新規設定から30年超、未だに700億円近くの純資産総額が
あり、根強い人気のある三井住友DSアセットのトヨタ自動車
/トヨタグループ株式ファンド。

世界のトヨタグループのファンドであるがゆえに、人気も
落ちないわけですが、分析してみると色々気になる点が出て
きました。

今日は、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドについて
徹底的に分析していきます。


トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの基本情報

投資対象は?

投資対象は、トヨタグループ株式マザーファンドへの投資
を通じて、トヨタ自動車およびそのグループ会社の株式で
東証第一部に上場している株式を対象とします。

また投資比率はトヨタ自動車の株式が約50%、残りの50%で
グループ会社の株式に投資をしていきます。


引用:マンスリーレポート

トヨタ自動車のグループ会社なので当然といえば当然ですが、
組入銘柄は下図のように車のパーツを作っている企業が組入ら
れています。現在は18銘柄で構成されています。

純資産総額は?

続いて、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの純資産
総額はどうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた
資金の総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄
を入れ替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少
していると、ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬ
マイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドは2007年頃から
700億円近辺をうろうろしています。現在は約680億円で
あり、規模としては全く問題ありません。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬
以外に、株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用など
が含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より
高くなるのが、通例で、実際にかかる実質コストをもとに
投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの実質コスト
は0.801%となっており、比較的低コストとなっています。

これは銘柄の入れ替えがほとんど起こらないためですね。

購入時手数料 1.65%(税込)※上限
信託報酬 0.759%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 0.801%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの評価分析

基準価額をどう見る?

トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの基準価額は
2018年1月に大きく下げて以来、完全に下落トレンドに
入ってしまっており、当面、もとの水準まで戻すのには
相応の時間を要するでしょう。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの直近1年間の
利回りは▲10.01%となっています。マイナスではあるもの
の、同カテゴリー内では、上位10%に入っているので、
運用がまるっきりうまくいっていないわけではありません。

10年平均利回りでも、同カテゴリー内で上位10%に入る優れた
結果を残していますが、運用にムラがあるのが気になりますね。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 ▲10.01% 16%
3年 ▲2.92% 22%
5年 ▲4.40% 84%
10年 +6.06% 12%

※2020年4時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している国内大型株式ファンドランキング

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを比較するときに
役立ちます。

トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドは平常時は17程度
ですが、コロナショックの影響で、1.5倍程度にまで上昇して
います。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じで
しょうか?

まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいて
くださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 23.94 90%
3年 19.21 85%
5年 22.31 85%
10年 22.47 85%

※2020年4月時点

年別のパフォーマンスは?

では、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの年別の
パフォーマンスを見てみましょう。

直近4年ほどはかなり大きく値動きしており、プラスにも
マイナスにも2桁で推移しています。

せっかく大きなプラスを出しても翌年にはそれを相殺する
レベルのマイナスを出してしまっており、これでは投資家
としても安心して投資ができません。

年間利回り
2020年 ▲21.84%(1-3月)
2019年 +17.32%
2018年 ▲19.38%
2017年 +17.67%
2016年 ▲5.41%
2015年 +4.70%
2014年 +14.77%

※2020年4月時点

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

アクティブファンドに投資をするのであれば、低コストの
インデックスファンドよりパフォーマンスが優れているか
事前に確認することが重要です。

今回は、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドと、
ニッセイ日経225インデックスファンドを比較してみました。

結果は、ニッセイ日経225インデックスファンドの圧勝です。
この結果は中長期で比較をしてみても、変わりませんので、
これでは、高いコストを払ってまでトヨタ自動車/トヨタ
グループ株式ファンドに投資をするメリットが全くありません。


※引用:モーニングスター

トヨタグループ株式F ニッセイ 日経225
1年利回り ▲10.10% ▲8.93%
3年平均 ▲2.92% +1.88%
5年平均 ▲4.40% +1.43%
10年平均 +6.06% +7.21%

※2020年4月時点

最大下落率はどれくらい?

投資するにあたって、最大どの程度下落する可能性があるのか
知っておくことは非常に重要です。

結局、多くの人が、大きな下落を経験すると、もうこれ以上は
損をしたくないと思い、基準価額が大きく下がったタイミングで
売却してしまうのです。

トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの最大下落率は、
リーマンショック時で▲56.85%となっています。

100年に一度と言われたリーマンショックの時期なので、また同じ
レベルの下落は来ないと思いますが、これくらいの下落はあり得ると
思っておいたほうがよいかと思います。

下落したタイミングで売らなければ、しっかり挽回できますので、
事前に想定しておくことは重要です。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

期間 下落率
1カ月 ▲20.74%
3カ月 ▲41.44%
6カ月 ▲50.25%
12カ月 ▲56.85%

※2020年4月時点

分配金の推移は?

トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドは毎年11月に分配金が
支払われており、直近5年間は400円前後の金額が分配されています。

利回りにして2.5%程度ですので、持続できるレベルの安定した
分配金と言えるでしょう。

このブログでは何度も言っていますが、分配金は受け取らずに
再投資したほうが投資効率は確実に高くなります。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金
2020年
2019年 610円
2018年 410円
2017年 560円
2016年 350円
2015年 400円

※2020年4月時点

評判はどう?

トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの評判はネットでの
書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番
役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけこのファンドを解約
している人が多いということなので、評判が悪いということです。

トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドは流入超過の月と流出超過の
月が交互になっていますが、資金流出の金額のほうが大きくなっています。

いくら世界のトヨタと言っても、インデックスファンドに勝てないような
パフォーマンスでは、投資する価値がありませんね。


※引用:モーニングスター

トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの今後の見通しと評価まとめ

いかがでしょうか?

30年以上の長期にわたって運用がされているファンドは
珍しく、未だ700億円規模の純資産があるというのは、
さすがトヨタと言えます。

ただ、ひと昔前とはファンドのコストの状況も大きく
変わる中で、未だに高コストの運用がなされています。

ファンドの運用を始めると、リターンのみが気になり、
コストを気にすることがなくなってしまいますが、
3~4倍高いコストを支払っている可能性があります。

また、さきほども言いましたが、インデックスファンドの
パフォーマンスに負けているようなアクティブファンドには
投資をしてはいけません。というより投資する意味がありません。

また、そもそも論として、トヨタ関連株式は、トヨタ自動車
の株式の値動きに引きずられる傾向があります。

投資信託の魅力のひとつは、分散投資によるリスクヘッジ
ですが、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドにおい
ては、その恩恵をほぼ受けられません。

トヨタ株が下がれば他も軒並み下がりますし、トヨタ株が
上がれば、引きずられて上昇します。

であれば、直接トヨタ自動車の株式を購入して保有したほうが、
手数料もかかりませんし、よほどお勧めです。