ニッセイアセットマネジメントが運用する、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)。
株式に比べてボラティリティの低いことと分配金の高さを売り文句に、公募ファンドを
取り扱う日本の資産運用会社のほとんどが取り扱っているJリートファンド。

しかし、目を覆うような粗悪品が多く、毎月分配型のJリートファンドとしては
後発組に入る本ファンドも、決して例外ではありません。

今日は、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)について徹底分析していきます。

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の基本情報

投資対象は?

ファミリーファンド方式であり、投資対象はファンド名のまま、Jリートです。
あなたから集めた資金を使って、オフィスや商業テナント、ホテルなどに
投資を行い、賃料収入や売却益を配当として、投資家に還元します。

組入銘柄数は54銘柄と国内の不動産投資法人をほとんどカバーしており、
資産規模の大きい投資法人が組入比率上位に入っています。

組入銘柄にオリジナリティが出せないので、他のJリートと比べても、
違いがないため、面白みがほとんどありません。

運用体制は?

運用は、ニッセイ基礎研究所の調査・分析等の助言をもとに運用しています。
ニッセイ基礎研究所は、1988年創業のニッセイグループのシンクタンクです。
生命保険分野にとどまらず、国内外の経済・金融・資産運用・年金福祉まで
幅広い分野で、調査・研究をしています。

純資産総額は?

続いて、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の純資産総額はどうなっているか
見てみましょう。

純資産総額というのは、あなたを含めた投資家から集めた資金の総額だと思ってください。
ファンドの純資産総額が小さいと、適切なタイミングで銘柄を入れ替えることが
できなかったり、純資産総額が大きく減少していると、ファンドの組み替えが
うまくできず、予期せぬマイナスを生む可能性がありますので、事前に確認すべき
ポイントの1つです。

まさか知らない?絶対知っておきたい純資産総額のマメ知識

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の直近の純資産額は1753億円となっています。
一時は3000億円超の規模がありましたが、近年の毎月分配型への厳しい評価の影響も
あって純資産総額が減少しています。

1000億円以上ありますので、規模による運用のデメリットはないと言えます。

実質コストは?

私たちが支払うコストには、目論見書に記載の信託報酬以外に、株式売買委託手数料や、
保管費用、印刷費用などが含まれています。

そのため、実際に支払うコストは、目論見書記載の額より高くなるのが通例で、
実際にかかる実質コストをもとに投資判断をしなければなりません。

信託報酬を信用するな。知らないうちに差し引かれている実質コストの調べ方

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の実質コストは1.166%とカテゴリー平均よりは
安くなっています。ただ、後述しますが、インデックスファンドに勝てていないのに
このコストは高いですね。

購入時手数料 2.16%(税込)
信託報酬 1.08%(税込)
信託財産留保額 0
実質コスト 1.166%(概算値)

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の評価分析

基準価額をどう見る?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の直近の基準価額は、5,015円です。
見ての通り、基準価額は3年間で20%ほど下落しており、これは過剰な分配による影響です。

分配金再投資基準価額(青線)も6000円~6500円で推移しているので、
直近の運用はあまりうまくいっていないことがわかります。

利回りはどれくらい?

直近1年のトータルリターンは+7.54%です。5年平均利回り、10年平均利回りを見ても、
7%前後のパフォーマンスを出せているので、悪くないように思えます。

しかし、同一カテゴリ―内で比較すると、上位70%程度となっており、
後ろから数えたほうが早い程度のパフォーマンスとなっています。

将来リターンについては、標準偏差から計算できますので、ご自身で計算してみてください。
計算方法に自信がない方はこちらをご参考に。

本当にできてる?標準偏差から予測する将来リターンの計算方法

そして、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)と
ニッセイJリートインデックスファンドをパフォーマンス比較してみると、
明らかにニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)のパフォーマンスが劣っています。

あえて、高いコストを払って利回りの低いファンドを選ぶ理由はありませんね。

分配金の推移は?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)は2015年9月以降、毎月40円の分配を続けています。
分配金余力は85カ月超ありますし、分配金利回りは、9.57%となっており、ファンドの
収益力から見ると、過剰な分配(タコ足配当)を行っていますが、他のJ-リートファンドと
比較すると、健全な分配を行っていると言えます。

分配金は当分、減額される心配はないでしょう。

評判は?

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の評判はネットでの書き込みなどで調べる方法も
ありますが、評判を知るうえで一番役に立つのが、月次の資金流出入額です。

資金が流出しているということは、それだけニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)を
解約している人が多いということなので、評判が悪いということです。

直近のニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)は、そこまで悪いパフォーマンスでもないにも
かかわらず、毎月資金流出が超過しており、毎月分配型=悪というイメージが投資家にも
浸透してきたことがうかがえます。

ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)の今後の見通し

米中貿易摩擦に対する懸念の高まりを背景に投資家のリスク回避姿勢が強まったことで、
株式市場は下落しましたが、J-REIT市場は、業績が為替や海外景気の影響を受けにくいため、
逆に上昇しています。

そして、足元の不動産ファンダメンタルズ(賃料や稼働率等、不動産市場の基礎的条件)も
良好であることから、J-REIT市場は堅調に推移するものと思われます。

市場は堅調に推移することが予想されますが、ニッセイ J-REITファンド(毎月分配型)を
購入すべきかは別問題であり、J-REITに投資するのであれば、コストの安いインデックスファンドに
投資しておけば十分です。