顧客がよくわからないまま購入しているからだと考えられます。

ほとんど自分の投資した資金が分配で戻ってきているだけなのですが、
それに気づかず、投資している人がほとんどでしょう。

しんきんJリートオープン(毎月分配型)の今後の見通し

まず、Jリートについて述べます。

すでにJリートのバリュエーションは米国のリートと比較しても相当に高いと言われており、
巨額の資金を運用する機関投資家はほとんど新規投資を行っておらず、日本銀行がETFを
購入している程度です。

また、Jリートが投資対象としているオフィスビルなどは供給過剰気味と併せて賃料が
高騰していることから、今後はテナントである一般企業の一段の業績回復が鮮明化しない限り
一段高は期待できないと考えられます。

しかしながら信用金庫向けという特質を持つ本ファンドについては、販売員にも投資家にも
そのような理屈は通用しないと思います。

基準価額は下がる一方だと思いますが、高い分配額だけを理由に残高は堅調に推移するでしょう。

しんきんJリートオープン(毎月分配型)に投資するくらいであれば、
ニッセイJリートインデックスファンドに投資をしたほうがよほど堅実に資産を増やすことができます。