新興国はハイリスク・ハイリターンの投資先として多くの投資家から
注目を集めています。新興国株式ファンドもすでに色々と出ていますが、
アセットマネジメントOneから、最近また新しいファンドが出ました。

 

果たして、どのようなファンドなのでしょうか?今日は、私が独自の目線で
分析していきたいと思います。

 

 

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』の基本情報

投資対象は?

まず投資対象は、新興国の株式または事業活動の主要な部分を新興国で
行う企業です。

 

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』での
ハイクオリティ企業というのは、持続可能な競争優位性を持ち、高成長が
期待できる割安企業のことを指します。

 

地域別で見てみると、中国が約50%、次いでインド、アメリカと
なっています。

 

なぜアメリカが?と疑問に思ってしまいますが、これは他に有望な
銘柄がなかったため一時的に組入ているのではないかと思います。

 


※引用:マンスリーレポート

 

現在、組み入れ銘柄は33銘柄となっており、1位のHDFC BANKはインドの
民間銀行最大手。

 

2位のTAL EDUCATION は数学等の理系を中心とした教育サービスを
中国の主要都市で展開する企業です。

 

3位のEPAM SYSTEMSはソフトウェア開発を手掛けるITサービス会社です。

 


※引用:マンスリーレポート

 

運用体制は?

実際の運用はモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントが
行います。

 

モルガン・スタンレー・インベストメントは1975年に設立され、
世界20か国で、株式・債券等の伝統的資産運用を世界の投資家に
提供しています。

 

純資産総額は?

続いて、未来の世界(新興国)の純資産総額はどうなっているか見てみましょう。
純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと
思ってください。

 

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

 

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』の
現在の純資産総額は約1300億円です。設定以来、急速に純資産を
伸ばしており、一時期2000億円を越える規模にまでなっていましたが、
2018年以降はパフォーマンスが悪化したことにより下落傾向です。

 

純資産総額の規模は問題ありませんね。


※引用:マンスリーレポート

 

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

 

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければ
なりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

 

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』の
実質コストは2.07%とかなり割高になっています。

 

購入時手数料と併せて初年度は5%取られますので、コストは高すぎますね。

購入時手数料 3.3%(税込)※上限
信託報酬 1.87%(税込)
信託財産留保額 0.3%
実質コスト 2.07%(概算値)

※引用:最新運用報告書

 

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

 

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』の評価分析

基準価格をどう見る?

未来の世界(新興国)の現在の基準価額は10000万円をこえてきています。

2018年末にかなり大きく下げましたので、戻してくるまでには時間が
かかるかと思いましたが、2019年に入ってからの反発には目を見張る
ものがありますね。

 


※引用:モーニングスター

 

利回りはどれくらい?

未来の世界(新興国)の直近1年間の利回りは+10.19%です。
新興国株式カテゴリーの中でパフォーマンスは堂々の1位となっています。

 

昨年大きく下げた分を取りもどしたような形ではありますが、この結果は
十分に評価に値します。

 

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 +10.19% 1%
3年
5年
10年

※2019年9月時点

 

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出している海外株式ファンドランキング

 

標準偏差は?

未来の世界(新興国)の基準価額の変動が大きいかを調べるには標準偏差を
確認しましょう。

 

先進国株式の代表的な指数であるMSCI コクサイと連動するインデックス
ファンドで16~17程度。国内の小型株式ファンドで20~22程度ですので
変動はかなり大きいと思っておいたほうがよいでしょう。

 

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 24.11 93%
3年
5年
10年

※2019年9月時点

 

年別のパフォーマンスは?

未来の世界(新興国)の年別のパフォーマンスも見てみましょう。

 

2018年は17%超の大きなマイナスとなっており、今後の運用がかなり
危ぶまれていましたが、2019年はかなり大きなプラスリターンを出して
います。

 

かなり基準価額の振れ幅の大きな運用になっていますので、初心者の
投資家にはあまり向かないファンドですね。

年間利回り
2019年 +25.21%(1-6月)
2018年 ▲17.30%
2017年

※2019年9月時点

 

投信運用は長期投資が前提なので、つい出口戦略を
考えずに投資をしてしまいがちです。

しかし、「投資は出口戦略にあり」と言われるほど、
重要なテーマです。

ぜひこれを機会に投資の出口戦略を考えてみて
ください。

>>ここまで考えるのが本当の資産運用。多くの投資家が考えられていない投信運用の出口戦略とは

 

類似ファンドとのパフォーマンス比較

未来の世界(新興国)への投資を検討するのであれば、低コストで
運用ができるインデックスファンドよりもパフォーマンスが良い
ことは最低条件です。

 

今回は、新興国株式の代表的な指数であるMSCI エマージング・
マーケット・インデックスに連動するeMAXIS Slim 新興国株式
インデックスと比較しました。

 

2018年まではどちらもそこまで変わらないパフォーマンスでしたが
2019年に入り、未来の世界(新興国)が圧倒的な差をつけています。

 

これだけ運用に差をつけられるのであれば、高いコストを支払って
でも未来の世界(新興国)に投資をする価値があります。

 


※引用:モーニングスター

 

最大下落率は?

未来の世界(新興国)に投資をする前に、最大でどの程度下落する
可能性があるのかを知っておくことは非常に重要です。

 

どの程度下落する可能性があるかを把握しておけば、大きく下落した
相場でも落ち着いて保有を続けられるからです。

 

それではここで未来の世界(新興国)の最大下落率を見てみましょう。

 

最大下落率は3カ月間で▲19.08%となっています。運用期間が短い
ので、今後もっと大きな下落をする可能性はありますが、新興国株式
ファンドに投資するのであれば、最低でもこの程度は下落することが
あると心に刻んでおきましょう。

 

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲13.80%
3カ月 ▲19.08%
6カ月 ▲16.90%
12カ月 ▲17.30%

※2019年9月時点

 

評判はどう?

ネットでの書き込みなどで調べる方法もありますが、評判を知るうえで
一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

 

資金が流入しているということは、それだけこのファンドを購入している人が
多いということなので、評判がいいということです。

 

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』は
2017年12月に設定されたタイミングで資金が大きく流入しましたが、
2018年はパフォーマンスが優れなかったため、資金が流出超過と
なっていました。

 

2019年に入って、パフォーマンスはかなり優れた結果を残せては
いるのですが、資金の流出超過が続いており、価格の変動の大きさが
嫌になり解約する投資家が増えているものだと思います。

 


※引用:モーニングスター

 

新興国ハイクオリティ成長株式ファンド『未来の世界(新興国)』の今後の見通し

アクティブファンド全体に言えることですが、このファンドの運用チームが
どの程度能力があるかを見極めるのは非常に重要なことです。

 

テーマ型ファンドの場合は、そのテーマが今後伸びるかどうかを優先的に
考えるべきですが、特にテーマがなく、新興国全体の経済成長に期待して
投資をするような場合は、特に銘柄の選定が肝となります。

 

ちなみに過去10年の運用実績を見ると、新興国型のアクティブファンドで
10年平均利回りがプラスなのは、半分ほどしかありません。

 

つまり、何の根拠もなく購入すると50%の確率で、マイナスになってしまう
可能性があるわけです。

 

そのため、1年、2年は運用がうまくいくかまず運用チームの運用能力を
確認する必要があります。

 

「未来の世界」では、運用がうまく行っていますが、新興国でうまく行くか
どうかは別問題です。

 

未知のものに高いコストをかけるのはばからしいので、新興国の
アクティブファンドに投資をしたいのであれば、すでに長期で運用実績が
でているファンドのほうが安心です。

 

 

最後に、投信運用には多くのメリットもありますが、
当然ながら、弱点もあります。

今も私は投信運用を続けてはいますが、私がなぜ
投資信託の運用を主軸におかなくなったのか。

その理由をこちらで話をしています。

>>なぜ私が投信運用に限界を感じたのか。多くの投資家が見逃している投信運用の弱点