ニッセイアセットが運用する、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)。
株式に比べてボラティリティの低いことと分配金の高さを売り文句に、
公募ファンドを取り扱う日本の資産運用会社のほとんどが取り扱っている
Jリートファンド。

しかし、目を覆うような粗悪品が多く、毎月分配型のJリートファンド
としては後発組に入る本ファンドも、決して例外ではありません。

今日は、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)について徹底分析
していきます。


ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の投資対象はJリートです。

あなたから集めた資金を使って、オフィスや商業テナント、ホテル
などに投資を行い、賃料収入や売却益を配当として、投資家に還元します。


※引用:交付目論見書

組入銘柄数は45銘柄と国内の不動産投資法人をほとんどカバーしており、
資産規模の大きい投資法人が組入比率上位に入っています。

組入銘柄にオリジナリティが出せないので、他のJリートと比べても、
違いがないため、面白みがほとんどありません。


※引用:マンスリーレポート

運用体制は?

運用は、ニッセイ基礎研究所の調査・分析等の助言をもとに運用しています。
ニッセイ基礎研究所は、1988年創業のニッセイグループのシンクタンクです。
生命保険分野にとどまらず、国内外の経済・金融・資産運用・年金福祉まで
幅広い分野で、調査・研究をしています。

純資産総額は?

続いて、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の純資産総額は
どうなっているか見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の
総額だと思ってください。

ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ
替えることができなかったり、純資産総額が大きく減少していると、
ファンドの組み替えがうまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性が
ありますので、事前に確認すべきポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の直近の純資産額は1500億円
程度となっています。

一時は3000億円超の規模がありましたが、近年の毎月分配型への
厳しい評価の影響もあって純資産総額が減少しています。

1000億円以上ありますので、規模による運用のデメリットはないと
言えます。


※引用:マンスリーレポート

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、
株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなる
のが通例で、実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなけれ
ばなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の実質コストは1.20%となって
おり、一見割安に見えます。

ただ、後述しますが、インデックスファンドにパフォーマンスで
負けているにもかかわらず、このコストは高いですね。

購入時手数料 2.2%(税込)※上限
信託報酬 1.1%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.20%(概算値)

※引用:最新運用報告書

実質コスト以外にも、多くの投資家が気づいていない
投信運用での成果を出すのに妨げとなる間違った考え方
をまとめました。参考にしてください。

無料ファンド相談から見えた。多くの人が気づいていない投信運用で成果を阻む9つの誤り

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の評価分析

基準価額の推移は?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の直近の基準価額は
2018年以降ゆるやかではありますが、上昇しています。

毎月分配型のファンドで基準価額が上昇するというのはとても
珍しく、分配金を受け取らずに運用した場合の基準価額(青線)の
上昇度合いをみればわかりますが、Jリート自体がこの2年ほど
とにかく好調だったということです。


※引用:モーニングスター

利回りはどれくらい?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の直近1年の利回りは+23.44%です。

J-REITであれば、十分に満足のいくパフォーマンスになっていると
思ってしまいがちですが、同一カテゴリ―内で比較すると、下位20%程
となっており、後ろから数えたほうが早い程度のパフォーマンスです。

ちなみにあなたは実質利回りの計算方法はすでに理解していますか?
もし、理解していないのであれば、必ず理解しておいてください。

これがわかっていないとマズイ。実質利回りの計算方法。

平均利回り %ランク
1年 23.44% 87%
3年 7.53% 86%
5年 4.91% 73%
10年 12.74% 79%

※2020年1月時点

10年間高いパフォーマンスを出し続けている優秀なファンド達も
参考にしてみてください。

10年間圧倒的に高いリターンを出しているJリート ランキング

標準偏差は?

標準偏差は基準価額の変動幅の大きさを把握するのに役立ちます。

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の標準偏差は7~8となって
おり、日経225に連動するインデックスファンドに約半分程度の
変動幅となっています。

リスクが半分程度でも、そこそこのリターンが期待できるというのは、
やはり魅力的ですね。

標準偏差から将来リターンがある程度予測できるのはご存じでしょうか?
まだ計算方法を知らないと言う方はこの機会に覚えておいてくださいね。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

標準偏差 %ランク
1年 7.90 4%
3年 7.78 8%
5年 8.19 8%
10年 15.54 55%

※2020年1月時点

年別のパフォーマンスは?

では、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の年別のパフォーマンスを
見てみましょう。

2015年、2017年はマイナスとなりましたが、それ以外の年では、
5%以上のリターンを安定的に残しています。

株式との相関が低いので、株式ファンドが不調に終わった2018年に
しっかりとプラスのリターンを出してくれている点は非常に評価
できます。

年間利回り
2019年 23.44%
2018年 9.56%
2017年 ▲8.07%
2016年 7.68%
2015年 ▲5.08%
2014年 27.82%

※2020年1月時点

インデックスファンドとのパフォーマンス比較

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)に投資をするのであれば、事前に
インデックスファンドとのパフォーマンスは比較しておきましょう。

今回は、東証REIT指数と連動するニッセイJリートインデックスファンド
パフォーマンスを比較してみました。ぱっと見てわかる通り、ニッセイ
Jリートインデックスファンドのほうが常にパフォーマンスで上回っています。

これでは、高い手数料を支払ってまで投資するメリットを感じませんね。


※引用:モーニングスター

最大下落率は?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)に投資をするうえで、事前に
どの程度下落する可能性があるのかは知っておきたいところです。

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)はリーマンショック時で
最大▲49.40%となっています。

リーマンショックのような金融ショックが来た場合は、Jリートと
言えど、大きく下落してしまうことだけは忘れないようにしましょう。

最大下落率を知ってしまうと、少し足が止まってしまうかもしれません。
しかし、以下のことをしっかり理解しておけば、元本割れの可能性を
限りなく低くすることが可能です。

元本割れを回避するためにできるたったひとつのこととは?

期間 下落率
1カ月 ▲18.39%
3カ月 ▲30.32%
6カ月 ▲37.99%
12カ月 ▲49.40%

※2020年1月時点

分配金の推移は?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)は2015年9月以降、毎月40円の分
配を続けています。

分配金の内訳を見てみると、直近はファンドの運用が好調ということもあり、
すべてファンドの収益から賄われています。

分配金余力は80カ月超ありますし、まだ当分減額される心配はなさそう
ですが、あなたが受け取っている分配金の大部分はファンドの収益による
ものではないので肝に銘じておいてください。

また、このブログでは何度も言っていますが、特別な事情がない限りは
毎月分配型のファンドに投資すべきではありません。

計算するとよくわかる!分配金を受け取ることによるデメリットとは?

分配金 当期収益以外 繰越対象額
128期 40円 0円 3,113円
129期 40円 0円 3,258円
130期 40円 0円 3,308円
131期 40円 0円 3,440円
132期 40円 0円 3,704円
133期 40円 32円 3,671円

※引用:最新運用報告書

評判は?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の評判はネットでの書き込みなどで
調べる方法もありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の
資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけニッセイ J-REITファンド
(毎月分配型)を解約している人が多いということなので、評判が悪い
ということです。

直近のニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)は、毎月資金流出が超過
しており、毎月分配型=悪というイメージが投資家にも浸透してきたこと
がうかがえます。

また東証RIET指数に連動するインデックスファンドにパフォーマンスで
負けてしまっているのも原因のひとつでしょう。


※引用:モーニングスター

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の今後の見通し

米中貿易摩擦に対する懸念の高まりを背景に投資家のリスク回避
姿勢が強まったことで、株式市場は下落しましたが、J-REIT市場は、
業績が為替や海外景気の影響を受けにくいため、逆に上昇しています。

そして、足元の不動産ファンダメンタルズ(賃料や稼働率等、不動産市場の
基礎的条件)も良好であることから、J-REIT市場は堅調に推移するものと
思われます。

市場は堅調に推移することが予想されますが、ニッセイ J-REITファンド
(毎月分配型)を購入すべきかは別問題であり、J-REITに投資するのであれば、
コストの安いインデックスファンドに投資しておけば十分です。